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ホリエモン

「Ghosn」(ゴーン)が「Gone」(ゴーン)した。

などと駄洒落を飛ばしつつ日本の検察制度はじめ問題の本質を体験と
豊富な知識で切りまくるホリエモンのユーチューブを年初来楽しく見ている。

そのお陰で日本の政府当局や有識者たちの下記のような見解は
通り一遍で傾聴する気にならない。

「国益に反する」
「日本の司法制度をないがしろにしている。」
「言い分があれば裁判所で言うべきだ」
「逃亡などノブレスオブリージュの執るべき行動ではない」など。



そもそも日産の内部抗争に検察を巻き込み、司法取引を持ちかけた
西川社長など経営陣は経営責任を放棄したとしか言いようがない。

企業経営を国家権力に売り渡したことこそ
犯罪的と言うべきかも知れない。

ということで今後の裁判は被疑者不在で気が抜けたものとなるが、
取り残されたケリー被告が何だか貧乏くじを引いたと言うことか。

肝心要のゴーン氏はレバノンの首都ベイルートで優雅に
暮らしているようだが、その10憶円近い館は日産の
持ち物ということでいつまで住めるやら分からない。

実際当地は一時「中東のパリ」と言われたものの、今やレバノンは
国家として破綻しており、イスラエルとシリアに挟まれ政争の地になっている。



紀元前の昔この地は「肥沃の三日月」地帯の西端にあり
メソポタミア文明の恩恵を受けて栄えていた。

特にフェニキア人は前12世紀ごろに東方からの圧力を受けて
地中海に進出してカルタゴ、マルセイユなど植民都市を建設してアテネを圧倒した。

その後フェニキア人は絶滅したとされ、その故地もアラブ人の住む
世界となり、現在のレバノン人は商売にたけたフェニキア人の末裔ではなさそう。

また国家のトップもゴーン氏が懇意のキリスト教マロン派の大統領に
スンニ派の国会議長、シーア派の首相と国家の仕組みは複雑怪奇。

ということでゴーン氏はこの国で安住できるのかそれとも
ブラジルで大統領を目指すのか。

事実は小説よりも奇なりだ。




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ホルムズ海峡

ホルムズ海峡でタンカー2隻が被弾した。

かつてなら瞬間的に2円程度は円安に振れていたろうに、
原油が少し上昇したに止まる。

攻撃の主体は分からないが、イラン製の武器が使われた模様で
英米ともにイランの責任であると非難している。

目下米国はイランに原油制裁を加えて両国間は緊迫度
を高めており、安倍首相がハメネイ師とトランプ大統領との
仲介の労をとっているところ。

その成果については、米朝の間で画策した文大統領同様に難しそうで
ノーベル平和賞などのご褒美を簡単にもらうことなどできないと言うことか。



地政学リスクはやはり安全資産としての円が見直されるようだ。

特にホルムズ海峡での事件勃発~原油価格上昇~貿易収支赤字拡大
~ドル需給ひっ迫~ドル高の発想で円安と思うのだけれど。

一時的にはホルムズ海峡の事件に市場は反応しなかったとはいえ
油断の国日本は事態が長期化すればその影響から逃れられない。

やはりホルムズ海峡と言えば円安という反応で正解ではないだろうか。



そしてもう一つ気になるのが香港情勢。

「逃亡犯条例」についての改正議論が立法府で行われているが
それに反対する民主勢力が大規模デモを行い北京政府との
対決姿勢を鮮明にしている。

一国二制度が50年保証されているはずの香港に対する北京政府の
圧力は日々強まっているが、これを嫌気して香港の株価が下落している。

雨傘革命以来の民主化運動については影でCIAが動いている
と言われるが、まさに米中対決の図式だ。

このままでは16日のデモはさらに大規模になる見込みで
30年前の6月4日に起きた天安門事件の再来にならなければ良いが。


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サウジ・ショック

サウジアラビアの反体制派記者殺害事件は、フレデリック・フォーサイスの
スパイ小説を彷彿させるものだ。

限定的ではあるもののこの事件を引き金にした「サウジ・ショック」は
米国の政権そして世論を揺らし、金融市場にリスクオフの流れをもたらしている。

ワシントンポスト紙のカショギ記者はサウジ政府の弾圧下
表現の自由を求めてきただけに同紙が抗議の論調を強めるのも当然だ。

事件はイスタンブールのサウジ領事館で起こったが事件そのものは
ムハンマド皇太子の側近による犯行だったことまで明らかになっている。



ことのほか事件の詳細が報じられているのは、被害者が所有していた
アップル・ウオッチの録音機能のお陰。

いきさつについてトルコの警察当局が詳細に公表しているが
その背景にアップルウオッチの録音に加えてトルコ=米国間関係の
修復を願うトルコ政府の強い意気込みがあるといえよう。

