29連勝?

藤井聡太四段が目下28連勝し新記録樹立を目前にしている。

デビュー以来の連勝記録10を抜き大幅に更新している。

学生横綱が角界に入ると序の口から幕下ぐらいまで
勝ち続けるように実力差が大人と子供程度の違いがあればこそ
可能になる数字だ。

つまりその実力は160人のプロの中でもすでにトップ10クラスと
言うことに違いなく、4,5、6段相手では圧倒的な強さを示すのも当然だろう。



デビュー戦では加藤一二三九段との63歳差が話題になったが、
このひふみんが初代の中学生棋士だった。

それ以来谷川、羽生、渡辺が続き藤井四段で5人目。

このまま順調に順位戦を勝ち上がれば3年ぐらいでA級入りし、
最速で行けば18歳ぐらいで名人が登場することになる。

そんな話が語られるにつけ、筆者を含めにわかファンは
盛り上がり、将棋フィーバーが巻き起こっているのだ。

暗い話題が多い中世の中を明るくしてくれるので大歓迎だ。



それにしても背広を着ている姿や受け答えに風格がある一方で、
案外可愛さもあってその落差も人気の秘密か。

とはいえ子供の時から負けん気が強かったようで、
それが強さの原点との説もある。

藤井四段にはこれから半世紀輝いてもらいたいと思うにつけ
高校進学などはせずに、また恋もしばらくお預けで将棋に
精進してもらいたいと思う。



.
スポンサーサイト

ボツイチ

小林麻央さんの訃報を聞いた。

34歳という早過ぎる死に胸は痛み、また堀越勸玄くんの
7月大歌舞伎の出演を母として楽しみにしていたということで
その無念は察して余りある。

海老蔵は休まず舞台を続けていると言うが
今後小さな子供たちを抱えてどうするのだろうか。

若い梨園の妻の死に周囲は途方に暮れるのは当然で、
気の毒の度合いは倍加する。

一歌舞伎ファンとしてこの家族の安寧を祈るしかない。



ところで高齢化が進む中で「バツイチ」ならぬ
「ボツイチ」(没イチ)なる言葉が市民権を得つつあるようだ。

つまり配偶者の死に伴いおひとり様になるケースだ。

海老蔵と異なりすでに子供たちが巣立っている年齢の人たちが対象となるが、
伴侶の死による精神的打撃は大きく、そのロスからの立ち直りは
1~3年ほどかかるということだ。

昔から「男やもめにウジが湧く」「女やもめに花が咲く」と言われるように
女性の立ち直りに比べ男性はそのまま引きこもりになる傾向も強いと言う。



男性ボツイチの場合、「一日2度食事を摂るように努力している」
「人と話す機会を探している」など自らを奮い立たせる言葉を口にするが
日常生活への影響は深刻だ。

このように配偶者ロスは男性の場合その生存にも拘わる問題で、
その意味では日ごろから食事、掃除など家事全般について
レベルを上げておく必要があるだろう。

したがって年をとってからのおひとり様は、優雅な一人暮らしなどとは
ほど遠い。

ボツイチとは無縁で生き長らえたいものだ。



.

きらら銀行

「三菱東京UFJ銀行」が「三菱UFJ銀行」になると言う。

一説には「きらら銀行」や「あかね銀行」が候補に上がったと言うが、
それなら「三菱銀行」へと期待する向きもあったとか。

ともかく「東京」の名前が合併から21年を経て
消えることになった。

どちらにしても長すぎる名前は消費者には迷惑だが、
その名前には様々な人の思い入れがあり調整は難航したようだ。

お陰で頭取は病に倒れたと言うし、右も左も老人が多く
現役もその調整に苦労するということだろう。



かつて都銀と言えば14行もあり、興
長銀3行もあった。

これら17行はメガバンク3行とりそな銀の4行に整理されたが
旧銀行の名前を残せば長くなるし、新しい名前にするとどうしても
キラキラネームが出てくるのはやむを得ない。

