FC2ブログ

MMT

近頃米国の経済論壇や市場で注目を集めているのが
MMT(Modern Monetary Theory=現代貨幣理論)だ。

提唱者はニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン
教授などで、自国通貨建ての借金は中央銀行が紙幣を
増発すれば返済できるとするものだ。

つまりインフレが起きない限り政府は国債を発行しても問題なく、
社会保障など必要な財政支出はどんどんすべき、というもの。

この理論に米国では民主党左派が飛びつき、若者や中流以下から支持を受けている。



この理論の実践的成功例として挙げられているのが日本。

つまりGDPの2.5倍近い1300兆円の財政赤字を
抱えているものの、物価も長期金利もゼロ近辺で
安定的に推移している、と言う。

このように「借金は節約して返す」と言う広く認められた
経済理論を覆し、借金が増えても成長率を高めれば
問題はないとする考え方には違和感を感じざるをえない。

早速成功例として指名された黒田日銀総裁もこのMMTは
財政ファイナンスにより高インフレを招くリスクがあるとして
否定的な見解を示したのももっともというところだ。



日本では10月から消費増税が実施され現行の8%から
10%に引き上げられることになっている。

この政策実行についてはリーマン級の事態が発生すれば
見送るとの留保条件がついているが目下不都合は起きていない。

しかし一部には景気動向指数の基調判断が6年ぶりで「悪化」
しただけで見送りにしW選挙を行おうとの意見も散見され、この
MMTは格好の経済理論として語られる。

もちろん借金を返すために節約するのが嫌なことは
誰しも同じだが、やはり個人も国も常識的かつ合理的な経済行動が肝要。

国家をまやかしの経済理論の実験場にすることなど
許されないことだ。


.
スポンサーサイト

米中貿易戦争

合意寸前と言われていた米中貿易交渉が頓挫した。

5月10日の船積み以降の2000億ドル5700品目
について高率関税が賦課されることになった。

さらに米国は第4弾として3000憶ドルについても
追加関税の準備に取り掛かかっており、いよいよ
米中貿易戦争は局地戦から全面戦争に突入したように見える。

とはいえ6月28日の大阪サミットでの首脳会議で一気に
決着するとの希望的観測も伝えられる。

悲観楽観入り混じる中で今後の見通しは不透明だが、
世界経済の先行き懸念に金融市場が揺れ動くのは必至だ。



米中貿易戦争の影響は米国のGDPを0.6%そして中国の
GDPを1.5%も下押しすると試算されている。

とはいえ米国が被るダメージは中国に比し小さく、
また米国の最近の経済情勢は想定以上に良好である。

またトランプ大統領の支持率が上昇していることもあり
米中チキンレースにおいて米国の対中強硬姿勢が
和らぐ可能性は現状乏しい。



振り返れば30年前の日米構造協議においてUSTRが対日赤字
削減に向けて日本に求めた輸出規制や構造改革は内政干渉と
いうべき強硬なものだったことを思い出す。

今回の米国の対中スタンスもこれとほぼ同様で中国が輸入を
拡大すれば良いと言ったものではなく、政府の国有企業への補助金
の停止や知財権の保護などを求めている。

これはまさにIT技術面そしてそれを利用した軍事面における覇権争い
そのものであり、その勝利を最終目的とするものといえよう。

つまり米中貿易交渉における米国の強硬姿勢は、共産党保守層の
権益に手をつっこむ形になっており、習近平といえどもおいそれと
米国の要求を呑むのは難しくなっている。

このような状況下、6月末の首脳会談で手打ち式などとの
シナリオは考えにくい。



.

オリーブの枝

パウエルFRB議長の金融正常化への余りに強い姿勢と
米中関係に失望して12月以降米国株価は4500ドル(18%)
そしてドル円は9円も下落した。

しかし正月明け以降3月1日までの決着を目指して米中貿易協議が 始まり、
さらに 先週木曜日にムニューシン財務長官が関税の 全面撤廃を示唆
(その後政府高官が否定)したことからセンチメントは急速に回復した。

さらに金曜日には中国が貿易収支均衡化に向けて、2019年に
2千億ドル(22兆円)の削減を開始し、2024年には均衡化を
実現する意向とブルーンバーグが伝えた。

お陰で米国株価は24700ドルと下落分の7割ほどを回復し、
またドル円も110円をまじかにするところまで上昇した。

したがって市場には一段の安心感が広がっており、
ノアが放った鳩がオリーブの木を持ち帰った故事が囁かれたのである。



平和を希求する国際連合の旗にオリーブの枝が描かれているように
鳩と同様にオリーブは平和の象徴と言われている。

その理由は旧約聖書・創世期のノアの方舟(はこぶね)に由来する。

堕落した人間への試練として神は大洪水をもたらすがノアは
神の命令を受けて方舟を作り人間そして様々な動物のつがいを
乗せて嵐の中をさまよう。

そして陸地を探すために放った鳩がオリーブの枝をくわえて
戻って来るのを見てノアは洪水が引き始めたことを知るのである。

因みにこの話はメソポタミアの伝承にもあると言われるが、
方舟はオリーブの産地であるトルコの3000米級の
アララト山に漂着したとされる。

近年の科学的な分析によると4800年前の方舟の残骸と
見られる木片がこの山地で発見されたとのことだ。



ノアは確認のために再度鳩を飛ばす一方で洪水は
引き始めたと確信するのである。

つまり米中交渉についても中国側の本気度を確認したいところでもあり、
一刻も早くその証拠を見たいものだ。

とはいえ経済の先行き不安が急速に膨らむ中国もまた貿易戦争の
激化を望んでいないことは明らかで、中国の譲歩案が現実化するならば
世界経済のリスクは大きく軽減することになるのだが・・・・




