FC2ブログ

リブラ

通貨の歴史は今から約5千年前のメソポタミアに
遡るとされるが、それ以来時の権力者が通貨発行権を
駆使して通貨発行益(シニョレッジ)を享受してきた。

その歴史を経て現代では各国が通貨発行権を持ち
中央銀行が通貨発行を行っている。

したがって通貨主権が尊重され国境を超える場合には為替が
生じることになる。

実際米ドルに見られる通り世界で通じる通貨を発行する主体者は
無尽蔵の購買力を手にすることができ未曾有の繁栄を得ることができるのである。

その常識にアンチテーゼをもたらしたのがブロックチェーンの
発達による仮想通貨(Virtual Currency)の登場である。



ビットコインに代表される仮想通貨はここ数年で
600種ほどへと増殖した。

その名称も暗号通貨(Crypto Currency)となり、さらにG7が使用した
暗号資産(Crypto Asset)で定着したようである。

この通貨は送金コストが安く決済に便利とされているが、いかんせん
変動が大きく、将来的にも使いがってが悪いのではと思われてきた。

ということでその実用化はまだまだ先かと思っていたら、
27億人のユーザーを持つFBが旗をふりVISA,マスター、UBERなどが参加して「リブラ」を始めることとなった。

つまり国境を超えて「リブラ大経済圏」を作ることになり
これまでの通貨の概念と全く異なる世界が登場する可能性が高まった。


FBは金融サービスを行うつもりはないとし、あくまで決済サービスに
専念する意向のようだ。

このように新たな経済圏、金融システムの登場を懸念して米国の
上院銀行委員会の公聴会でFBの責任者が質問攻めされることになり、
とりあえず2020年の開始は先送りとなった。

特にマネーロンダリング、さらに外部からの侵入やテロに対する
セキュりティなどが問題視されており、過日のG7財務省会議でも
早速懸念が表明され規制論議が始まった。

ただビットコインに見られる乱高下については、その対策として準備金を
積んで人民元を除く主要通貨にリンクさせることで安定化を図るとのことだ。

どちらにしても米ドルを基軸通貨とした通貨制度が
大きく変わるかも知れないだけに、今後要注目だ。


スポンサーサイト

ダ・ヴィンチ

ウオルター・アイザックソンの「レオナルド・ダ・ヴィンチ上下」
(文芸春秋社)を読んだ。

この著者はこれまでベンジャミン・フランクリン、アインシュタイン
そしてスティーヴ・ジョブズなどの天才の伝記を書いてきた。

そして今回は500年前のルネサンス最盛期である
1452年~1519年を生きた天才ダ・ヴィンチに迫った。

ダ・ヴィンチは生涯2万ページほどの自筆メモを書いたとされ
著者はそのうち現存する7200ページのメモを克明に読み込み
その実像を描き出した。



イタリアと言えばとりわけトスカーナの風景を気に入っているが、
ダ・ヴィンチはまさにそこの人。

フィレンツェの郊外20キロにある
ヴィンチ村の公証人の家系に生まれたが、
その母は農家の娘であり生涯非嫡出子として扱われる。

父方の祖父母に育てられ12歳でフィレンツェの工房で修行。

その能力は師匠を驚愕させるとともに、その興味は彫刻、
絵画の領域に止まらず解剖学、科学、軍事学へと発展した。

同時にかなりの美少年であったそうで、師匠ベロッキオの
いくつかの作品のモデルもしていたとの説がある。

とはいえ女性との浮いた話は皆無つまり同性愛者だった。

フィレンツェを振り出しにミラノ、ローマへとパトロンを探す
人生を辿るが、その中にはロレンツォ・メジチやチェザーレ・
ボルジアなど当代の有名人の庇護をうけることになる。

またボルジアの下でマキャベリとともに働き、さらにヴァチカンでは
人生で唯一のライヴァルであったミケランジェロと競ったりした。



67歳で死去する最晩年の3年はロアールのアンボワーズにおいて
フランソワ1世の寵愛を受けて暮らす。

その頃もまた多くの息子たち(=恋人)に囲まれて楽しく暮らしていたと
されるが、それはまさに150人の息子たちに見送られたジャニー喜多川と
同様だったと言うことか。

因みにこの作品は同じファーストネームを持つ
レオナルド・ディカプリオ主演で映画化される。

その名前の由来は、この人の母が妊娠中にウフィッツィ―美術館で
ダ・ヴィンチの作品を見ていた時に息子がおなかを蹴ったとことによるとか。

出来すぎた話なのでその真偽は不明としておこう。






.

