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クーデター

11月19日夕刻日産のプライベートジェットが羽田空港に
到着するや否や特捜が機内に乗り込みゴーン会長が逮捕された。

そして午後10時に西川社長が記者会見を行い事の顛末を
語ったが、その何と他人事のような発言の連続か。

クーデターかとの記者質問に対して否定していたが、
20年も君臨したゴーン氏への反発が社内的に予想以上に
大きかったのだろう。

挙げられた罪状を見てもゴーン会長と側近だけで出来る
訳もなく、反ゴーン派が自らの地位を保全しつつ特捜を
巻き込んでクーデターを起こしたと考えれば腑に落ちる。



ゴーン氏と言えば20年前に親会社のルノーの副社長から
1兆円の負債に青い気吐息の日産に乗り込み
コストカットで数年で黒字化した中興の祖でもある。

昨年には日経新聞の「私の履歴書」でその手法を詳らかに
していたが、その経営が厳しかったことは容易に想像できる。

したがって社内にそのうらみつらみが根付いていたに違いなく
積年のうらみがついに爆発したと言うことだろう。

罪状の金銭がらみについては、次のようなことが言われている。

①パリ、アムステルダム、ベイルート、リオに社宅を作らせ
 それを無料で使っていた。

②前妻との離婚訴訟費用を会社に負担させ、さらに再婚相手との
 ベルサイユ宮殿での結婚式費用を会社に負担させた。

年収10~20憶円の人が?と俄かには信じがたい噂が飛び交って
いるようだが、目下真相はやぶの中で、早晩明らかになるのだろう。



どちらにしても日産の株価は一日で6%値下がりし、
さらに若干円高にも触れたのではあるが。

ともかくゴーンショックが一時市場で材料視する向きもあったが、
それもこれも20年にわたるゴーン会長のカリスマ性の故と
いうことだろう。

ともかくこの逮捕劇で日産社員はフランス語や英語の
勉強から解放されたということか。


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アップル・ショック

ガラ系からスマホに乗り換えたのが8年前。

サムスンのGalaxyと富士通のArrowsを併用しているが、
アップルファンに言わせれば使い勝手の良さはiphoneが秀逸だとのこと。

その人気の秘密は良く分からないが、新商品が出るたびに
世界中で行列が出来るのだから抜群の機能を有するのだろう。

このように新規需要に買い替え需要も根強く過去10年余りの
スマホの販売台数は90億個にも上ると言われるが、やはり
その中心にアップルがいると言えよう。

とはいえ世界の人口は70億人しかいないのだから、
飽和状態になりつつあるのは確かだ。

果たして今後もアップルがアマゾンとならび世界経済と
米国株価を牽引して行くことはできるのだろうか。



アップルの株価は過去10年で10倍になっており
時価総額も1兆ドルを突破するなど世界1の企業に成長した。

とはいえ先週は関連下請け企業の受注が圧縮されたとの報が
伝わり、株価が急落するアップル・ショックが発生した。

その後も下落を続け目下の株価は190ドルと10月月初の
230ドルから20パーセントも下落して売り気配が強い。

アップルは台湾企業が中国で生産する部品を使うなど
国際分業体制の象徴的存在となってきた。

しかし自由貿易体制を基盤とするビジネスモデルも保護貿易主義の
台頭に変調を来しつつあるのも当然かも知れない。



アップル株価の下落によりIT銘柄を中心とするNASDAQの下げは
ことのほかきつい。

一方ダウも27千ドルを前にして今年に入り2月には3千ドル
10月にも2千ドルも下落するなど高値圏で荒い値動きをしており
転換点を示唆しているともいえる。

現在米国経済をとりまく環境は、保護主義者トランプの登場、
そしてFRBによる低金利政策からの脱却などパラダイムを
変化させるに十分な条件が揃ったともいえる。

リーマンショックから10年、2018年は大きな曲がり角だったと
後年言われるのかも知れない。


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世界のリスク

銀行時代からお付き合いしている倉都康行氏
から新著「危機の資本システム」(岩波書店)をお送りいただいた。

同氏は証券・資本市場の専門家としてロンドンそして
米銀で勤務したあと、この20年コンサルタントのかたわら
教鞭をとりつつ執筆を行うなど多岐に活躍されている。

今回の著書において、リーマンショックから10年が経過し
予想外の世界経済回復に安心感が広がっているが、
その風潮に対しリスクを検証し警告を発している。

具体的には米国金融システムの脆弱性、中国経済の混迷化、
通貨ユーロの弱体化、日本における財政不安と金融リスクなど
を指摘しているのである。



リスクは発生確率と影響度の大きさによりマトリックス化
することができる。

それでは発生確率が高くそして影響度が大きなものは何か。

倉都氏はそれは現下の米中貿易戦争のの拡大にともない
中国経済が不安定化することであるとしている。

11月後半のG20における米中首脳会談を前にして、目下米中関係の
改善が期待されているが、ことはそれほど容易ではなさそうだ。

米国は米中貿易戦争を経済問題としてではなく、
G2の覇権争いつまり安保問題ととらえている事による。

