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投資再開

東京で49日間の緊急事態が解除され「新しい日常」が
戻った丁度その日、NYの証券取引所が再開した。

米国でのコロナは依然猛威を奮っているが、トランプに
尻を叩かれる形で、各州知事は経済優先へと舵を切った。

ともかくこの3か月の教訓は、各論として感染症は怖いが
総論としては(米国においてさえ)死亡率は0.03%とペストの
50%と比べ無視できる水準であることが分かったことではないか。

また世界で100本ほどの実験が進んでいるワクチン開発について
来年初には実用化されるとの見方は日々強まっている。

この種報道が投資マインドを明るくしているのは明らかで
米国の株価は3月の底値から半分以上のロスを取り返し、
強気が広がりつつあるところとなっている。



ポストコロナは米中対立の激化と米国のマイナス金利入りが
主な課題と言うことだろうか?

かかる環境下株価はコロナにめげず中央銀行の金融緩和策
そして政府の財政支出策により案外堅調に推移している。

すでにその水準はだぶつくマネーの影響を受けて長年来実体経済から
大きくかけ離れてきたが、その乖離は一層拡大してゆくのだろうか。



それでは著名投資家のスタンスはと言えば、まずウオーレン・
バフェットの動向について。

コロナによる急落を受けて、当初航空機株のナンピン買いを
行ったがその後売りへと方向転換した。

この人が短期間にぶれるのはこれまでなかったとして,
いよいよお年かとの意見も聞かれたが。

とはいえタイエアーは破綻し、ルフトハンザは政府から1兆円の
公的支援を受けるなどこの業界はとても厳しい。

一方ジム・ロジャースは、日銀が買い支えていることを理由に
日本株を再投資するとのことだ。

とりあえず第一波が過ぎ第二波が訪れるまでにワクチンの
開発がどこまで進むかが世界の経済、株価を左右することになる。


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石の上にも

ユーラシア・グル―プのイワン・ブレマーは当代一の国際政治学者であり、
その発言に人々は耳をそばだてる。

実際この20年地政学的リスク分析の最前線に立ち、その発言や執筆は
注目されてきたが、一方メディアの人たちからは
「使いまわしが多い」との苦情も散見される。

それもこれも人気者の故でやむなしと言うことだが
コロナが蔓延し不透明感が増す世情を反映して
そのご託宣を聞こうと露出度は一段と増しているようだ。



昨今の発言は主に次の通りだ。

①新型コロナは第二次世界大戦以来のグローバル危機であり、
 将来的に世界はグローバルからローカルへと転じて行くだろう。

②今後人の作業を一層排除した機械化、自動化が進み
 第4次産業革命が一気に進むだろう。

③この危機においても「協調」は置き去りにされたままで、Gゼロつまり
 リーダーとなる国が存在しないことが問題の解決を遠ざける。
 
④ポストコロナにおいて「シャットダウンから脱却できない」欧米の
 地位は今まで以上に沈下して「経済活動を先行して再開する」
 中国の存在感が増すことになるだろう。

⑤医療制度が貧弱でIMFなどからの財政支援が不十分な
 新興国を発生源とする金融危機が1年以内に起きる可能性が高まる。



それぞれについて説得力があるが、中でもその冒頭で語られていた
コロナ収束に向けての時間軸が気になった。

つまりワクチンが広まるのに1年半程度を要すること。
そしてかつてのような旅ができるのに3年を要すること。

これまでのように自由に旅ができる日が再来するのを
強く願っているが、3年もかかるのか、とつい慨嘆してしまう。

緊急事態宣言はまもなく終わりそうだが、臥薪嘗胆の
日は「石の上にも三年」と言われるようにまだまだ続く。




政策協調

米国はアメリカ・ファーストからアメリカ・オンリーへとギアチェンジしており、
今や世界の「政策協調」は絵空事となった。

コロナはすでにパンデミック宣言がなされる瀬戸際にあるが、
米国が世界と協調行動をとるとは思えない。

この間ウイルスは金融市場に伝播し、OPECプラスにおいて
サウジとロシアの対立が露見するに至って原油価格も大暴落。

お陰でシェール関連企業の危機も叫ばれて米国の株式市場は
取引が一時停止となるなどパニック症状を呈するに至っている。



1週間前G7財務相会議が「政策協調」を宣言したが、
米国が金利下げを行ったものの、その他国は全くの音無し。

1970年代にランブイエでG7が始まり「政策協調」が
外交の主流となった。

その成果はプラザ合意に結実したが、21世紀に入り
中国の台頭とG7の牽引力の衰えに「政策協調」は形骸化してきた。

したがって現状日本も為替介入で市場の流れを押しとどめたい
ところではあるものの米国と日本の利益相反があり、やすやすと
「伝家の宝刀」を抜けない。

さらにこの10年に渡り各国がゼロ金利政策をとり続けてきたせいで
緊急対応としての協調利下げ余地などほとんど残っていないのが実情なのである。




すでに為替水準は101円台と2016大統領選において
トランプ大統領が勝利したときの水準となった。

ただ当時の米国の株価は18千ドル、日本は16千円であり、
目下の24千ドル、19千円はまだ余裕があると言えばいえるのだが。

ここ数年日銀はことあるごとに株価防衛のためにETFを
購入しその金額は28.3兆円に積みあがった。

そしてその持ち値は19200円台とされているので
この水準以下で日銀は保有株式について含み損を抱える。

債券で含み益があるだけに債務超過の問題はないとしても
中央銀行がこの状況だけに、それにぶら下がる地銀の経営不安はつきない。

信用収縮が避けられない状況で新たに金融不安の話が飛び出せば
医療と金融の合わせ技で話がややこしくなるのは必定だ。


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大暴落

新型コロナは中国・アジア固有の対岸の火事であり
米国は大丈夫とトランプは楽観論をぶっていたが・・・

ついに米国では死亡者も出たようで、さらにカリフォルニア州では2000人が隔離されたという。

かかる恐怖にこの1週間で29千ドルから25千ドルへと米国株価は15%近く暴落した。

いよいよ再選を目指すトランプ大統領の尻に火がついたのは明らかで、
FRBも金融緩和による防衛策を急遽打ち出す見込みだ。

果たしてコロナショックは一過性に終わり株価の下落は
止まるのか?



今回の暴落は2008年9月~09年3月の100年に1度と言われた
リーマンショックを思い出させる。

実際当時の世界経済は総需要の4割を失い米国株価は14千ドルから
7千ドル割れへ落ち込んだ。

また円高も進み105円から87円へとなったが、何よりも日々の上下動は
値幅が2円に及ぶ激しい展開となった。

これまで10年サイクルで金融市場が大暴落してきただけに
すでにリーマンから11年を経ていることから今回も「調整」にとどまらず
大きなショックになる恐れは拭えない。

何よりもこの10年余りで震源地である中国の世界経済への
インパクトは2~3倍になっているだけに要注意だ。



今後FRB、ECBのみならす日銀も景気下支え策および
株価対策を用意するだろう。

ただ日本の場合マイナス金利を深堀りする意外の打つ手はない状況で、
政府、日銀は円高に火が付いた際には対応に苦慮するだろう。

すでに全国一律で学校は休校し、企業活動そして個人の消費行動も
大きく毀損され経済の急激な収縮は必至。

一時は「コロナは日本売り=円売り」などと囃す向きもあったが、
今後世界に不況感が蔓延するに連れ「比較的」安全な通貨である円の
上伸は避けられないのではないか。



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日本売り?

武漢でのコロナウイルス発生を受けて金融市場では
リスクオフの動きとなり円買いが強まった。

しかしその被害が日本におよぶ第二段階に入り
その防疫体制の甘さが嫌気され、「日本売り」を囃して
米系ファンドが円売りを進めている。

その結果一時108円台の円高から目下売りが売りを呼んで
112円台となっている。

果たして米系ファンドの言うようにコロナリスクは
円買いではなく日本売り=円売りなのか。



20世紀を通じて北朝鮮のミサイル発射や中東リスクなど
が生じるたびにエネルギー供給に不安を抱える日本は
その通貨および株が売り込まれた。

つまりリスクオフは「日本売り」が当然視されてきたが、
その思考が逆転したのが2001年の9.11。

米国の中心地が次々と狙われたことから「ドル売り」
そして安全通貨としての「円買い」が定着し、それ以来
20年近く条件反射的に金融市場は動いてきたのである。

実際3.11の東日本大震災発生時にも海外資産の
日本への還流が進み円買いが生じた。

その結果日銀が為替介入にまで乗り出して
75円でようやく円高騰を押しとどめたのである。



それでは今回の事象について円売りと円買いの
どちらが正解なのだろうか。

日本政府の対応のまずさを見れば目先は円売りかも知れないが
長期的には世界経済の縮小を通じて円は買われると思うのだが。

現状米国経済の好調な指標を好感して
世界的に株価は堅調だ。

とはいえコロナへの恐怖が強まれば必然的に世界経済が
縮小して米国株を直撃し、その下落を通じてドル売り=円買いが
強まるのではないか。

どちらにしても「リスクオフ=日本売り」が定着するか否かは
今後の金融市場に聞くしかないと言うところだ。


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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