四半期末

3月30日(木) 晴 25度

未だ3月と言うのに気温はうなぎ上りで夏模様となり、
午後はたまらず半袖に着替えた。

実際欧州では明日がグッドフライデー続いてイースターマンデーと
4連休に入るところで、ようやく春が始まると言うのに。

今年の日本は季節の移り変わりがとても忙しい。



ということで欧州では一日早く四半期末を迎えたが
日本も明日が四半期末そして年度末だ。

本年1月以降の第一四半期は112円から104円台へと
円高が進んだがこの2日間で106円台へと反転した。

その理由は四半期末を前に様々な大玉が飛び交っていることもあるが、
金正恩の電撃訪中による東アジアの地政学リスクの好転も大きく
作用している。

さらに4月27日には南北首脳会談そして5月には米中会談
そして続いて日朝も首脳会談を行うのではないかとの
期待も出回ってリスクオンのムードが高まっているのだ。

これまでも北朝鮮はこのような交渉において主導的に動き
合意形成を図ってきた。

しかし大方は1年でこれらの合意を反故にしてきたと
言われるように緊張緩和は長く続かない。

つまり東アジアのユーフォリアは恒久ではなく
簡単に平和が招来されると考えるのは早計なのだ。



今回の中朝首脳会談により疎遠になりつつあった両国の関係が
再構築されたと見るのが妥当なようだ。

とはいえ両国の兄弟関係いや主従関係は毛沢東の時代から言われてきたが、
金正恩が習主席の発言のメモを取っている姿が印象的だった。

つまり先生と生徒をイメージさせるこの映像は北京では大々的に
報道され、一方北朝鮮では屈辱的と判断されたようで映像は
完全にカットされた。

国内では並ぶべきものがいない独裁者もやはり習主席の前では
格下の若造であることは否めない事実ということだ。

どちらにしても第二四半期の目玉はやはり北朝鮮であり
そして何よりも注視すべきは貿易戦争の行方だ。



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ブロックチエーン

仮想通貨NEMの流出事件から1か月が経った。

一方ビットコインはじめ1000にも上る仮想通貨の相場は相変わらず
のジェットコースターと投機色が満載で、仮想通貨のイメージは悪い。

それでなくともその歴史は10年にも満たず信頼度など極めて乏しく、
うさん臭くみられるのもやむなしだ。

そもそも仮想通貨の根本にある「ブロックチェーン」について未だに
メディアはじめ既存有識者は疑いの眼を示して冷ややかに見ている。



したがって「ブロックチェーン」および「仮想通貨」の有効性を
主張してきた野口悠紀雄氏はこれまではもちろん今もその
偏見はつきまとっているとか。

同氏著「ブロックチエーン革命-分散自立型社会の出現」の一説を借りれば、
ブロックチェーンとは「電子的な情報を記録する新しい仕組みで、管理者を
必要とせず、記録が改ざんできない」総勘定元帳ということだ。

従来の「総勘定元帳」と言えば日銀はじめ金融機関と言った絶対的
存在感のある主体が全取引データを管理するものであり、金融システムの
根幹と位置付けられるものだ。

それに代替する「ブロックチェーン」は、皆がインターネットで
自由に新たな取引を書き込んでは共有するものだと言う。

そう説明されても天地がひっくりかえった発想である以上誰もが
納得できないのも仕方ないだろう。

まさにライト兄弟が空を飛ぶ実験を始めた際に人々から冷笑され、
実験が成功したとの報道を信じなかったのと同様なのである。

それは「これは反乱ではありませぬ、これは革命です」と
フランス革命が勃発したその日にリアンクール侯爵がルイ16世
に向かって言った通り。

今まさに金融および通貨の世界に「革命」が進行しているのだろう。



目下のビットコイン人気は一攫千金を狙う人々によるもので
真の「革命」を理解し支持する人々の集団によるものではないだろう。

しかし既存の制度および概念に基づいて進むフィンテックとは異なり
別次元の世界で進む「ブロックチェーン革命」が世界で市民権を
得るまでには相当時間がかかるだろう。

このような状況で日銀で決済システムに携わり亜流と目された
人々、特に京都大学の岩下信行、麗澤大学の中島真志、早稲田大の
岩村充など各教授がこの概念の普及を図っている。

まだまだ理解されるのに時間がかかるのだが、当面野口氏はじめ
上記専門家の発言をフォローして行く必要がありそうだ。



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アルゴリズム

先週末(2日)発表された米国雇用統計において平均賃金が
2.8%へと改善したことが好感されて金融市場は一気に上昇。

しかし明るい未来が開いたと思ったのも束の間、
金利上昇が嫌気されて株価がまさかの下落に。

お陰で利食い売りが殺到して金融市場は一気に
リスクオフムードになった。

そして翌月曜日(5日)のNY市場の後場遅く、僅か数分の間に
1000ドルを超える下落となり、その後半値戻し、またまた下落と
up downを繰り返し、1日で1200ドルと史上最大の暴落となった。

その荒れ相場は翌火曜日(6日)東京市場にも波及し、
ITバブル崩壊以来という1日1500円の下落を示した。



そもそも月曜日のNY市場の乱高下と大暴落の背景には
アルゴリズムが大きく作用した。

つまり数学的に編み出された売買手法が起動して
HFT(High Frequency Trading)つまり高速回転取引や
ストップロス取引が大量に執行された。

これまでもアルゴリズムが相場の大幅変動の理由として
指摘されてきたが、今回の荒れ相場の犯人はやはりアルゴリズム
だったと言うことだろう。



ここ2~30年の金融市場ではアルゴリズムのほかにレバレッジ
そしてAIなど数学・金融工学を応用した手法が導入されている。

その一つであるレバレッジが縦横に組み込まれた市場では上げ相場はより上がるし、
下げ相場では収縮が加速化して暴落を誘う。

今回についても、利喰えるものは何でも売ろうと
人の判断がまず働いて米国株に続いて米国債、日本株、そしてドル円と
売りのオンパレードとなった。

それに触発されて人の開発したアルゴリズム、レバレッジが変動を加速させたということだろう。

ともかく今後も人間が生み出した様々な科学的な仕組みが
人智を超えた動きをするのは間違いなく、人はそれを制御できなくなりつつあると言うことか。


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デジタル通貨

近頃ビットコインはじめデジタル通貨(=仮想通貨)の
話題が賑やかだ。

過去1年で20倍ぐらいに価格が上昇し、
日本においても取引所は20社に及ぶなど乱立気味だ。

これらは金融庁の免許制ではなくただの登録制で、
コインチェック社にみられる通り大学生でも開設できる代物なのだ。

特に当社はお笑いタレントの出川哲朗のインパクトある
TVコマーシャルで筆者も瞠目していたのだが、過去1月半で
売り上げを10倍に伸ばしていたとか。

案の定顧客の500億円相当のNEM
がハッキングされてしまったのだからさらに驚いた。



過去1年急成長するデジタル通貨については、JPモルガンの
ダイモンCEDが「詐欺」と呼びまた日本円を発行・管理する
黒田日銀総裁も疑念を呈していた。

一方で野口悠紀雄氏はその成長性にいち早く着目し、
これまで国家・中央銀行が発行・管理し、都合よく印刷される
従来の通貨に代わるべきものとしてその成長性を指摘していた。

実際日銀OBの岩村充の「中央銀行が終わる日」という刺激的な本が
出回ったりと、新たな通貨への期待感が膨らむのも当然だ。



通貨には価値の尺度、価値の保存、価値の交換・決済の
3つの役割があると考えられている。

この観点で言えば日本などの先進国つまりドル、円、ユーロなど
通貨制度が発展しているところは現行の制度でも運用することは可能だ。

しかし金融制度発展が後発的な段階にあり、また自国通貨の信頼性の
乏しいアルゼンチンや中国などでは後発故に今後の発展の余地も大きい。

つまりデジタル通貨の未来は捨てがたいものがあると思われるが
現状は投機性が高いことそして規制・管理もされずに野放図であること
からl当面様々な事件が発生するだろう。

したがって2月のG20でもこの管理が議論される予定だ。

現状問題含みではあるが、将来性の点では「新たな通貨の誕生」は
明らかで当面騒動は頻発するとしても普及して行くことは
間違いないだろう。


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神意と人為

若林栄四著「人為バブルの終わりー2018年日本を襲う
超円高・株安・デフレの正体」を読んだ。

著者は1970年代のシンガポール時代に「MAD DOG(狂犬)」と言われ
EUROMONEYで取り上げられた伝説のディーラー。

銀行時代の筆者に相場のイロハを叩き込んでくれた先輩だ。

そして1980年代半ばのニューヨーク勤務時代に退職し、
それ以来「マンハッタンの預言者」と言われて今日に至る。

そして未だに日本に教祖と崇めるファンも多く、定期的に帰国しては
講演会を催しているが、その予測確率は疑問としても
歯切れの良さが好評で、お年寄りを中心に人気は相変わらずだ。



近著によれば、相場は神意が決めるもので
目下の世界的な株高や円安などは世界の中央銀行が
無理やり人為で作り出したものだと断罪し早晩神の怒りに触れるとのこと。

その結果として円は今夏には90円、2022年には65円。

株価についても日経ダウ、米国株ともに30%以上の調整があり
どちらも15000水準へと大幅下落すると予想している。

また人為バブルの張本人であるイエレン議長については、
インフレ率が上昇しないことを「コナンドラム(謎)」と呼ぶ姿に
大局観がわかっていない「ただのおばさん」だと切り捨て。

またトランプ大統領のことも「暗愚の帝王」と呼んで、こんな男を選んだ
米国そして米国民に不幸が訪れると予想し、米国売りを推奨。

さらに日銀のETFの購入による株価操作については、前代未聞の行為として
タブーを破った黒田日銀やアベノミクスの成功を吹聴する安倍首相らにも
鉄槌が加わるとも。



ともかく相変わらずの健筆と言うか、毒舌というか、言いたい放題。
さすが組織にしばられることなく長く相場を語ってきた人の
歯に衣着せぬ様子には脱帽。

とはいえ為替市場には大勝、圧勝などはなく2勝1敗1分けが
あるべき姿で、傲慢に陥ることを戒めて感謝こそ優先させるべきだと
殊勝に語る一面も。

ご本人もさすがに老成されたかとも思うと同時に、今後も
ニューヨークから目から鱗が落ちるお告げをお願いしたい。


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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