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聖週間

キリストの受難と死を偲ぶ聖週間に続いたGOOD FRIDAYそして
EASTER MONDAYは日本を除く大方の国際金融市場で休場となった。

日本と比較して高緯度にある欧州ではこのEASTER(Paque)こそが
春の訪れを告げる時であり、祝祭気分が一層盛り上がる。

それでは仏教徒が大半を占める日本は無関心かと言えば、
クリスマス同様年々イースターを寿ぐようになりつつあるように見える。

特に10連休を控えていることもあり、今年は一段と市場は
休暇ムードを高めている。

実際無宗教の筆者も卵を形どったチョコレ―トのおすそ分けを
賞味したりしているのだから、日本そして日本人は案外異文化
を受容するのに長けているのか、いい加減なのか。

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欧州に比べて春が早い日本ではすでに梅、桜が終わり、
さらに次から次へと様々な花が咲いている。

今日一日でもハナミズキ、藤、そしてスズランなどを
見つけては、足を止め思わずシャッターを切った。

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中でも特筆されるのが我が家の小さな庭の鉢植えに
可憐で純白の花を咲かせたスズランだ。

フランスでは5月1日のスズランの日(Jour des Muguets)には幸運のお守りとして
スズランを贈る習慣があるようで、この時期には花屋さんの店頭に数多く並んでいた。

と言うことでスズランの可愛い花はフランスの良き思い出とも重なる。

しかしこのところのテロ、黄色いベスト運動さらにはノートルダム大聖堂の
火災などの事件や破壊活動ばかりが報道されては胸が痛むことが多い。

ひょっとして日本での報道にバイアスがかかり過ぎているのではないだろうか・・・・



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栄枯盛衰

4月12日に迫っていた英国のEU離脱について、
EU首脳会議は10月31日への延長を決議した。

英国の惨状を踏まえトゥスクEU大統領は1年の延長を提案して
いたが、事態の好転を余り期待できない現状、拠出金の支払を求める一方で
半年の時間的猶予をメイ首相に与えることで決着した。

実際「合意なき離脱」となれば英国経済はGDP3.5%減と
大きく毀損されることになる。

またEU経済も0.5%程度のマイナスと返り血を浴びるとの見通しもあり
それを回避したかったということだ。

とはいえ6か月延長されても英国内で意見が集約される保証はなく、
英国は「大英帝国」の終わりの終わりに直面して断末魔の議論紛糾が
続くことになるだろう。



それにしても大英帝国の繁栄はローマ帝国に比肩するものであり
それ以上の輝きを見せたとも言える。

特にビクトリア女王の在位67年(1834~1901)に最盛期に達し、
人口・領土ともに世界の1/4に達した。

19世紀後半はドイツ、米国が台頭してきた時期でもあるが、インド帝国を
はじめとする植民地経営の拡大はそれを上回る成長をもたらし、
トーマス・クック社が大繁盛したように英国人の旅行熱は沸騰していた。

その隆盛ぶりは世界史において類をみないものだったが、
その衰退もまた坂道を駆け下るように早かった。



その繁栄の終わりを象徴する出来事としては、
①1931年のウエストミンスター憲章制定(英連邦自治領への外交権の付与)
②1944年のブレトンウッズ会議(基軸通貨が英ポンドから米ドルへ移行)
③1957年のインド・パキスタンの独立
などが挙げられる。

つまりナショナリズムの台頭による植民地主義の限界や米国の経済・
軍事力の台頭などによりに帝国の終わりは加速されたのである。

実際植民地を失えば人口7千万人弱の島国に過ぎず、経済力、軍事力、
金融力などにおいて世界を支配することが不可能になったことは明らかだ。

それから半世紀余り、現状世界5位のGDPを確保しており、またかつての
栄光や外交的遺産もあり一定程度のプレゼンスを維持している。

とはいえ今回EU離脱となればいくら英連邦の結束を固めるなどと
言っても絵空事に終わるだろう。

国家の栄枯盛衰は歴史の必然ということだ。


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鉄の女

「主権」そして「反移民」を目指した国民投票で
英国のEU離脱が決まってまもなく3年。

投票結果は48VS52と僅差であったが多数決の原理に
元づけばこれで決まりのはずだった。

まさかその具体化において内閣・議会そして世論がこのように百家争鳴し
再度の国民投票を求める声まででるなど何でもありの状態となったしまったのである。

このように国論が四分五裂し国家が迷走した背景には
その決定において「経済合理性」を軽視した故であろう。

実際島国で6割を貿易に依存している国家であることを踏まえれば
過去の栄光や誇りだけで飯を食うことができないことに気づくのが遅すぎたのである。



メイ政権は、国民投票の結果を実現させるべくEUとの手続きを進めるために発足したが、
離脱協定の法案化において立ち往生してしまった。

すでにEUとの協定案は議会において3度も否決された。

党内は強硬離脱を主張するボリス・ジョンソンらの反対派が根強く、
また労働党と協議をしても関税同盟への残留を強く主張されて
離脱協定案への賛同を得ることは難しい。

もはや決定の先延ばししか打つ手はなく4月12日の期限を6月末へと再延長する見込みで、
最終的には合意なき離脱に落ち着きそうな雲行きだ。



メイ首相が登場した時にはマーガレット・サッチャーつまり
「鉄の女」の再来かと期待された。

実際サッチャー首相は英国病に陥り財政赤字に汲々と
していた惨状を脱するべく国民怨嗟の中で
財政赤字の再建に向け大ナタを振るった。

したがってEU残留を望む一流誌などは、メイ首相が鉄の女の
再来となり、民意よりも国益を優先し残留へと方向転換してくれることを期待する向きがあったのだが。

残念ながらメイ首相は離脱を無事終了させることを第一義とする人であり
また国民投票の結果を無視するほどの常識はずれの大物政治家ではなかったということだ。

どのような結論になるにしても英国の混迷と分断を見た今
一時欧州各国に広まった離脱ブームは沈静化しつつあるようだ。

大山鳴動した結果ひとりEUがほくそ笑むことになりそうだ。


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混迷

3月29日の交渉期限を前にしてEU離脱について
英国議会は混迷を深めている。

一昨日の議会において事態の打開を図るメイ首相は風邪のため
声はしわがれ、自らのそして英国の立場の難しさを真に伝えていた。

そしてEUと合意した離脱についての修正案を提案したが
多数で否決され、さらに「合意無き離脱」が議会に諮られたが
これもまた否決された。

議会には十人十色の意見があり何を提案しても否定される状態で、
結局本日ようやく6月辺りへの協議の延期で可決される見込みだ。

とはいっても今後3か月でコンセンサスが形成される見込みはなく
結局再度の国民投票もしくは解散総選挙になる可能性が高くなった。



そもそもこのような国難に遭遇する事の発端は「国民投票」。

キャメロン前首相が苦し紛れに国民投票を提案したのが間違いで、
やはり国家の重要案件は選ばれたプロである議員達が冷静に
検討するべきであったということだ。

国家の先行きを決定する重要な案件を情報の限られた無知な
国民に判断をさせるということこそ、大きな間違いだったということだ。

保守党も労働党もまさかEU離脱になるとは思わなかったせいで
十分なキャンペーンも張らなかったつまりその無責任さが国家を
追い詰める事になったと言うことだろう。



EU加盟については多くの国々では国民投票が実施された。

そして日本でも沖縄で住民投票が行われたり、憲法改正については
国民投票が実施されることになる。

つまり民意を反映する上で一見国民投票や住民投票は
有効にも見えるが、それは決して正しい結論を導かない。

今頃になってホンダや日産が英国から撤退することを知った
住民たちが後悔をしているように、深謀遠慮もなく目先の損得や好き嫌いで
動くのが人間だ。

とすれば議会制民主主義制の英国が行うことは国民投票ではなく
解散総選挙ではないだろうか。


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合意なき離脱

3月1日の協議期限まで1週間と迫った米中交渉は
いよいよ最終局面に入った。

「国家主席の特使」の肩書で劉鶴副首相が、さらに
易鋼人民銀行総裁も加わってワシントンで閣僚会議が続いている。

知的財産権侵害や技術移転の強要など構造問題についての
覚書の作成が行われる一方で人民元についての詰めも進んでいる見込み。

現在決裂の可能性は乏しいものの期限内合意も難しそうで
60日間の交渉延長となりそうだが、すでに世界の金融市場は
期待が先行して株価は上昇中だ。



一方離脱期限の3月29日まで1か月となった英国では
混乱状態収束の見込みは立たない。

メイ首相はアイルランドとの国境問題についてバックストップ条項の
修正をEUに求めているが、EU側がこれに応じる可能性は乏しい。

つまり国境管理は甘くするが英国は関税同盟にとどまることになり、
完全な離脱にならず離脱派の納得を得るのは難しい。

今後EU首脳における承認手続きも考慮すれば3月中旬あたりまでに
合意する必要がありそうでいよいよ合意なき離脱になるのか。

英国内を見渡せば、保守党の強硬離脱派がメイ首相にNOを突き付け、
また国民投票を目指す議員たちが保守・労働両党から続々と離党
するなど百家争鳴だ。



英国は欧州の地域統合を渋る歴史を辿り、またユーロ参加に
ついても見送り英ポンドを存続させてきた。

その背景はやはり大英帝国として輝いた時代への
郷愁や誇りの故だろうか。

とはいえシティと言えば金融とくに為替市場についてはNYを
上回ってきたが今後その地位の下落は強まることになるだろう。

実際決済通貨として米ドルは6割、ユーロ2割と言われる中で
英ポンドはせいぜい5%程度に過ぎない。

つまりブレクジットは金融市場に一時的なショックを与えるかもしれないが、
その影響は限定的となるだろう。

米中協議の動向が注視される中で、老大国そして議会制民主政の
お手本の国の衰える姿は印象的と言わざるをえない。



プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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