日比谷公園

週末ワシントンで日米首脳会談が行われ、
さらにフロリダで両首脳はアーニー・エルスを交えてゴルフをした。

二人のゴルフの腕前は、大統領はドライバー280ヤード
ベスト66、ホールインワン5回とプロ並みだ。
(とはいえグリーン回りは何でもOKとの話もある。)

一方首相はベスト89らしく、どうやらアベレージは90台後半当たりのようだ。

まさかドル高・ドル安のどちらかを賭けたわけではないにしても、
日米のゴルフ対決は明らかに米国の圧勝となっただろう。



トランプ大統領の通商そして為替問題についての認識は、
日米構造協議で不公平是正に向けて日本たたきが真っ盛り
だった1980年代に作られた模様だ。

実際当時も今も日本の国際収支構造は黒字で円安ではあるが
内容が大きく変わっている点は見逃せない。

2016年の貿易統計では、経常黒字(20.5兆円)、
うち貿易黒字(5.6兆円)および旅行収支黒字(1.3兆円)
第一次所得収支黒字(18.1兆円)となっている。

つまり80年代は経常収支の大半は巨額の貿易黒字が占め、
所得収支はほぼゼロ近辺にあった。

その後円高圧力を受けて海外などへの生産拠点の移転など
海外投資が増えるにつれ貿易収支黒字は圧縮された。

一方海外投資の増大により金利や配当収入が大きくなり、
これが日本の経常収支黒字の大部分を占めるように
なったことが特徴的である。



このようにヒト、モノの流れを含めて日本の経済構造は大きく
変化しているのだが、大統領の円安批判そして日銀の
金融政策批判が今後収まるとも思えない。

これから麻生副総理とペンス副大統領をヘッドとする
経済対話が進められる予定だ。

ただ、自民党の二階幹事長と並び麻生財務相も
77歳で年齢的な衰えが目立つと言われている。

ハードネゴで米国を説得できるのか、
日米関係の先行きは楽観できない。


PS.

週末結婚式・披露宴が日比谷公園内の
レストランであった。

屋外での人前結婚式は初めてだったが、
2月にしては暖かく青空の下快適だった。

続いて小鳩のローストやヴィンテージワインを味わいつつ、
若い二人の門出を祝った。


(日比谷パレス)




スポンサーサイト

シムズ理論

アベノミクスが誕生し、さらに黒田日銀総裁が
量的緩和策で後押しを始めて4年が経過した。

2%を目標に掲げたインフレ率が依然マイナス近辺を低迷しているように、
もはや金融政策の限界は明らかだ。

実際マイナス金利が導入されて1年が経ったが、その効果が見えない一方で、
金融機関は逆ザヤに苦しみ、また預金者の負担が大きい。

結局黒田バズーカは国内経済の活性化につながらず
通貨安による株高を狙ったものでしかなかったことは明白で、
トランプ政権に非難されるのも無理からぬところである。



もはやアベノミクスという社会実験は終わっており、
来年4月に迫った黒田総裁の後任問題が語られる。

もちろん続投もありうるが候補者には、森信親金融庁長官や
本田悦郎スイス大使(前内閣参与)の名前が上がる。

誰がなるにしても引き続きアベノミクスを金融面からサポートするのだろう。

しかしアベノミクスの理論的支柱であった浜田内閣官房参与は
すでに自分の理論の破綻を吐露した。

同時にノーベル経済学賞の受賞者クリストファー・シムズ氏が提唱する
シムズ理論つまり「物価水準の財政理論」(FTPL)という経済理論に
目から鱗が落ちた語っているのだ。

このFTPL理論は動学マクロ経済学の難解な理論で、
筆者は当然としても理解している人はほとんどいないのが現実のようだ。



とはいえシムズ理論は、金融政策では出来なかったインフレ率を、
財政政策の出動により引き上げることができると言う。

つまり日本経済に当てはめれば「消費税の増税を延期せよ」ということになり、
霞が関のエコノミストが飛びついたのもうなずけるところだ。

つまり「インフレを起こして政府債務を踏み倒す」というインフレ税と
同様のものであり、国民の負担で財政赤字の帳消しを図ろうという
政府に都合の良い理論なのだ。

換言すれば、政府が財政再建を
放棄することがその出発点になる。

とするとGDPの250%もの財政赤字を有する日本はデフォルトへ
一直線となるが、
同時にハイパーインフレのリスクも強まる。

FTPL理論の有効性は分からないが、消費税増税を回避する方便に
この理論が都合よく使われそうな状況にあると言うことだけは確かなようだ。



.