とはいえ銀行の経営は近頃は預金に対して貸出が伸びず、
その落差を長期国債の購入に充てるのが一般的。

金融庁などは、金利上昇の際のリスクが高いだけに
長期債の圧縮を指導しているものの、メガはともかく地銀などは目先の
経営が苦しいだけにその指導に従わないとか。

最近日銀が出口戦略を考え始めているが、一朝実施に動けば
金利の上昇は避けられず、様々な銀行が債務超過に陥り
経営の破綻が続出するだろう。



それはさておき筆者が「東京銀行」で働いたのは僅か14年で
しかなかったが、若くて吸収力がある時代で、お陰で
国際金融の実務と裏表を勉強させてもらった。

したがってその銀行が完全に消え去るのは少し感慨もあるが、
金融の自由化が進み、日本の外貨獲得の苦労も消えた今日、
外為専門銀行の流れを汲んだ「東京」の名前が消え去るのも
必然と言うことだろう。



EU名誉市民

欧州統合に向けてローマ条約が締結されて60年。

拡大を急いだつけが回っているようで、27か国(英国を除く)に
膨れ上がる一方で、マルチスピードの欧州を目指す方向が
打ち出されるなど各国の足並みの乱れが目立っている。

とはいえここまでの歴史を築くのに貢献した多くの人々のなかでも
僅か3人しかいないEU名誉市民となったジャン・モネ、ヘルムート・コール、
ジャック・ドロールの3人の事跡は特筆されるところだ。



その一人コール元ドイツ首相が87歳で死去した。
その体格から言っても巨星墜ちると言った表現がふさわしいだろう。

その実績については1982年から98年まで独首相として
フランス、ロシアの了解を得て東西ドイツの統一を実現した。

またその代償としてユーロの発足に邁進するミッテラン仏大統領に
全面的に協力し、結果的に現在の欧州での独のひとり勝ちをもたらした。

そして3番目の実績として挙げられるのが東ドイツの物理学者メルケル氏
を見出して内閣に招じ入れ、12年に及ぶ長期政権を維持するような
大政治家を育てたこと。

とはいえ政権末期に汚職が発覚し、晩年は表舞台から身を引いた。

また目下のドイツの繁栄もこの人のライバルであったSPDの
シュミット首相による構造改革のお陰と言う説もある。

ともかくストラスブールでEU葬が行われる見込みであり、
歴史に名前を止める人であったことは確かだ。



一方先週末フランスでは共和国前進が議会の過半数を占めて
ユーロ統合推進者のマクロン大統領の政治手腕が発揮される準備が整った。

今後メルケル独首相との共闘がどのように進むか期待されるが、それでなくとも
英国の離脱交渉が始まったところでEUの視界は不良だ。

果たしてコール首相とミッテラン大統領が作り出したEUを、後継世代の
メルケル、マクロンの二人の首脳はどのように前進させることができるのだろうか。



.

ナナ

6月のフランスゼミのテーマはエミール・ゾラの「ナナ」。

写実主義と言えばバルザックなどが主にブルジョアを描いたが
自然主義の代表のゾラは社会の底辺で暮らす人々にフォーカスした。

この作品は1879年に出版され日本にもその評判は伝わり
子規もエッセイに書き、特に永井荷風は強く影響を受けた。

荷風は1907年頃横浜正金の行員として
1年間リヨンで遊び、その時に強く感化されたようだ。



この小説は女優であり高級娼婦であるナナの
16歳から19歳の死去するまでの奔放で短い人生を描く。

実際3歳の子供を里子に出し(その父親は50歳以上だったようだ)、
オスマン通りのハンガリー人のパトロンにもらった家には
多くの貴族から少年までが通ってくる。

当時のパリは人口50万人余りで娼婦は4万人もいたとされ
その最上級に位置するのが高級娼婦と言われる人々。

その高級娼婦にもクルティザンヌ( Courtisane)とドゥミ・モンド(Demimonde)の
2種類があったようで、前者は宮廷につかえる女性と言う意味で、ルイ15世の愛妾・
ポンバドール夫人などもそれに入るようだ。

そしてナナは様々な男を手玉にとってその世界でどんどんのし上がって行く。

その魅力に多くの男が財産を失うことになるが、そのナナの姿は
まさに第2帝政(1852年から1870年のナポレオン3世の時代)
における文化爛熟の象徴的存在と言ったところだ。



小説はナナの天然痘による「グランドホテル」での病死で終わるが
一流ホテルでの死亡はある意味で彼女の成功を示唆しているともいえる。

しかしその死顔の醜さについてのリアルな描写はこの小説に
一環して通じるもので自然主義文学の代表作にふさわしいと言ったところだ。

とはいえ700ページの大作はちょっときつかった。



.

プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR