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晩秋

11月23日(金) 晴 15度

今日は勤労感謝の日、そして米国もまた
感謝際の休日と静かな晩秋の一日だ。

東京の早朝は7度ぐらいまで冷え込んで快適な
布団の中から出るのを少しためらった。

ということで東京拘置所の寒さはいかばかりかと因果応報
とはいえゴーン氏の身の上を推し量ったのである。

かつて東京拘置所そして長野刑務所で暮らしたホリエモン
によれば、冬の寒さそしてウオッシュレットのない生活はことのほか
きつかったとのこと。



ともかくゴーン氏の拘留は20日ほど続く見込みで、
その間に立件されるか不起訴になるかが決まる。

目下日本のメデイアはゴーンバッシングで燃え盛っているが
それは魔女裁判を彷彿させるもの。

実際外国人支配からの脱却そして高給への怨嗟の声が混じって、
ナショナリズムを煽っているようにも見える。

例えばリオの社宅は日産と顧問契約を結び(勤務実態はない)
年収1千万円ほどを得る姉が住んでいるとか。

さらにベイルートに10億円で購入した社宅には
7憶円の改修費用がかかったとか。

一方フランスでは「日本人は恩知らず」とか「日本国の陰謀」説も
報じられているようで、一企業の問題は日仏両政府の対決の様相を
醸し出しつつあるようだ。



日産は一時の苦境を脱して今や実力的には救世主ルノーとの
親子関係をひっくり返したとも言われる。

つまり筆頭株主であるフランス政府がルノーを支配し、ルノーが
日産を支配し、日産が三菱自を支配している構図が
実態にそぐわなくなった。

したがって日産そして日本政府が面白いわけがないはずで、
政府・検察特捜部を巻き込んだクーデター説もあながち外れてはいないのかも知れない。

これから真相が解明され同時に企業ガバナンスや多国籍企業の
所有者は誰かなどについて論じられるだろう。

そして大企業トップの適正な報酬についても同様だ。

日本では大企業のトップは多くが1憶円程度であることに比べ世界の
トップクラスはテスラのCEOなどが100億円を大きく上回っている。

とすればゴーン氏が20憶円であっても不思議ではない気がするのだが。

ともかく異国の拘置所暮らしのつらさは想像して余りある。
まったくご愁傷さまだ。



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クーデター

11月19日夕刻日産のプライベートジェットが羽田空港に
到着するや否や特捜が機内に乗り込みゴーン会長が逮捕された。

そして午後10時に西川社長が記者会見を行い事の顛末を
語ったが、その何と他人事のような発言の連続か。

クーデターかとの記者質問に対して否定していたが、
20年も君臨したゴーン氏への反発が社内的に予想以上に
大きかったのだろう。

挙げられた罪状を見てもゴーン会長と側近だけで出来る
訳もなく、反ゴーン派が自らの地位を保全しつつ特捜を
巻き込んでクーデターを起こしたと考えれば腑に落ちる。



ゴーン氏と言えば20年前に親会社のルノーの副社長から
1兆円の負債に青い気吐息の日産に乗り込み
コストカットで数年で黒字化した中興の祖でもある。

昨年には日経新聞の「私の履歴書」でその手法を詳らかに
していたが、その経営が厳しかったことは容易に想像できる。

したがって社内にそのうらみつらみが根付いていたに違いなく
積年のうらみがついに爆発したと言うことだろう。

罪状の金銭がらみについては、次のようなことが言われている。

①パリ、アムステルダム、ベイルート、リオに社宅を作らせ
 それを無料で使っていた。

②前妻との離婚訴訟費用を会社に負担させ、さらに再婚相手との
 ベルサイユ宮殿での結婚式費用を会社に負担させた。

年収10~20憶円の人が?と俄かには信じがたい噂が飛び交って
いるようだが、目下真相はやぶの中で、早晩明らかになるのだろう。



どちらにしても日産の株価は一日で6%値下がりし、
さらに若干円高にも触れたのではあるが。

ともかくゴーンショックが一時市場で材料視する向きもあったが、
それもこれも20年にわたるゴーン会長のカリスマ性の故と
いうことだろう。

ともかくこの逮捕劇で日産社員はフランス語や英語の
勉強から解放されたということか。


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セブン銀行

8月の日経新聞・私の履歴書は日銀OBでセブンイレブンで
銀行業務を立ち上げた安斎隆氏だった。

同氏は日銀で信用機構の専門家としてキャリアを積んだのち
長銀の頭取として廃業を行い、その後セブンイレブンへ転じて
ATM銀行を立ち上げた。

業界では初の銀行参入で2001年に前身のIYバンク創業当初は
取り扱いを委託してくれる銀行も少なく手数料収入が上がらず苦労したと言う。

しかし今やセブン銀行では約600行から委託を受け2万3千台のATMを
設置するなど、日本のコンビニ5万店にとり銀行業務が中核の一つとなった。



ATMは現金取引比率の高い日本では過去半世紀画期的な商品として
普及し銀行業務の効率化・簡素化に貢献してきた。

とはいえATMの設置費用(1台300万円)さらに土地代など維持費用が
高いことから、大手行同士も業務提携を進めるなど費用節減が試みられ、
その結果としてコンビニへの集中が進んだ。

