彼岸の中日

彼岸の中日赤坂に出かけた。

知人が事務所を開いたのでお祝いと見学に行ったのだが、
日比谷高校が見えるところで、ロケーションは秀逸だ。

続いてランチをかねて赤坂プリンスホテルの跡地に昨年
できた東京ガーデンテラス紀尾井へ。

結構様々な飲食店が出ていたが「鳥幸」にてそぼろ丼を食べ、
さらにテラスに面したカフェ「ラ・プレシューズ」にてお茶をした。


(ガーデンテラス)


(旧李王家東京邸)

東京ガーデンテラス紀尾井はオフィス、ホテル、レジデンスおよび
旧李王家東京邸から成り立っている。

この当主・李垠(イウン)氏は李王朝最後の皇太子であり、
朝鮮併合前後に日本の強い要請で来日し、日本の皇族に
準じた扱いを受けながら、学習院から陸軍士官学校へ。

同時に皇族・梨本宮家の長女方子(まさこ)女王と結婚するが、
長男の暗殺(朝鮮王室の反対派によるとも推測されている)に遭遇。

また敗戦後には臣籍降下し、韓国に戻ることを願うも果たせず
1963年の日韓平和条約の締結によりようやく帰国が叶った。

愛新覚羅溥儀、溥傑などと同様、日本の大陸進出戦略の中で
数奇な運命を辿った人だ。



ともかく彼岸の中日に思い出すのはやはり32年前のことで
香港で為替の前線にいた頃のこと。

1985年の9月23日は祝日の月曜日だったが、前日NYの
プラザホテルでドルの大幅調整が合意された翌日にあたる。

東京市場は休場していたが、アジア市場は朝からドル売りが殺到し、
前週末が242円ぐらいだったが夕方には232円、そして翌日は
220円になっていた。

それからの半年のドル急落のすさまじさは筆舌に尽くしがたいが
その時のドル下落のインパクトが強すぎて、いまに至っても
円高の恐怖と妙味は忘れられない。

この円高のショックは尾を引いて未だに日本経済は低成長にあえぎ、
不況感は構造的となり、まさに病膏肓に入るといったところだ。

彼岸の中日は日本の高度成長経済の終焉の始まりの日として
記憶されるべきかも知れない。



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国造りの神々

イザナギ・イザナミと言えば、大八洲いや日本の国造りの神々だ。

そして天照大神をも含めたこれら神話の主人公たちは景気とも深く関わっており、
日本の戦後の景気にも「いざなぎ」「いざなみ」さらには「岩戸」などが冠せられている。

したがって好況の実感は乏しい現在の景気が今後
どのように命名されるのか興味の湧くところだ。



実際目下の景気拡大は58か月に及び、ついに1960年代の「いざなぎ景気」を超えた。

さらに2000年代の73か月におよぶ戦後最長の
「いざなみ景気」に迫ろうとしている。

とはいえ成長率はわずか1%にとどまり、危険な職種はともかく
オフィスワークなどは求職者が求人数を上回り、さらに正規雇用
など夢のまた夢で好景気の恩恵に浴する人は少ない。



一方で株価とともに不動産の値上がりが注目されている。

実際は東京都心の商業地やマンションばかりが値上がりして、
地方の住宅地は26年連続で値下がりが続いている有様なのだが。



ということで実体経済に比して株価・不動産にミニバブルが起きている
ことはかなり確実で、早晩バブル崩壊が起きるのではないか。

そのような趣旨で「日本経済ミニバブル崩壊リスク」と題して
ロイター通信に寄稿しました。

ご笑覧いただければ幸いです。

http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yoji-saito-idJPKCN1BV06W


FRB議長人事

8月末のジャクソンホールでの経済シンポジウムにおいてドラギECB総裁とイエレンFRB議長の発言が注目された。

しかし今後の金融の舵取りについて特段の示唆はなかったことに
市場はがっかりした。

一方で二人ともトランプ大統領への批判をにじませた点が特筆される。

ドラギ総裁は米国第一主義を掲げて保護主義に傾斜する大統領に懸念を示し
国際機関の強化と自由貿易の意義を訴えた。

またイエレン議長はトランプ大統領がオバマ大統領が進めた
金融規制に反対を唱えていることに懸念を示した。

実際米国の金融制度は20世紀後半から金融規制緩和を進めたせいで、
投資家の強欲をあおることになりリーマンショックにつながった。

従ってこの10年はその反省にたって金融改革法を成立させて、
より規制を強めてきた。
その過程でイエレン氏はボルカールール策定に副議長として中心的役割を果たした。

つまり金融規制に関しては反対するトランプ大統領と推進する
イエレン氏は水と油と言っても良い関係なのだ。



もともとトランプ大統領は低金利が大好きと言われるが、
イエレン氏への批判を頻繁に繰り返してきた。

しかし選挙戦途中からバーナンキ前FRB議長の緩和策を支えた
イエレン氏を持ち上げはじめ今や「尊敬する」とまで言う。

来年2月のFRB議長の任期到来を前にして10月ごろには大統領が
次期候補者を指名するが、ここにきてイエレン氏続投の可能性が急浮上している。



FRB議長人事については、8月までその本命にあげられていたのが、政権内で
経済問題全般を仕切り、大統領の全幅の信頼を得ていたゲイリー・コーン
国家経済会議(NEC)委員長。

