ルペンリスク

フランス大統領選が4月23日に迫ってきた。

その見通しは、マクロン前経済相(独立系)、フィヨン元首相(中道右派)、
ルペンFN党首(極右)の三つ巴と言われている。

とはいえフィヨン氏は妻そして子供二人が給与を不正受給して
いたことが判明して人気と信用が急落。

5月7日の決選投票にはマクロンとルペンの両氏が進み、
結局マクロンが勝ってEUは安泰と言うのがメインシナリオだ。

したがってルペンリスクは残るものの、市場経済支持派の大統領の誕生
を予想して安心感が市場に広がっているのだが。



ここにきて4位、5位を争う社会党のアモン氏が左翼党のメランション氏
さらにヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)のジャド氏と統一候補について
話し合ったことが明らかになった。

左派候補が一本化されると現在首位を走るマクロン氏の決選投票
の進出が難しくなる。

決選投票がルペンVS左派候補となればルペン当選の可能性が高まり、
ブレクジットよりも一足早くフレクジット(フランスのEU脱退)が現実味を帯びそうだ。



ここは国際金融の安定に向けて是非とも
エマニュエル・マクロン氏の当選を期待したいところだが、どうなるか。

この人のことはよく知らないが、現在39歳で妻が63歳。
妻の連れ子が自分と同じ年齢とか。

マクロン氏が大統領になればフランスの結婚の形態が
話題を呼ぶことになるだろう

思い返せばオランド大統領も事実婚の相手を連れて
国賓として来日し、そのカップルの在り方が日本でも
話題になった。(すでに別れたのがまた凄い。)

どちらにしてもフランスの恋愛・結婚事情は
一日の長がありそうだ。



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クリスマス休暇

世の中はクリスマス休暇に突入し、
正月明けまで市場も開店休業状態だ。

横浜/赤れんが倉庫前の広場は、イルミネーションで照らされ、
木の屋台では、ホットワインや
ソーセージが売られている。

ということで日本でも本場ドイツのクリスマスマーケットの
雰囲気を味わえるので中華街での食事とセットで是非どうぞ。



ところが本場のベルリンでは、公共広場で行われていた
クリスマスマーケットに大型トラックが突っ込み12人が死亡した。

その犯行の容疑者としてチュニジア人が指名手配されているが、
今夏パリ祭のニースでも同様のテロにより84人が犠牲になったばかり。

このような記憶が蘇る欧州で2017年は、オランダ、
フランスそしてドイツで国政選挙が予定されている。

メルケル首相はじめどちらかと言うと移民に寛容な姿勢を示してきた
各国首脳は反移民感情を高める国民の厳しい審判を受けることになる。欧州は波乱含みだ。



一方、米国も負けず劣らずで、トランプリスクから目が離せない。

現状、市場は1月20日に発足するトランプ政権に期待を強めているが、
果たしてこの蜜月関係はいつまで続くのか。

国務長官にプーチン大統領と親しいティラーソン・エクソンCEOが、
そして国防長官に「狂犬」と言われるマティス氏が就任することになった。

このコンビによる米国の対外戦略は、対ロ融和、対中強硬になる
と見られるが、対欧、そして対日への姿勢が未だ見えてこない。

しばらくその見極めに時間がかかりそうで、新年はこれまで以上に
米中欧ロを中心にした国際政治情勢を注視する必要がありそうだ。



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枯れ葉

青山界隈は枯れ葉が舗道を黄色く染め、
秋もいよいよ終わり。

今年もまた南都銀行からカレンダーをもらった。

この3年は薬師寺、東大寺、法隆寺が画題となつていたが、
新年は興福寺の浮見堂。しかし実は見たことがない。

まだまだ知らないところ、訪れていない名所も多いし、
来年も歩き回ろう、と思う。


(外苑東通)