一方中国に目を転じれば、インフラ投資もゴーストタウンが広がるように
過剰投資と過剰消費で成長を実現するのはもはや限界だ。

また株価の底割れの可能性も捨てがたく、チャイナリスクは今や
発火寸前と言うところだろうか。





それでは発生確率が低くてもその影響度が大きいもの、
それはテールリスクと言われるものだが、倉都氏は
日本の財政・金融リスクの存在と指摘している。

すでに6年を経過したアベノミクスの集大成として
これからの3年が位置付けられる。

その間の最大の課題こそが出口戦略つまり異次元緩和からの
脱却と言うことだ。

いつまでも劇薬を使い続けることが出来るはずもなく
その副作用は日本経済の根幹を傷める。

すでにインフレ目標の2%など画餅であることは誰もが
認めるところであり、グローバルリスクが伝播した時の
円高を通じて日本経済が大打撃を受けることは避けられない。

つまり6年にわたる円安そして名目実効レートベースで見た
ドル高を見れば、次に来るのは未曾有の円高・ドル安だ。

その時に打つべき手がないことが日本そして世界経済の
テールリスクになるに違いないだろう。


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下山の思想

かつて東横線の白楽駅から歩くこと10分ぐらいの
丘の上に住んでいたことがある。

その道すがらには岸恵子の実家とともに、五木寛之が
住むマンションが建っていた。

当時「さらばモスクワ愚連隊」でデビューして以来超売れっ子だったが、
「青春の門」も読んでいないし、それほどのファンでもなかった。

ところが同氏が50歳前後に龍谷大学の学生として仏教を学んで以降
浄土思想に関する作品が増え馴染みができた。

「蓮如」や「親鸞」などの小説を書く一方で、高齢者への応援メッセージを
数多く発信する機会が増えたのである。

最近でも先月は朝日新聞でこの人の来し方や思想についての
エッセイが連載された。

さらに今月は文芸春秋の「孤独」特集において巻頭言として
「人間は生まれた時も死ぬときも一人」と言った内容を書いているのである。



と言うことでこの86歳の作家の人気の秘密を探ろうと、過去数年に書いた
「新老人の思想」「下山の思想」「ただ生きていく、それだけで素晴らしい」という
3冊のエッセイを流しながら読んでみた。

その内容は老人世代(この人は階級と呼んでいるが)に対して、
登山の後は下山があるのを当然として、下山の心構えを語っている。

その要諦は、「孤独」を甘受するとした上で「生き方」と
「逝き方」をやさしく語っている。

実際人間が必要とする絆について、その相手としての
友人に対して適正な距離を持つことを進めている。

また妻、家族に対しても同様で死ぬ時は一人である
覚悟を持つことが肝要としているのだ。



そして「逝くべき」適齢期については法然80歳、蓮如85歳、
親鸞90歳で死去したことを例に挙げ、それを理想としているようだ。

とはいえ宗教家は別として、現代社会における普通の人間には
経済的、肉体的、社会的制約がある以上それは難しいとしている。

つまりやみ衰えて寝たきりになる直前の75歳から80歳辺りが現実的そして
理想的な逝き時ではないか、と言うのがこの人の考え方のようだ。


青と赤

今回の米中間選挙は米国内外において異様に関心を集め
投票率は50%近くと前回を10ポイントほど上回った。

お陰で日本時間7日の午前はCNNの開票速報を見ていたのだが
その途中経過に反応して東京市場は乱高下した。

結果は過去大方がそうであった様に、
政権党が議会の支配権を失うことになった。

とはいえ青い波が全米を覆うという民主党の圧勝があったわけでもなく
赤い象をシンボルにする共和党が踏ん張ったようにも見える、つまり
痛み分けと言ったところだろうか。



早速大統領は記者会見において虚勢を張り勝利宣言を発した。

これから2020大統領選に向けてこれまで以上に米国第一主義を
前面に押し出して米中貿易戦争はじめ通商問題の深堀を図るに違いない。

同時に議会工作が難しくなるだけにロシアゲートや女性スキャンダルなどを
簡単にねじ伏せることは難しくなるだろう。

とはいえ上院の過半を確保しただけに弾劾にさらされることもなさそうで、
十分に再選の権利を確保したということだ。



一方の青いロバをシンボルとする民主党はと言えば、下院を
奪還したものの上院は議席を減らす見込みだ。

もちろん29歳と史上最年少のヒスパニックの女性が当選するなど
ピンクウエーブが見られたものの、新たなリーダーが登場することもなかった。

オバマ2世と注目されたベト・クルーク(46歳)はテクサス州で
大物テッド・クルーズに敗れ、2020の大統領選の目がなくなった。

目下のところサンダースの流れをくんだ左派の進出が目立つが
大統領選を勝ち進むには中道派でなければ難しいとされる。

その意味で目下の該当者は70歳を超えたバイデン元副大統領
ぐらいしか見当たらないのだから、将来の民主党そして米国のリーダー
になる人の登場にはしばし時間がかかりそうだ。

つまりこれから加速化する2020大統領選はほぼトランプで
決まりということかも知れない。


..
プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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