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ドライアイ

昨年末に目が痛んで眼科に行ったところ乾燥のせいか
角膜に傷がありドライアイと診断された。

ここ数年スマホ、PC、タブレットで四六時中相場を追っている
せいもあると思うが、さらに近頃は中国ドラマを熱心に視聴している
故だろう。

当然字幕スーパーを凝視しているわけで一週間に3本
計14時間の視聴はヘビーなのかも知れない。

と言っても面白くて今更やめるわけにはいかないのだが。



外国物のTVドラマはこれまで韓国、トルコ、ロシアなどの歴史物を
楽しんできたが中国物もまたお金のかけ方とストーリーの面白さはなかなか。

ひとつは秦の始皇帝の高祖母の話で上海で受賞した
話題作というだけにとても良くできている。

2つ目は楊貴妃の時代、玄宗の孫にあたる皇太子と
その妻のサスペンス・ラブストーリー。

安禄山や史思明が登場するなど安史の乱を前にした
風雲急を告げる時代背景が面白い。

そして3つ目が「フビライ・ハン」の一代記。

モンゴルの草原の生活が克明に描かれて興味深い。

モンゴル人が中国語を喋るのに少し違和感があったが
それもご愛敬。



フビライはチンギスハンの孫世代を代表する逸材で
元朝を起こしさらに第5代大ハーンにつく人物だ。

ドラマは目下カラコルムにおいて、第2代のオゴデイの崩御を受けて
その孫世代が後目争いを行っているところだ。

この争いにおいて暗躍するオゴデイ家の正妃トレゲネは愚息グユク
をハン位につけようと陰謀をめぐらせる。

それに比べトルイ家の正妃でフビライの母ソルコクタ二・べキは
とても良い人と描かれている。

実際ベキ氏は世界史上で一番と目される良妻賢母で
4人の息子の教育に注力し、第4代ハーンのモンケそして
5代フビライらを育てた。

ドラマは悪妻悪母のトレゲネと良妻賢母のベキとの争いが
続いているが、中国ドラマのヒロインの特徴は
美人で科挙にも及第するような秀才であること。

そして母となっては教育ママとして自らも勉強する人で
あることが求められている。

これぞ中国の理想の女性像と言うことのようだ。



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合従連衡

近頃ロシアの「エカテリーナ」、オスマン帝国の「スレイマン」
さらに新羅・高句麗・李氏朝鮮時代の英雄や美女を主人公に
した輸入歴史ドラマを見る機会が増えた。

その理由は目が悪くて本を読むのがつらくなってきたことや
衣装や建築物の内装外観などが視覚的に楽しめること、
何より随分とお金をかけて面白く作られている故である。

特に紀元前の中国と言えば陳舜臣、司馬遼太郎、
宮城谷昌光などを読んで物語はある程度分かっている。

しかしどの作品も無彩色でその当時の時代背景が分かりにくくて
不完全燃焼が続いていたところだ。

それらを解決してくれるのがTVドラマであり、ついに
極彩色の中国ドラマの世界に足を踏み入れたのである。



ということで今見ているのは紀元前4世紀の秦の
始皇帝の高祖母をヒロインにしたドラマだ。

この時代は、夏殷周と続いた統一国家が楚魏韓斉趙燕
そして秦と七雄に分かれた春秋戦国時代だ。

つまり縦横家と言われる口舌の徒が活躍する時代で
辺境にありつつも強大化する秦の孤立化を図る
「合従」が進められているところ。

一方秦と連携を図ることを目指す「連衡」も提唱されていた。

したがってドラマの中には合従を主張する屈原や
連衡を唱える張儀などが登場するのもまた面白い。

とはいえ波乱の星の下に生まれた楚の公主(王女)が
あくまでも主人公。

目下は母親の身分が低いことから虐げられているが
将来秦に嫁ぎ波乱の人生を歩むことになるらしい。



どちらにしてもトルコ、中国、朝鮮など専制国家において
後宮(ハーレム)の陰謀・嫉妬がすさまじいのはどこも同じ。

後宮における権力争いに王は基本的には関与せず、
后を中心に回るという形になっていること、そして
宦官が存在するのもどの国も同じだ。

ということで大奥に見られる通り日本についても中国や半島の
文化が輸入されそのうえで制度設計がなされたのは明かだ。

「テレビを見ればバカになる」とよく言われるように、
バラエティ番組などを見ているとその通りだとも思う.

とはいえ吉本隆明が晩年テレビ(教育テレビだったか)を楽しみに暮らしていると語って
いたが、テレビの速報性とエンタメ性は特筆されるものであり
生活を豊かにするのもまた事実である。



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六月大歌舞伎

雨の中東銀座へ歌舞伎を見に行った。

今月はチケットが簡単にとれたのもそのはずで
中村吉右衛門のほかは菊五郎と松緑ぐらいと
出演者はとても地味で空席が目立った

4時間半も小さな椅子に腰かけていると窮屈で
ついついうつらうつらとしてしまった。



本日の演目は次の通りで、江戸時代の庶民生活を描く世話物2作、
近松門左衛門や鶴屋南北の世界と言ったところだ。

「夏祭浪花鑑」(なつまつりなにわかがみ)
「巷談宵宮雨」(こうだんよみやのあめ)。

前者は住吉神社や高津神社が登場する
大阪を舞台にした親殺しの話。

吉右衛門が30代のいなせで粋な青年を演じていたが、
さすがに年齢は隠せず少し痛々しい。

そして後者は江戸・深川を舞台にしたカネがらみの話で、
松緑が猫いらずで叔父殺しをした挙句お化けに遭遇する話。

前者はまだ常磐津と義太夫を聞く楽しみもあったが
後者はそれもなく退屈を感じたのは筆者ばかりではないだろう。



松竹も毎月成田屋や高麗屋を使ってヒットを
連発する訳にはいかないと言うことだ。

つまり六月はちょっとお休みの感は拭えず、逆に七月は海老蔵と
長男・勸玄(かんげん)くんが光源氏を演じる「源氏物語」が予定される。

さらに海老蔵が宙乗りをするようで、人気が沸騰するのは
間違いなくチケットはとりにくくなるだろう。


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ボーイズラブ

今年は珍しくNHK大河ドラマ「西郷どん」を見続けている。

実際国民的英雄への興味の故だが、さらに主演する鈴木亮平や
脇を固める鹿賀丈史、佐野史郎、青木崇高を気に入っているせいでもある。

そして江戸編である第1章は、主君斉彬の死を契機に西郷は安政の大獄に
追われる身となり、ついに錦江湾で月照上人と身投げ(=心中)をして終わった。

今後は奄美で3年さらに徳之島、沖永良部島で2年の流浪の日々が
続くことになる。



今回のドラマで注目されているひとつが林真理子の原作「西郷どん」に
描かれるボーイズラブつまり西郷の男色。

それを脚本家である中園ミホがどのようにお茶の間に届けるのかだった。

とくに原作では月照上人と西郷のやりとりが詳しいらしいが、ドラマでは
二人の絡む視線や二人が手に手をとって逃亡する姿、そしてヒシと
抱き合いながら身を投げるシーンにより描かれた。

結局このふたりの事情が十分に視聴者に伝わったのかといえば生煮えで、
したがって心中の機微もよくわからないままに終了したのである。

武家社会において男色は風潮としてあったされており、とりわけ郷中教育や
私学校という薩摩の男子が集団で教育されるシステムにおいは、ボーイズラブも
至極当然だったのかも知れない。



ともかくドラマは奄美での落魄の日々へと転じるが、波乱の人生を送る
西郷としては素朴な家庭生活を過ごす貴重なひと時になる。

また陸軍大将として華々しく活躍する前の雌伏の期間とも言えるが、
二度も島流しに合うとはナポレオンと共通するところでもある。

やはり英雄の辿った軌跡は平凡な人間からは及びもつかない。

ちなみに視聴率は当初の15%から12%へと落ち込んでいる模様だ。

実際このところ暗くて重いシーンが続いていただけに
逃げ出す人も増えたのだろう。

やはりドラマは明るく楽しくなくては。



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若大将


(光進丸)


西伊豆・安良里港に停泊している加山雄三の光進丸の雄姿。

2012年3月27日に春を探して西伊豆をドライブした時に
たまたま発見して撮影したもの。

かつて松崎の突堤を夕陽を見ながら散歩していたらご夫妻と
すれ違ったことがあったり、加山雄三ミュージアムに立ち寄ったり。

ともかく昔からのファンとしてはそれだけでも楽しく、
いつまでも元気な若大将を見たいと思っていたのだが。



残念ながら今朝加山雄三の悄然とした姿をTVで見た。

「自らの人生そのもの」と言いきるほどに愛していた船を失ったのは
痛恨の極みであり、80歳の老体にはさぞや堪えるだろう。

一気に老けてしまわないことを願っている。


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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