れいわ新選組

トランプの登場を機に世界的にポピュリズムが広がっているが
欧州でもイタリアで五つ星運動そしてスペインでポモデスが
既存政党を批判して大躍進している。

この大衆の不満を煽る戦略は効果があるようだが、
日本ではまだ不満は沸点に達していない。

日本の若者と言えばその大半は自民党支持であり
お陰で政治に関心を示すのは高齢層ばかりの故かも知れない。

参院選において消費税、年金などがテーマとして挙げられるが
その論争は極めてマンネリ的である。

このような環境下参院選に興味を持てない筆者を覚醒させてくれたのが
山本太郎が主宰する「れいわ新選組」。



百年一日変わらず成長戦略を唱える「自公政権」に共感できないし、
野党もひたすら反対ばかりで国家ビジョンを呈示してくれない。

そんな不満が鬱積する中で政党要件を満たしておらず
党首討論会に呼ばれることもない「れいわ」がネットを中心に浸透しつつあるそうだ。

6年前に東京選挙区から参院議員となった山本が
今回は仲間を引き連れて比例区に登場したのである。

山本と言えばその周辺に革共同中核派のメンバーがいるとか
園遊会や国会での非常識な行動など首を傾げる点が多々ある。

とはいえ東京地方区に沖縄創価学会の野原ヨシマサを出馬させ、
さらに比例区には特定枠に身障者を2名指名するなど奇策に
打って出ている。

つまり山本本人は300万票をとり「れいわ」として
3枠を確保しなければ議席を失うことになるのである。



ということで「無関心」を決め込んでいた筆者は
背水の陣を敷く「れいわ」に俄然興味を持ったのである。

「れいわ」の政権公約の中心は「消費税廃止」と「奨学金徳政令」
という究極のポピュリズム。

既存の政治体制に不満を持つ選挙民が政党要件奪取を
目指す「れいわ」にどのような判断を下すのか。



.

皇室外交

米中はじめ米イラン、米朝そして日韓など外交問題は
実務者による長い交渉を要するもので、どれも一朝一夕にことは
進まないと言うのが一般の理解だ。

そんな中で目立つことの好きなトランプ大統領は「トップ外交」を
推し進めているが、この危うさについて様々に指摘される。

実際駐米英国大使がその点を含めて大統領批判をし、その公電が
もれて大統領は気分を害し米英の外交問題に発展している。

とはいえトランプ大統領は板門店で金正恩と電撃会見したりと
俺流を追求しているが、実務者のフォローがないだけに火遊びに
終わる惧れもなしとしない。



「トップ外交」とともに言葉だけが一人歩きし実体がないのが「皇室外交」だ。

かつて職業外交官を辞めて宮中入りすることを嫌がる雅子皇后に対し
時の宮沢首相が「皇室外交」をすればよいと説得したとされている。

それが功を奏したか雅子皇后は皇太子妃となりさらに四半世紀におよぶ
苦節を経てこのたび皇后として外交デビューした。

この短い期間にトランプ大統領夫妻、マクロン仏大統領夫妻
さらに駐日中国大使など多数の要人と接見し、その立ち居振る舞いに
賞賛の声が上がっている。

実際ロシア人の駐日スイス大使夫人とはモスクワの話で
意気投合したとも言われる。

さらにメラニア夫人やブリジット夫人とは教育問題を語り
トランプ大統領には象徴天皇制のレクチャーをしたとか。

このように雅子皇后の語学力や知性に対し内外を問わず人気は
沸騰しているようで、会見したいと外国要人が列をなしているという。



令和に改元されて2月余り。

すでに雅子皇后は28もの公務をこなしたと言われるが、
皇太子妃時代のドタキャン、ドタ出で周囲を困らせていた
ころとは見違えるばかりの活躍ぶりだ。

と言うことでその継続性が心配になるが、「勤労奉仕団へのお会釈」
「香淳皇后のご追悼」などは欠席されているようで、今後も昭和の香りの
するものなどを中心に取捨選択してもらいたいものだ。

ということで天皇皇后は「皇室外交」の何たるかを身を持って
示し、さらに日本そして世界を明るくする存在となれば、何と
痛快極まりないことではないか。


.


再びの金融緩和

EUの首脳人事が決まった。

ECB総裁にはラガルドIMF専務理事そして欧州委員会の
次期委員長には独のフォンデアライエン国防相と2人の
女性がEUの舵取りをすることになった。

独仏が枢要ポストを分け合うのはいつもの通りで、8年前に
仏のストロスカーンIMF理事の不祥事でお鉢が回ってきた伊のドラギECB総裁が
例外だったと言うところか。

またタカ派であるバイトマン独連銀総裁ではなくラガルド氏が
就任することで今後金融緩和が推し進められることになるだろう。



欧州同様米国も緩和スタンスを強めており世界は再び
金融緩和の流れを強めることになりそうだ。

世界で唯一金融正常化の道を辿っていた米国においても、
トランプ大統領の緩和催促ツイートは一段と熱を帯びている。

すでに市場は7月末のFOMCで50BPもの大幅引き下げを
含め年内3度の利下げを読んでいる。

この結果10年国債の金利は昨年秋の3.2%台から何と
1.94%まで下落しているが、さすがに行き過ぎではないか?

特に昨夜発表された雇用統計に見られる通り米国経済の先行きは
それほど暗くなく、また中国との貿易交渉も再開する見込みでもあり
「予防的な」利下げの必然性が少し減少しているのではないか。



このように世界が再び金融緩和を推し進める中で
日銀はマイナス金利の深堀に限界がある。

したがって円高の圧力がかかるのが懸念されているが昨秋の114円から
目下108円程度と、印象としては円高の進み方が遅い。

この理由はと言えば、日本の経済構造特に為替需給の
変化が起きているのではないか。

ひとつには原油価格が下方硬直的で為替需給が緩まないこと。

そして2つ目には341兆円にのぼる対外資産(負債)残高の
内容の変化だ。

実際直接投資は拡大しているものの証券投資は減少傾向にあり、
本邦への利益回金つまりレパトリによる円買いが細っていると見られることだ。

したがって日銀が世界的な金融緩和の潮流に乗れないとしても、
案外円高は進まないとの推論が成り立つのである。



,
プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR