31

永久歯に生え代わったのは半世紀以上前の
小学校の4年生ぐらいだったか。

それ以来長らく32本を維持していることを歯医者さんにも
珍しいと褒められてきたのだが、ついに親知らずを一本抜いた。

どうせ磨きにくいところだっただけにそれもやむなし。

この年になると20本未満の人もざらだとも聞くし、一般に
言われるところの80歳20本を目標にしつつ当面「31」本
を大事にして暮らして行くことになる。



そんなおり元ミスタータイガースで背番号「31」だった
掛布阪神2軍監督が解任された。

今も関西では人気者で二軍の試合に多数の虎キチが詰めかけて
いるとか。

ただその打撃理論は素晴らしいものの指導方法は選手に甘く、
厳しい指導で有名な金本一軍監督とそりが合わなくなったらしい。

かつて金本監督が在籍した広島カープの指導は厳しく、
とくに2軍は地獄と言われたらしい。

一方掛布監督率いる阪神2軍はとても居心地がよいようで、鉄拳を振るった
コーチが掛布監督に怒られ選手に謝罪したとも。

また三振しても「今のはナイススイング」と言う監督に
首をかしげる人が続出するのも無理がなかったのかも知れない。



その掛布監督がかつて京都の花見小路で経営していた
仏料理店が「トランテアン(31)」。

すでに数年前の掛布氏自己破産を機に人手にわたっているが
今もその名を残すレストランは健在か。
(一説には神戸ポートピアホテルのメンダイもその名前とも。)

今月末に京都に出かけ祇園を歩きたいと思っているので、
ついでに「トランテァン」を探してみるのも良いかも知れない。

ともかく近頃「31」は身近な数となっているのだ。


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彼岸の中日

彼岸の中日赤坂に出かけた。

知人が事務所を開いたのでお祝いと見学に行ったのだが、
日比谷高校が見えるところで、ロケーションは秀逸だ。

続いてランチをかねて赤坂プリンスホテルの跡地に昨年
できた東京ガーデンテラス紀尾井へ。

結構様々な飲食店が出ていたが「鳥幸」にてそぼろ丼を食べ、
さらにテラスに面したカフェ「ラ・プレシューズ」にてお茶をした。


(ガーデンテラス)


(旧李王家東京邸)

東京ガーデンテラス紀尾井はオフィス、ホテル、レジデンスおよび
旧李王家東京邸から成り立っている。

この当主・李垠(イウン)氏は李王朝最後の皇太子であり、
朝鮮併合前後に日本の強い要請で来日し、日本の皇族に
準じた扱いを受けながら、学習院から陸軍士官学校へ。

同時に皇族・梨本宮家の長女方子(まさこ)女王と結婚するが、
長男の暗殺(朝鮮王室の反対派によるとも推測されている)に遭遇。

また敗戦後には臣籍降下し、韓国に戻ることを願うも果たせず
1963年の日韓平和条約の締結によりようやく帰国が叶った。

愛新覚羅溥儀、溥傑などと同様、日本の大陸進出戦略の中で
数奇な運命を辿った人だ。



ともかく彼岸の中日に思い出すのはやはり32年前のことで
香港で為替の前線にいた頃のこと。

1985年の9月23日は祝日の月曜日だったが、前日NYの
プラザホテルでドルの大幅調整が合意された翌日にあたる。

東京市場は休場していたが、アジア市場は朝からドル売りが殺到し、
前週末が242円ぐらいだったが夕方には232円、そして翌日は
220円になっていた。

それからの半年のドル急落のすさまじさは筆舌に尽くしがたいが
その時のドル下落のインパクトが強すぎて、いまに至っても
円高の恐怖と妙味は忘れられない。

この円高のショックは尾を引いて未だに日本経済は低成長にあえぎ、
不況感は構造的となり、まさに病膏肓に入るといったところだ。

彼岸の中日は日本の高度成長経済の終焉の始まりの日として
記憶されるべきかも知れない。



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お盆

8月15日(火) 雨

東京では8月に入り15日連続で雨が降り続けている。
40年ぶりとのことで冷害のおそれも出てきそうだ。

したがってせっかくのお盆休みは、海もプールも閑古鳥が鳴き
かき氷も売れ行きはさっぱりとか。

今年は山の日も加わって随分長い休暇になったが、
賑わっているのは高速道路と新幹線だけのようだ。

高度成長は昔の話で低成長に馴染んだ日本はいよいよスローな
ライフスタイルが似合う国になってきたように見受けられる。

ワークライフバランスを考えれば良い兆候とも言えるが、
経済成長を至上命題とする政府には頭が痛いことだろう。



8月15日は盂蘭盆会でご先祖の魂が帰って来る日であり、
今も地方では昼間は一族揃ってお墓参りするのが習わしとか。

筆者はそのような風習を知らずに育ち現在に至ったが
それでも子供が小さい頃は毎年帰省していたものだ。

たぶんこの帰省の習慣は過疎化で地方が消失しない限り
続くのだろう。

どちらにしてもUターンラッシュ以外に大きなニュースが
ないことは何よりだ。



そんな中で米朝の激しいやりとりが行われているが、グアムを
狙い撃ちするとの北朝鮮の脅し文句に日本そしてアジアの株価は下落。

とはいえ在韓米人向けに退避命令が出ない限りは交戦状態になることはない、
との話だけが頼りというきわどい状況に陥っていることに変わりはない。

昨日夜は米国の株価も上昇したように、少し緊張状態が緩和されたとの
見方も出ているが、特段根本的な解決に至ったわけではない。

ミサイルによる戦闘状態の可能性は1%程度の確率と言われるものの
その可能性は無しとしない。

対話か圧力かその解決策は見通せないが、ともかく終戦記念日の今日、
平和で静かなお盆休みをと願うばかりだ。


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入梅





自然現象の故当然とは言え、今年もほぼ平年通り6月7日に入梅した。
お陰で我が家の小さな庭に咲くアジサイ、ガクアジサイもことの他元気だ。

昨年のこの時期は利根川上流8ダムの貯水量が減少し、
給水制限が行われるなど夏場の渇水が心配された。

しかし今年の貯水量はほぼ平年水準であり、
天を仰いで雨ごいをする必要もなさそうだ。



五月雨を あつめて早し 最上川 (芭蕉)
五月雨や 大河を前に 家二軒  (蕪村)

素人目にもどちらも素晴らしい句と思うのだが、
しかしどちらをお気に入りとするか決めるのは難しいところだ。

子規によれば、芭蕉の句は技巧的にうますぎて面白くなく、
蕪村の方が優るとのことだ。

それまで芭蕉の方が圧倒的に知名度も高く神格化されていただけに、
子規の発言は衝撃的でまた蕪村の名がよく知られるようになった。

このように考えると梅雨つまり五月雨の季節も満更悪くない、
いや風流と言うことかも知れない。





紫陽花


街を歩いているといたるところで紫陽花が咲いている。

その楚々とした美しさが何よりも好ましく思えるが
その花の特徴はやはり色の変化だろう。

古今多くの俳人が詠んでいるが、子規の句を以下に二つ。



「紫陽花や きのふの誠 けふの嘘」

白から青そして赤紫へと変化する紫陽花と同様に
人の心は移ろいやすいものだ。

人間関係が儚いものになるのも当然であり
子規もまたその事実を感受していたのだ。

「紫陽花や 壁のくづれを しぶく雨」

紫陽花そして崩れている壁に梅雨の雨が
降る様を表している。

根岸の寓居の病床で狭い庭を眺めていたのだろうか。
紫陽花には明るい光よりも長雨が似合うということだ。



沖縄や奄美にかかる梅雨前線が北上する機会を
狙っているようで、五月晴れもそろそろ終わり。

入梅も迫る今日この頃、
行く春を大いに惜しもうではないか。


プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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