一方利用者にとってもインターネットバンキングが普及したと同時に
銀行取引(主に預金、送金など)はコンビニで済ませることが日常的になった。

ということでセブンイレブンのセブン銀行やその他コンビニのイーネットが
隆盛を極めているように見えるのだが、この繁栄は果たしていつまで続くのか。



銀行は預金・送金に関わる業務負荷とコスト圧縮を図っている。
また電子マネーとクレジットカードでの支払いがより一般化されてきた。

したがってATMの台数も減少傾向を辿りだしたようだ。

このような社会変化を考えればコンビニ銀の将来は必ずしも
バラ色とは言えず、現金優先時代のあだ花となるのかも知れない。


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原油高

2016年初めに30ドル割れとなっていた原油価格(WTI)は
その後OPECの減産などにより上昇傾向を辿り、目下
74ドルに達している。

お陰で日本ではガソリン価格は1リットル150円、米国では
夏のバカンスシーズンを前に1ガロン3ドルの大台を突破する勢いだ。

車社会の米国において原油高は低所得者層を直撃することから
この価格(1ガロン3ドル)は心理的にも重要な意味があるとされてきた。

したがって中間選挙を前にしてトランプ大統領がOPEC各国を価格操作
していると非難してはイラつくのも無理ないところかも知れない。



これまでOPECはスイングファクター(価格変動要因)として巨大な
力をもっているとされてきた。

しかしサウジアラビア以外の国は生産力について様々な問題を抱えている
ことから生産量を増減させるなど調整させることは難しい。

6月末のOPEC総会において減産緩和(=増産)が決定されたが
実質的にはOPECを代表したサウジと非OPECのロシアとの協議の上で
両者で100万バレルの増産を決定したのである。

一方で米国のイラン経済制裁によりイラン原油の購入停止を各国が
迫られている状態(11月4日までに実施)で、一層OPECの非力化と
原油需給のタイト化が予想されるのである。



このような環境でサウジとロシアが増産を決定したものの
リビアやベネズエラでの供給懸念も浮上して原油価格は
逆に10ドルほど値上がりした状態だ。

もともと原油価格はオーバーシュートする傾向にあり、ちょうど
10年前には147ドルの史上最高値を付けている。

つまり現状はその半値程度であることからしても、今後も
値上がりの余地は大きいと言えよう。

さすれば「油断の国」日本はイランをはじめとして原油をすべて
輸入に頼っているだけに、今後原油価格値上がりによる
貿易収支の悪化に直面することになる。

実際日本の年間輸入額約70兆円のうち原油・天然ガスは
20兆円を上回る。

つまり原油価格の上昇は貿易収支の悪化と日本経済を直撃
することになり、当面円安地合いが続くことになるのかも知れない。


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改革開放40年

このところ米国の株価は日替わりメニューのように
強気と弱気が交錯し、激しくアップダウンを繰り返している。

とくに先週は米中貿易戦争の先行きに安心感が強まって上昇したが、
週末には中国の報復に対してトランプ大統領が1千憶ドルの追加関税を
検討するようにUSTRに指示をしたことから不安感が再び高まった。

しばらくはこのようなやりとりが続くことになりそうで、
予断を許さない。



実際米国では11月に中間選挙が予定されておりトランプ大統領も
「中国製品に45%の関税を課す」との大統領選での公約を果たすことにこだわる。

またその政権の陣容も、クドローNEC委員長、ボルトン安保担当補佐官
ポンぺオ国務長官らがライトハィザーUSTR代表、ナバロ通商製造局長に
加わって、対中強硬派および保護主義派の鉄壁の布陣となった。

制裁発動までの猶予期間にムニューシン財務長官らが北京に入り
対話を本格化させるともみられるがどのようになるのか不明。

脅しだけのつもりが本当の喧嘩になったりすることは
よくあるもので一寸先は闇だ。



そして迎え撃つ中国は鄧小平が改革開放政策へと舵を切り
高度成長を実現させて40年の節目。

つまり中国は貿易のメリットは十分承知しておりトランプ主導の
保護主義には随時反論してきた。

とはいえ今回の報復合戦については売られた喧嘩は買うと
言った趣旨を述べているし今後予断を許さない。

3月の全人代では共産党の常務委員を退職した王岐山が
よもやの国家副主席として中国の実質NO2となった。

対米交渉でのその神通力に期待はかかるものの、
「暗愚の帝王」トランプ相手では勝手も違うだろう。

今後の米中の行方についてあまり楽観に傾いてしまうのは
危険ということだ。


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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