年末商戦

米国では11月第4木曜日が感謝祭で、その翌日金曜日が
ブラックフライデーそして週明け月曜日がサイバーマンデーと
年末商戦に突入した。

今年は来店もネット通販もともに好調のようで、
クリスマスまでの消費の盛り上がりが期待されている。

この米国の動きに触発されて、日本でも今年あたりから
ブラックフライデーが輸入され、イオンやH&Mでは24日午前零時
から大安売りを開始し、お客が殺到した。

さすが真似るのが得意のお国柄の面目躍如と言ったところだ。



とはいえ日本の景気が本当に良いのかどうかは良くわからない。

有効求人倍率も1.4倍を超え、また失業者数も2百万人割れと
完全雇用状態と言われる。

しかし給与は上がらないし、年金は5%前後下がるとなると
消費意欲など盛り上がるわけはない。

しかし米国ほどではないが、日本の景気も60%は個人消費次第だ。

ということで、皆さんがどの程度消費するかに成否がかかることになる。



2017年についてコラムを書くために日本の政治経済の
明るい材料を探してみたが、めぼしい話もない。

日ソ宣言から60年、北方領土が返還されれば別だが
まったく世界から忘れられた存在になりそうだ。

あえて探せば天皇陛下の譲位問題ぐらいで、
蓮舫たちの「何でも反対」の声が耳元でうるさく響くばかり。

安倍首相とトランプ氏との会談について、「朝貢外交」だとか
「税金の無駄遣い」だとかなんと次元の低い人たちなのかと
頭を抱えてしまう。

これでは日本の将来が思いやられるが、お隣の韓国国民の
やるせなさよりまだましかと自らに言い聞かせる今日この頃だ。

PS.




11月の最終日、国士舘大学の銀杏が最後の
輝きを発していた。

人も樹木のように最後に輝くのだろうか。


.

グローバル疲れ

「諸国民の富」を書いたアダム・スミスは、貿易の自由化が
経済成長をけん引しさらに戦争の
可能性が減ることを示唆した。

また第二次世界大戦の原因の一つとして1930年代の
ブロック経済が作用したと考えられ、大戦後は一環して
国内の犠牲を最小化しつつ自由貿易が希求されてきた。

さらにグローバリゼーションが市場原理主義を標榜した
アングロサクソンつまり英米の2か国により推進されたが、
サッチャリズムとレーガノミクスがその中核を担った。

この自由化の流れの中で政治的にはEU統合が進み、
また経済的にはメガFTAの動きが強まり、
さらに「世界の工場」中国を軸に国際分業体制が浸透した。




しかしここにきて、経済の減速によりグローバル化の恩恵が
感じにくくなっており、格差と移民問題への不満も高まる。

つまり仏の歴史学者エマニエル・トッドの言う「グローバリゼーション・ファティーグ」
(グローバル疲れ)が世界中で蔓延してきたと言ったところだ。

国民国家への回帰を求める声がドイツへの反感と
主権回復への熱望に発展し、英国はEU離脱に至った。

また米国においても中国からの輸入増大により雇用が
100万人単位で失われたと指摘されるなど、自由貿易の
犠牲者となった貧困層の声が高まった。

その結果米大統領候補の二人は保護主義を前面に打ち出し、
もはや米国における反グローバルは奔流となった。



先進国から新興国へ投資を行い世界が高度成長を享受して
いたときならいざしらず、現在の世界経済はどこも未曾有の
金融緩和によっても経済停滞を回避できない。

この環境下米国民はNAFTA(北米自由貿易協定)はじめ
目下議論されているTPPや
TPIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ)に対して
反感を強めている。

一方でグローバリゼーションの成果として現在の米国株価の高値が
もたらされており、
保護主義が進むと株価の下落がもたらされるとの意見も存在する。

ともかくグローバル疲れが広がるに連れ、世界的趨勢と
しての保護主義の高まりを止めるのは難しい。




.


リオ五輪

リオ五輪が始まった。
すべてを見ている時間もなく一応水泳、陸上などに限定するつもりだ。

開会式の聖火台に点火するのが誰かはいつも注目され
今回はペレやネイマールの名前も挙がっていたが、結局アテネ五輪の
マラソンで銅メダルをとった選手だった。

それでは日本では誰になるのか興味の湧くところで、高橋尚子、
それとも北島康介と言ったところか。



そして五輪の金メダルの獲得数についてメディア各社はそれぞれの予測を
挙げているが、ゴールドマンサックスが前回に続き経済力、人口、ナイキの靴の価格をベースに試算している。

その計算根拠はスポーツも投資の
経済効果をてきめんに反映する
というものだ。

したがって日本もスポーツ庁を設置してメダル獲得競争に参戦しているが、
官僚の力と税金でメダル数を積み上げるというのも変な話だと思うのだが・・・

とはいえ、柔道5、体操4、レスリング3、水泳3の計15+αと
いうのがもっぱらの予測で最大20個との声があるがどうなるだろう。



ともかく前回から半世紀余りを経て開催される東京五輪。

前回は開催数年前から東海道新幹線の突貫工事が行われ
その他発電所、製鉄所、高速道路などのプロジェクトも世銀からの
融資により進められた。

おかげで伸び盛りの国は期待にそぐわず急成長を遂げたが
今回も夢よもう一度と政府が様々にカネをつぎ込もうとしている。

アベノミクス三本の矢、そして新三本の矢がともに不発に終わり
過日は28兆円に上る経済対策が打ち出された。

その中身については「未来への投資」と銘打ちリニア新幹線大阪延伸の前倒し
なども含まれているが、実体は旧来型の公共投資とバラマキ。

公共投資は所詮需要の先食いでしかなく、その経済効果は一時的であることは
すでに証明済みだ。

果たして五輪特需を狙った大型投資がデフレ低成長に悩む
日本経済を救済することができるのか。
やはり疑問と言わざるを得ない。



.
プロフィール

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR