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プレゼント

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(東大構内)

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(駒場グランド)

駒場小に通う孫娘のマラソン大会が東大のグランドであり
例年のように応援をかねてキャンパスへ。

クリスマスまで僅か10日に迫っているのに未だ黄葉と落葉
が素晴らしい。

そんな折トランプ大統領はサンタさん気どりで「米中合意は近い」と
ツイートして投資家へクリスマスプレゼントを届けた。

これを受けてWSJとブルームバーグが①第4弾の関税引き上げ停止
②これまでの追加関税撤廃などと大きく踏み込んで詳報した。

市場はこのプレゼントに舞い上がったが、実態は「制裁関税緩和」
「一部税率引き下げ」「米中首脳の署名はなし」と言うことで夢は少ししぼんで越週した。

とはいえ来年以降の米中対決の緩和と対話への期待を抱かせるに十分な内容で
投資家へのクリスマスプレゼントとなったのではないだろうか。



一方英国は3年半にわたり離脱と残留の狭間で振り子運動を繰り返してきたが、
総選挙で保守党が大勝してようやく来月にはEUを離脱するとの方針が決まった。

もちろんそれに変わる通商体制を構築すべくEUとの自由貿易協定締結交渉は
必要でありその道はいばらであるが。

またFOMCそしてECB理事会も行われ金融政策の現状維持が確認
されてひとまず2020年のリスクオン環境が整備されたというところだ。

つまりこのところ保護主義の台頭により世界経済が委縮していたが少し
光明を見出しつつ2020年を迎えられそうな状況になったと言えるのではないか。



ただし日本については日銀短観を見ても保護主義の影響に
晒されて、この2年の景況感の悪化はかなりすさまじい。

特に10月の消費増税の影響も加わって、7年前のアベノミクス導入
により曲がりなりにも辿った上昇基調は明らかに下降トレンド色を強めている。

そして2020年は五輪イヤー、つまりその景気押上げ効果が剥落する。

1992年のバルセロナ五輪以降どの開催国も祭りの後の落ち込みは
激しく、日本も例外ではないだろう。

政府・日銀は財政政策と金融政策を総動員するだろうが
その効果は見えないし予測は至難だ。

2020年の経済見通しも例年同様に人智を超えるもので
経済評論家は好きなことを言うが実際は波乱含みと言うことしか分からない。








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プロスペクト

今年も残り3週間となった。

ゴルフでは「上がり3ホール」の重要性が説かれるように
何事も最後の詰めが肝心で、下駄を履くまで勝敗の行方
は分からない。

その点で亥年を総括するのは早い気もするが、今年の相場と
自らのパフォーマンスを振り返っておくのも良いかも知れない。

今年は正月3日のフラッシュクラッシユで始まり冷や汗をかいたが、
それにめげず好調な出足となった。

その後8月に大やられしてそれ以降は損切の繰り返しで
挽回に四苦八苦して師走に入った。

つまり今年の成果はほとんどない状況で、どうやら勝敗は辛勝か惜敗に
落ち着く見込みで余り儲からなかった1年となりそうだ。

実際今年の為替市場は109円台で始まり104円台~112円台を
往復して目下108円台。

つまり200日移動平均線が108円80銭にあるように、
今年は108円台を中心に上下4円幅で小動きに終始。

これは変動相場制に移行して以降の46年間で最も小さい
変動で、変動で儲けを狙うデイーラーにとって難しい年で
あったと言い訳するしかないのではあるが・・・・



そこで思い出すのが今から17年前にノーベル経済学賞を受賞した
行動経済学者ダニエル・カーネマンである。

それまでの経済学では経済は合理的経済人により成り立つとされ
最適なモデルを追求することにより問題は解明されるとされてきた。

それに一石を投じたのが行動経済学で、人間は決して合理的な
行動をするものではないとの前提にたち様々に非合理性を立証して
新理論を構築した。

その代表が「プロスペクト理論」。
プロスペクトとは「期待」「見通し」などと翻訳されるが
「宝くじ」と考えた方が分かりやすい。

つまり人間が合理的経済人であれば勝ちを狙うのも負けの解消を
狙うのも線形つまり同じ行動様式をとるはずだ。

しかし実際の人間は勝ちを狙う場合は手堅く、負けの挽回は
イチかバチかにのめりこむものなのである。

つまり負けの挽回については可能性が低くても一発逆転を狙う
傾向にあると言う人間の本質を喝破したのである。



この一年の自らの行動を振り返っても結局「合理的」とは異なる
非線形的な行動を繰り返しては傷口を広げたのである。

どちらにしてもカーネマンの理論を自ら証明したような気分でもあり
やはり「不思議の負けなし」を痛感しているところだ。

ともかくあと3週間は合理的な経済人として冷静にファイトして
「辛勝」を狙いたいと思っている。


.

ウォ―レン・リスク

米中雪解けムードの中で米国株は27600ドルを超えて
史上最高値を更新中だ。

今や米中双方が追加関税の全面撤廃へと進んでいるとの
中国側からの発表もあり、市場では強気が優勢。

とはいえホワイトハウスでは依然ナバロ氏などの反対も根強く、
米国側からは確たるフォローはない。

何より第一段階である部分合意について調印式の場所も
決まっておらず、日程も12月以降にずれ込む見込み。

もはや決裂はないにしてもまだまだ貿易交渉は紆余曲折がありそうだ。



とはいえ株式市場はすでに期待に溢れている。

それでは失望そしてダウンワードへ転じるリスクはないか。

まず現状の水準で高所恐怖症が広がりつつあるのは否めない。

実際2008年のリーマンショックの翌年の6000ドル台を底に
既に10年を経過して上昇してきたことが指摘される。

長期波動である10年サイクル論に従えばそろそろ天井だが、
中期的波動である3年サイクル論に従えば米経済は底打ちしたばかりで、
これから、上昇トレンドに入ることになる。

ISM非製造業指数はもちろん製造業指数も改善に転じたも言えるなど
米国経済は改善しつつあるようにも見える。

果たしてどちらのサイクル論が当てはまるのか?



二番目の関門はウオーレン・リスク。

大統領選まですでに1年を切ったが、目下トランプ大統領の
再選確率は56%。

ウクライナ疑惑で76歳のバイデン候補が失速気味、そして78歳の
サンダース候補は体調も今一つと両者とも年齢の壁は厚そうだ。

ということで目下劣勢の民主党でトップを走るのがウオーレン女史だ。

筋金入りの社会主義者で法人税減税措置はやめ、富裕税をかけ、
GAFAの分割を示唆し、さらにグラススティーガル法の復活をも提唱する。

カネ余りの強気相場においてこのウオーレン・リスクの芽がどのように
育ち、投資家に不安を増幅させて行くのだろうか。

来年3月のスーパーチューズデーまで民主党の大統領候補選びと
株式市場を両にらみする日々が続くことになりそうだ。





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外為法改正

戦後の世界経済は国際協調を志向し、投資・貿易の自由化を求めて
IMF・世銀・GATTを主軸に平和と経済発展を図ってきた。

この過程で日本は戦後の復興を遂げ、1964年にIMF14条国から
8条国となり庇護対象国から先進国の仲間入りに成功した。

さらに1980年には従来原則禁止とされてきた外為法
(外国為替及び外国貿易法)が改正され原則自由、一部届け出制へと大幅に衣替えをしたのである。

お陰で日本は貿易のみならず活発な金融取引を背景に
経済成長を遂げて世界第3位の経済規模を達成するまでになった。



ところがここに来て世界の自由貿易主義は曲がり角にきた。

もちろんその原因として巨大化する中国があり、そしてそれを懸念する
トランプ大統領の保護貿易主義が加速化したことである。

すでに米欧は中国の企業買収そして技術流出を懸念して対中企業防衛
の施策を打ち出している。

その潮流の中で米欧と比べ無防備と見える日本はこれらの国々から圧力を
受け、ここにきて外為法の改正が内閣決議され国会審議を経て来春から
施行される見込みとなった。

その骨子は対日投資について一企業の10%以上とされてきた
大型投資の届け出対象を1%以上とすることである。

つまりAIやITなど国家の中枢を担う産業の防衛を図ることを目的とする。

ただ外国の投資運用会社による純粋な投資については
その縛りはかからないとしている。



一時代前の金融市場が牧歌的であった頃、つまり外国からの
資本流入が限られていた頃は日本の企業の株式は機関投資家など
安定株主による相互持合いで安定的な経営が行われてきた。

この閉鎖性は徐々に開放され今日に至ったが、それだけに
外国投資家次第で経営が安定を失うことになりつつあったのは明らか。

中国の買収工作も脅威ならアクティビスト(もの言う株主)の
存在も鬱陶しい。

今回の改正により、今後日本は再び海外の投資家への門戸を閉じる
傾向を強め対日投資が萎縮して行くことになりそうだ。

と言うことで米国何よりもトランプ大統領の影響力の大きさを感じさせるが
この結果外人の投資比率が高まっている日本の株価や債券が暴落する可能性が高まるのではないか。



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為替介入

12日のECBによる小幅利下げに続いて18日の米国では
FOMCにおいて0.25%の政策金利引き下げが決定された。

次いで19日には日銀が金融政策決定会合において長期金利の
誘導目標を「0%程度」短期政策金利をマイナス0.1%で据え置いた。

つまりマイナス金利の深堀の副作用に日本は動けず
他国に比べ円金利の相対的引き締め感が浮き彫りにされ、円高への転換の
可能性がジワリと高まったのである。



このような環境下巨額の財政赤字に加え経常赤字を
抱えるトランプ大統領は各国の通貨安政策に怒り心頭だ。

ということで自国も通貨安をとの誘惑に駆られてはFRBに激しく
金融緩和策を求めているが、FOMCはタカ派とハト派が拮抗しており
大統領の思惑通りに動いてくれない。

それならばと自らの手の内にある財務省に指示をして「為替介入」に
踏み込むしかないと考えるのは当然ではないか?

当然単独介入で原資も限られるが、そのターゲットは為替操作国に指定され
現在7.0~7.2の水準にある人民元に対するドル売り介入と言うことになるのだろう。



仮に対象通貨が人民元に限定されるとしてもそのアナウンス効果は
絶大で、他通貨への影響も大きくドル急落の可能性も拭えない。

実際トランプ大統領が不満を述べるまでもなく現在の米ドルが
高い水準にあることは明白でそれだけに介入の効果は大きくなるだろう。

過日東洋経済オンラインで「マンハッタンの預言者」こと若林栄四氏
が「2023年にNYダウが暴落し1ドル65円」と予測していた。

その水準までとは言わないがもっと早くに90円ぐらいは
あるのかも知れない。

とりあえずこれからしばらくは米ドル下落を引き金にした
NYダウと米国債のトリプルショックの可能性を注視しておきたい。


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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