期日前投票

選挙戦も終盤になりようやく投票先も決めたので
区役所の出張所へ期日前投票に出かけたら、大変混雑。

近頃は衆議院選といえども投票率が5割程度と低調な中で、
投票総数の2割を占めるという期日前投票は十分に機能
しているようだ。

お陰で22日の投票日に雨の中小学校まで出かけなくてすみ
また国民の義務を果たした気分でホッとしたといったところだ。



今回の選挙は「国難突破解散」などと言われたが、実に片腹痛く
また笑止千万の思いだ。

国民に信を問うべき何の争点もないのにもりかけ問題を封じるために
700憶円もかけるなど本当に民主主義の弊害を見せられた思いだ。

もちろん王制や貴族制下においては国民が政治に関与
できるなど夢のまた夢であり、国民が等しく参政権を獲得するのに
様々な苦労があった歴史を思えば、やはり積極的に投票参加すべきだろう。

それにしても民主主義は金もかかるし、それでいて優秀かつ高潔な人が
政治家になるわけでもないし、不毛の選択を強いられるのは苦役ともいえる。

それでも消去法の上で比較的マシな政党・人物を選ぶ努力を
するのが国民の義務そして権利と言ったところだろう。



現在の小選挙区比例代表併用制下においてはこれまでの経験から
25%の得票率で65%の議席数を獲得できる。

これで安倍一強政権が国民の支持を得たとして教育の無償化を
目くらましにして憲法改正をしてしまうつもりだ。

憲法9条がノーベル平和賞の候補にあがるなど天然記念物化
しているのは否めないが、政権が国民の支持を得たとして強硬に
改正へとひた走るのには違和感を感じざるをえない。

そこで野党の重要性が出てくるのだが、これがまた共闘しないで
希望が立民に刺客を送ったりと内ゲバ状態で、共倒れになったことを
反省すべきだろう。

つまり選挙後の政局は憲法改正をめぐって人気の落ちた小池都知事の排除を含めて、
野党の再編ということだろうか。



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暗黒の月曜日

10月19日(木)

10年ひと昔、20年大昔と言われるように
近頃時代の流れがとても速くなっている。

とすれば30年はどのように言えばよいのか分からないが
とても遠い時代の話に違いない。

とはいえ30年前の10月19日の「暗黒の月曜日」
(ブラックマンデー)の記憶だけは未だ鮮明だ。

その敗戦処理でしばらく日比谷界隈で夜食を取りながら
ニューヨークの先物市場のオープンを待ったものだ。



当時も今と同様にNYダウは好調に推移していたのだが、
前週末金曜日比で500ドルおよそ23%下落したのは本当に突然だった。

つまり現在の相場で換算すれば1日で5000ドルの暴落に相当するだけに
その下落率の大きさは今もって更新されていない。

相場は案外早くに回復したので1929年の大恐慌の二の舞に
ならなかったのはせめてもの救いだった。



ところで30年後の現在の相場はいたって好調で、今日は記念日にあたるものの
その事件は昔話となり、日々の活況に忘れ去られたと言ってもよさそうだ。

実際NYダウは日々史上最高値を更新し、ついに23000ドルを抜いた。

金利上昇をものともせずに棒上げする相場の強さは本物と専門家が
太鼓判を押すだけに買いが買いを呼ぶ状況に至っている。

そしてそれを裏付けるように経済指標は台風による一時的な落ち込みから脱して
軒並み好数字を連発しているのだ。

30年前と現在の環境は大きく異なっているのだが、唯一類似点があるとすれば
FRB議長の交代。

当時はボルカ―氏からグリーンスパン氏に代わったばかりで
政策運営の不透明感が増幅していた。

そして現在は5人に絞られた議長候補たちとのトランプ大統領との
面接も終わり今や結果発表が行われるだけとなった。

このFRBの政策運営、とくにタカ派の議長(たとえばテーラー氏やウオーシュ氏)
が就任した場合は、金融市場にショックを与える可能性は無視できない。

ということで現在の強気相場は要警戒と言って良いのではないだろうか。



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習近平思想

5年に一度の中国共産党大会が2千人以上の
参加者を得て18日に始まる。

この会議の内容は目下のところ厳重に伏せられているというものの、
この大会を控えた7中全会(第7回全体会議)のコミュニケが発表されて
徐々に内容が漏れ伝わりつつある。

いまだ確定していないものの、習近平総書記の政治思想・指導理念が
盛り込まれた党規約改正案が承認される見込みとのことだ。

この結果党大会において習近平思想は、「建国」を謳った毛沢東思想そして
「経済発展」を進めた鄧小平理論と並び特別視されるところとなり、
習主席の核心としての存在が強く認識されるところとなる。



「習近平思想」とはこの5年間に掲げてきた「治国理政」と言われる概念
のようだ。

つまり党が掲げる2020年までの目標「小康社会(ややゆとりのある社会)
の全面的な実現」に向け、改革や法治、厳格な党内統治を推進するというもの。

つまり反腐敗や脱貧困を進めることにより、30年後に迫った建国百周年における
「中国の夢」の実現を手繰り寄せようとの思惑がある。

そしてその過程において2035年ごろには一人当たりGDPを現在の
8千ドルレベルから中等先進国つまりイタリア並みの3万ドル程度に
引き上げることを目指すようだ。



「中国の夢」に至る道のりの途次にある現代の中国では、生活水準は
改善されつつあるというものの、格差が根強く残る監視社会であり、
自由な社会とは程遠い。

ただiPhoneの偽物などが出回るなどスマホの普及は目覚ましく、
アリペイなど銀行を利用しないモバイル決済と通販が行き渡っているように
生活の利便性は高まっている。