カショギ記者はこの時計の録音機能をONにして事件に臨み、
その録音内容を婚約者が保有するiPhoneへ転送されていた模様だ。

それにしてもサウジはトランプ大統領にとり不動産ビジネス上の
お得意様であり、またイランとの対決構造の中で重要な同盟国である。

しかし今回の犯罪により米国では反サウジの気運が盛り上がっており、
もはやトランプ政権もサウジをかばいきれなくなったと言うところだろう。



この事件は米国政治はもちろん中東情勢へも微妙に影響しはじめた。

すでにムハンマド皇太子主催の投資会議にJPモルガンのダイモンCEO
さらにはムニューシン米財務長官も欠席することになった。

このように米国サウジ間の信頼が薄れる一方、
ここでポイントを上げているのがトルコだ。

これまでクーデターの嫌疑で米人牧師を拘束していたが、
過日解放し関係が好転し始めたところ。

その拘束のせいで今夏トルコショックが金融市場で起きていたが、
ここでトルコが捜査協力しさらに中東和平への貢献をアピールしている。

あらためて中東和平は砂上の楼閣とも言えるほどに微妙かつ繊細で、
明日何が起きどうなっているのか分からない。


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サウジ

建国85年のサウジアラビアでは内政・外交両面で緊張が
高まっており、今後の中東情勢流動化の震源地になる可能性が高まっている。

そもそもサウジにおいては人口増大、石油価格下落で経済状況が
悪化していることに危機感を強く感じているのが、32歳のムハンマド皇太子。

就任以来、脱石油を目指すなどトップダウンで一気に国家改造を進めようと
サウジアラムコのIPOを進めている。

その改革を進める中で反対勢力と言われる王子11人はじめ、閣僚、
実業家など200人ほどを過日汚職の嫌疑で拘束した。

実際はリヤドのリッツカールトンという拘置所とは思えないところに
幽閉したと聞けばさすがにお金持ちの国だと感心するばかり。

とはいえサウジの国内の動きは新たな紛争の火種になる可能性が大きい。



サウジは初代国王アブドル・アジズ国王以降の2代目から現在の7代目
サルマン国王(25番目の王子)までその子息にあたる第2世代の
王子たちが継承してきた。

現在のサルマン国王が即位したのは2年前だがすでに81歳。

したがって国政は自らの(何番目か分からないが)息子ムハンマド
皇太子に任せており、さらに早々と第3世代のトップを切ってこの
皇太子に国王を譲る腹積もりだとされる。

このように王子と呼ばれる人は数百人もおり、また王族は15000人に
及ぶと言われるだけに、その王位継承や国家経営などには様々な
難しいことがあるだろう。



ところで目下の中東情勢はIS問題がほぼ終息して一段落したものの、
対IS作戦でシリア、イラク、さらにはヒズボラなどと連帯を深めたシーア派大国の
イランの存在感が巨大化した。

スンニ派の代表であるサウジはこの状況に緊張を高めていることから
イランの影響を受けるレバノンやイエメンさらにはカタールなどとの
外交関係の対立が表面化している。

2017年は北朝鮮リスクに明け暮れたが、2018年は中東における
地政学リスクが一気にクローズアップされることになりそうだ。


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公共の迷惑

シリアのヌスラ戦線に拘束されている元信濃毎日記者の
安田純平さんの映像が流れた。

ヌスラ戦線はアルカイーダ系といわれ、ISのライバルとして
テロリストのリクルートや資金調達面で覇を競っている。

テロ行為の成果面でどちらかと言えば劣勢に立っており、
目下は身代金目的の誘拐に力点を置いているとされている。

したがってヌスラは拘束歴3度の安田さんについて
政府などに身代金の要求を行っている模様だ。



安田さんのような戦場ジャーナリストは我々一般人にはなじみは薄いが、
戦場ジャーナリズムという報道分野は確立されているようだ。

そしてこのようなジャーナリズムは戦乱地域での女性・子供など弱者が
虐げられている実情などを報道することを第一義としているようだ。

米国ではこのジャーナリズムの意義について国務省も
「公共の利益」や「国防への貢献」から積極的に評価している。

しかし日本政府・日本人にとっては「公共の迷惑」と言った風情が漂う。

なるほどかかるジャーナリストが、人質になる可能性を含めて考えれば、
その志が高いとしても「公共の迷惑」的な存在と考えてしまう。



安田さんの公共への利益がどの程度のものかわからないが、
日本政府は目下安田さんの解放に向けて尽力している。

その本音は「公共の迷惑」かも知れないが、
建前的には国民の生存を守るとの一点において国家として
責務を果たしていると評価できよう。

したがっていくら保育園に落ちて腹立たしい気分であったとしても
「日本死ね」などど自らが依って立つ
国家を憂さ晴らし的に侮辱する行為は厳に慎むべきではないだろうか。


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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