ところで2017年はどんな年になるのだろうか。

目下トランプ現象のインパクトが大きくて世界中が
この流れに飲み込まれそうだ。

実際イタリアでは憲法改正が否決され、
ポピュリズムの潮流が大きくなるばかり。

3月はオランダ総選挙、5月はフランス大統領選、
9月はドイツ議会選挙さらにイタリアでも総選挙の可能性が高まる。

EUの主要国は政治日程が目白押しで欧州の一年後は
どんなことになっているやら分からない。

本当に過去一世紀以上にわたった
エリートによる既成政治は受難の時だ。

下手をすればEUもトランプ現象に
吹き飛ばされるかも知れない。



そんななかで日本は無風か。

アベノミクスも終わりひっそりとした気配をますます強め、
外資系は再び上海やシンガポールへと出て行つてしまいそうだ。

もはや躍動するアジアのなかで縮小する日本はひとり孤独の
道を歩むしかないのか。



中欧への誘い

ジャーナリストでノンフィクション作家の
塚本哲也氏が87歳で死去された。

この人は毎日新聞のウイーン、プラハそしてボンの支局長を経て、
東洋英和の教授・学長へと転進した。

その名前を知ったのは数十年も昔でがんセンターの
塚本憲補氏の「私の履歴書」の中において。

ウィーン留学の縁で結婚した長女の夫にあたり、特派員で
また中欧の専門家と紹介されていたのだ。



実は毎日新聞はほとんど読んだことがなくてその人のことは忘れていたが、
92年の著作「エリザベート ハプスブルク家最後の皇女」がベストセラーと
なって再びその名前を目にすることになった。

その後「マリー・ルイーゼ  ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ」
そして「メッテルニヒ 危機と混迷を乗り切った保守政治家」。

これらハプスブルク三部作を刊行し、お陰で中欧世界へと誘ってもらい
わくわくとした気分を味わうことができた。

英米に目が向きがちな現代人から見れば、中欧に腰をすえて様々なことを
見分できる新聞社の仕事はとなりの芝生のように感じたものだ。

そしてその後は女子大生を相手にしつつ好きな研究生活を続ける
境遇は、まさに筆者の目標とするライフスタイルそのものだった。

(当然そんな生活が凡人にかなうわけもなかったが。)



しかし73歳で脳溢血に倒れ、以来リハビリ生活を続けてこられた。

遺作「メッテルニヒ」を書いた5年程前は、あとがきによれば病床に
伏しながら左手指一本でパソコンキーをたたきながら完成させたとのこと。

さらにこの時いつも最初の読者であったピアニストの
ルリ子夫人を失って失意の中だったと吐露されていた。

いつかこの人の労作を読み返す時が来るのを楽しみにしておこう。



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革命記念日

フランスで4年にわたる滞在をしていたころから
すでに4半世紀近くが経過した。

その記憶は楽しい思い出として遠くに霞んでいるが、なかでも
7月14日の革命記念日は夏の祝祭として今も鮮やかに残る。

初めての夏はシャンゼリゼ通りにあった証券会社の
オフィスからパレードを眺めた。

オープンカーに乗ったミッテラン大統領はじめ様々な行進が続き
また上空にはトリコロールのすじ雲を残して飛行機が通り過ぎた。

その懐かしい夏の思い出がテロリストにより血塗られるとは
宝物を失ったような言いようのない悲しみだ。



ニースには仕事でそして旅行で何度も出かけ、いつも惨劇の起きた
プロムナード・デ・アングレに前したホテルに宿泊した。

そして3年前には「天使の湾」の西端の丘の上に宿泊し
旧市街を散策してさらに好きな街となっていたのだが・・・

本当にテロリストは憎むべき存在としか言いようがないが
一匹オオカミの起こすテロを未然に防ぐのは至難の業だ。



そんなおりNHKBSでツール・ド・フランスを見た。

昨年は毎日20分枠でその模様が伝えられていたが、
今年は毎週末の1時間もの番組へと縮小された。

モンサンミシェルから始まったレースはすでに半ばを過ぎ
ピレネーからスペインそしてアンドラに入り、さらにプロバンスを過ぎて、
アルプスにとりつこうとしている。

その田舎の町やひまわり、ラベンダーの花畑、そして急峻な山並みなど
そこにはテロとは無関係の平和な風景が広がる。

これらの風景に気持ちもなごんだが、やはりフランスの印象は
かつてのように輝かないかも知れない。

革命記念日にニースで起きた事件に遠く日本に暮らす筆者ですら
ショックを受けているのだから、フランスの人々の心の傷はいかばかりか。

政府はどのように国家を立て直し、国民に安心と勇気を
取り戻させることができるのだろうか。



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プロフィール

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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