このように金融イノベーションは先進国(米国)とともに
後進国故にその発展度合いが目覚ましい。

金融後進国こそ「後発性の利益」を享受できるように、中国は
後発ゆえに今後の金融イノベーションの伸びしろが大きい。

これからの30年間習近平思想が指し示すように中国が発展し、
そして本当に小康社会が実現されるのか注目されるところだ。



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モラルハザード

先週末ワシントンでG20財務相会議が行われた。

G7ならまだしも20か国が集まって議論しても何が決まる
わけでもないが、ともかく集まることに意義があると言うことだ。

目下の世界の経済状況については、世界7地域が低金利、低物価の恩恵で
同時成長しており、この好機に構造改革を進め経済の効率化を図ることが
確認された。

また欧米の中央銀行が低金利からの出口戦略を進めている中で
金利の上昇が新興国から米国への資本流出を招くことで新たな
世界経済への不安材料として指摘された。



国際金融協会(IIF)の調査によると過去10年において米中はじめ
各国の公的・民間債務は1.5倍に膨らんでいるとされ、どの国も
財政を切り詰めるのに難儀しているのが実情だ。

したがってこの会議ではこれまで財政再建問題に関する危機意識が
共有されてきたが、2010年のG20トロントサミットにおいて各国は
3年以内に赤字半減を実現することを目標として掲げた。

その時日本だけは目標達成を無理とし、その代わりに基礎的財政収支
(プライマリーバランス)を10年後に黒字化することでお目こぼしを
してもらった。

それがここにきて2020年の目標達成は不可能として国際公約の
取り下げに至って面目を失ったが、各国から非難が出なくて
(麻生財務相が欠席する中で)黒田総裁は胸をなでおろしたということだ。



世界的に財政悪化が進むとはいえGDPの250%に接近する日本は断然
際立っているが、財政赤字圧縮に向けての消費増税を2度も先延ばししてきた。

2019年秋にこそ3度目の正直で上げることになっているが、今や
自民党は選挙公約としてその使途を変更し財政穴埋めに使うのではなく
教育補償と美名に包みつつバラマキをすることとしている。

これに対して野党と言えば、反対するどころか増税を凍結・中止を
というのだから日本で財政再建など永遠に不可能ということだろう。

こんなに右も左も増税中止の声が高まってくると、財務省を筆頭に
財政再建を真面目に議論することなどバカバカしくなってくるのが人情だ。

これぞまさにモラルハザードだ。



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リベラル?

選挙序盤戦の世論調査結果を大手メディアが報じた。

どれもサンプル数は5万件程度、そして態度保留者が5割程度
と言う段階だけに確実性には疑問符がつくが、どれもほぼ同様に
自民堅調、希望伸びず、立民善戦としている。

因みに議席数予想では自民260、希望70、立民45、
公明35共産20、維新15と言ったところ。

民進が分裂し公示前88議席が希望+立民=115と少し伸びるが
前原の捨て身作戦は結局失敗で「言うだけ番長」の汚名返上には
至らないようだ。



それにしても立民の善戦は予想以上で、枝野の頑張りと
朝日新聞社の支援が大きく作用している故だろう。

そして日本の「リベラル派」と言う人たちが反安倍で結集し投票する結果でもあるだろう。
しかし「リベラルとは何か」また「立民がリベラルなのか」について疑問を感じるところだ。

つまり日本で言われるリベラルの概念が大きく左寄りとなってきているのではないか。

かつて55年体制下においてリベラルとは自民党内のタカ派(自国憲法制定・
戦前の体制への回帰)に対する宏池会などハト派(戦後体制容認、対米協調、
市場経済重視)を総称するものとされていた。

(社会党は左翼そして共産党は極左と言うことだったか)

ところが東西冷戦の終焉とともに行き場を失った左派勢力がいつの間にやら
リベラルを名乗ることになり、今や本質的に極左である立民がリベラルの代名詞
を獲得したということだ。



それでは海外事情はどうかと言えば、欧州においてリベラルとは中道であり、
英国で言えば自由党などがそれに該当するようだ。

したがってこれまでリベラルを代表すると思われたブレア、シュレーダー、
マクロンらの路線は市場経済を重視しすぎと映るように、
欧州におけるリベラルとは日本人の感覚で言えばかなり右寄りと言えよう。

また米国に目を転じれば、小さな政府やキリスト教重視を主張する共和党など
保守派に対して、大きな政府、人権保護のための介入、環境保護などを
主張するのがリベラル(民主党)で
やはり米国のリベラルの概念もまた右に寄っている。

したがって日本のリベラルとは欧米と異なりかなり左寄りであり、
また既得権を守ろうとする守旧的な動きをする勢力でもあると言えよう。

文春11月号記事「安倍は保守と言ってはいけない」によれば、高齢世代は
右が保守の自民、左が革新の共産とする考え方が定着している。

しかし20~40代においては、右が現状を維持しようとする共産、そして左が
改革を進める自民そして民進はその中間に位置しているという考え方が支配的という。

このように時代の流れや世代間に置いて日本の政治・思想も異なるようで、
自らの投票行動を何を基準に決めるのかは難しくなり、
結局党首の好き嫌い次第と言うことになるのか。

どちらにしても自民党が260議席を獲得すれば、安倍一強政権は安泰で、
もりかけ問題も沙汰闇となって権力はさらに倦んで行くことになるのではないか。



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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