若いころはゴールドマンの商品子会社の穀物トレーダーだったとかで
トレーダーがFRB議長になるなんて、と金融世界の常識が覆ると見られていたのだ。

しかしユダヤ人であり大統領の人種問題への偏見に強く異を唱えたことから、
大統領と決定的に対立しもはやFRB議長の芽は無くなった模様。

その他の候補と言えばテーラー・ルールを考案したことで有名な
ジョン・テイラースタンフォード大教授。

ただこの人の提唱するルールはインフレやGDPと言った経済変数にしたがって
政策金利が計算・決定されることになり、大幅利上げは避けられない。

つまりテーラー氏はタカ派ということで、政権としても
ウオール街にとっても都合が悪い人事ということになる。

あれやこれや考えると結局イエレン氏の再任で落ち着くように見える。

過日はイバンカ氏がイエレン氏と朝食をともにしたり、ムニューシン財務長官が
候補者リストを大統領に渡したと伝えられるなど政権内の動きは激しくなるばかり。

果たしてトランプ大統領の決断は?






事実と小説

日経新聞はその内容の味気無さを補うためか
家庭欄や文化欄に案外力を入れており時に彩光を放つ。

つい先日朝刊最終頁の連載小説では林真理子の「愉楽にて」が始まった。

大手製薬会社の遊び人の御曹司が主役で、シンガポールで
駐在員の人妻や若い女性との逢瀬を重ねる話だ。

渡辺淳一の「失楽園」もそうだったが、日経新聞は時にこのような
柔らかい路線をとっては読者サービスに励む。

しかし今更という気がしなくもなく、林真理子の衰えぬ不倫願望には
朝から少し胃もたれを起こしそうにもなる。



一方同じページに掲載されている「私の履歴書」9月号の主人公は
作詞家の湯川れい子氏。

この人のあばずれとも見える青春時代そして自由奔放な人生こそ
読んでいても楽しく、まさに「事実は小説より奇なり」なのだ。

目下のところ家には一橋大生から銀行員になった下宿人の「進さん」がいる。

そして「進さん」との婚約を親が決めた。高校時代は少し恋心もあったが
20歳を過ぎた現在8歳も年上のこの人には何ら心がときめかない、と。

もっぱら女優を目指したり英語の勉強のために外人と
付き合ったりそしてジャズ喫茶に通ったり。

さらに不良で予備校生の「直也」に真剣で結婚式間近にもかかわらず神戸へ旅行したり。

彼への思いが赤裸々につづられているのである。



昔東京銀行に為替の専門家として銀行内でその名を
確立していた大先輩に「〇川進」氏がいた。

この人の夫人は作詞家の湯川れい子だとささやかれ、
同時に離婚したとも聞いていた。

この人こそ「進さん」であり、60年も後にこんな全国紙に登場することになろうとは。

もはやすべての人が鬼籍に入られているからこそ湯川れい子も
実名を出して元夫や元彼氏との三角関係を赤裸々に公表する気になったのだろうか。

その事実の迫力にやはり小説は及ばないと言えようか。

他人事のはずなのに不倫へのバッシングが強まる今日この頃、
その凄まじさはちょっと奇異にも映るところでもある。

不倫は悪かそれとも文化か。

瀬戸内寂聴、林真理子など不倫は文化と考える人には湯川れい子に負けず
せいぜい健筆をふるって論陣を張って欲しいところだ。



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ブルージュ





今年の夏は2度にわたり新宿高島屋にあるベルギー料理の
専門店「ブルージュ」に行った。

もちろんお目当てはベルギービールで、ステラ・アルトワ、ヒューガルテン、
レフ・ブラウンなど。

早目に行けば一杯千円前後が500円になるというサービスも付いている。

また現地のようにバケツに山盛りとは行かないが、ムール貝の
白ワイン蒸しなども楽しめてなかなか。

さらに14Fのお店から新宿御苑や四谷方面の夕景も
一望できるのでお勧めしておきます。



ベルギーは人口1千万人程度の欧州の小国で近頃でも
EU以外のニュースは目にしない日本からは遠い国。

とはいえかつては仕事で頻繁に訪れていた懐かしいところでもある。

とりわけブルージュはハンザ同盟の一員で北海やバルト海の商業の
中心地として栄えたところ。

12世紀当時は北イタリアのフィレンツエやジェノバと海路もしくは
フランスを縦断する陸路を通して交易が進んだ。

おかげでシャンパーニュ平原やブルゴーニュ地方の諸都市では
南北からの商人が7日や10日ごとに集まっては市が立っていた。

したがってブルージュの旧市街にはイタリアなど各都市の商館などが
建っていて、今もホテルなどとして当時の姿をとどめている。

この町が衰退したのは大西洋へつながる海の道が浅くなったせいで
いつしか運河の町は立ち枯れてしまった。



ということでこの店はたまにベルギーに思いを馳せる格好の場所である。

因みに筆者周辺にベルギーで働いていた3人の銀行時代の為替仲間たちがいて
季節に一度赤坂の馴染みの店で飲んでいる。

10月の会合は珍しく店を変えることになり人形町の鮨屋に遠出するが
このベルギー通の友人たちをこの店に案内して感想を聞いてみたいとも思う。

つまり目下ベルギービールがマイブームなのだ。



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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