百薬の長

過日高島屋に注文していた日本酒(四合瓶)6本セットが届いた。

「銀嶺月山」(山形)、「朝日山」(新潟)、「幻の瀧」(秋田)など
有名とは言い難い珍しい銘柄ばかりでとても満足している。

ビール、ワインなどと並行して飲むことになるが、これで半年は
楽しめるのだから我ながらアルコ―ル摂取量などかわいいものだ。



日本人の日本酒消費量は好みの多様化さらに高齢化も加わって
減少を続けている。

百年前に酒蔵は兵庫、京都、新潟を中心に全国に7千ほど
あったが、今は1400にとどまる。

もともと日本人と日本酒の関係は深く、戦国時代において
大名が信長に付け届けする物と言えば味噌か酒が定番とされた。

さらに戦前の地方のお金持ちや地方選出の国会議員と言えば
酒蔵の所有者というのがおきまりだった。

つまり日本が都市化する以前の地方の経済を代表するものは
酒造りだったと言えよう。



日本酒の消費量の漸減は続いているが、ワイン、ビールなどの
アルコール飲料は健在で日本人の7割ぐらいが飲酒をする。

その結果酒で身を亡ぼす人が続出しているが、ある統計によれば大酒飲みが
1千万人、そしてアルコール依存症が100万人にのぼるようだ。

したがって飲酒運転、信号無視さらにひき逃げをした「吉沢ひとみ」
など酒にまつわる事件はあとを絶たない。

この人の場合判決を前にした謹慎期間においてもキッチンドリンクを
やめられなかったというのだから相当の依存症なのだろう。

そしてもう一人がJALの副操縦士。解雇されたうえでロンドンで
10か月の刑務所暮らしをすることになったが身から出たさびと言うことだ。

このように酒の飲み方には要注意だが、酒は百薬の長と
言われ適度に飲めば食欲も増進し健康に良いとされる。

何事も過ぎたるは及ばざるがごとしであり、
ほどほどに楽しむのが良いということだ。





晩秋

11月23日(金) 晴 15度

今日は勤労感謝の日、そして米国もまた
感謝際の休日と静かな晩秋の一日だ。

東京の早朝は7度ぐらいまで冷え込んで快適な
布団の中から出るのを少しためらった。

ということで東京拘置所の寒さはいかばかりかと因果応報
とはいえゴーン氏の身の上を推し量ったのである。

かつて東京拘置所そして長野刑務所で暮らしたホリエモン
によれば、冬の寒さそしてウオッシュレットのない生活はことのほか
きつかったとのこと。



ともかくゴーン氏の拘留は20日ほど続く見込みで、
その間に立件されるか不起訴になるかが決まる。

目下日本のメデイアはゴーンバッシングで燃え盛っているが
それは魔女裁判を彷彿させるもの。

実際外国人支配からの脱却そして高給への怨嗟の声が混じって、
ナショナリズムを煽っているようにも見える。

例えばリオの社宅は日産と顧問契約を結び(勤務実態はない)
年収1千万円ほどを得る姉が住んでいるとか。

さらにベイルートに10億円で購入した社宅には
7憶円の改修費用がかかったとか。

一方フランスでは「日本人は恩知らず」とか「日本国の陰謀」説も
報じられているようで、一企業の問題は日仏両政府の対決の様相を
醸し出しつつあるようだ。



日産は一時の苦境を脱して今や実力的には救世主ルノーとの
親子関係をひっくり返したとも言われる。

つまり筆頭株主であるフランス政府がルノーを支配し、ルノーが
日産を支配し、日産が三菱自を支配している構図が
実態にそぐわなくなった。

したがって日産そして日本政府が面白いわけがないはずで、
政府・検察特捜部を巻き込んだクーデター説もあながち外れてはいないのかも知れない。

これから真相が解明され同時に企業ガバナンスや多国籍企業の
所有者は誰かなどについて論じられるだろう。

そして大企業トップの適正な報酬についても同様だ。

日本では大企業のトップは多くが1憶円程度であることに比べ世界の
トップクラスはテスラのCEOなどが100億円を大きく上回っている。

とすればゴーン氏が20憶円であっても不思議ではない気がするのだが。

ともかく異国の拘置所暮らしのつらさは想像して余りある。
まったくご愁傷さまだ。



.
プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR