タケプロン

胃の調子が悪い時にしばしば処方されてお馴染みなのが
胃潰瘍に効果を発揮するタケプロン。

このタケプロンは武田薬品の儲け頭と言われるが、
間もなく20年の特許期間が満了する予定だとか。

したがってジェネリックが登場することになり独占的利益を失う
つまり薬のライフサイクルで言う寿命が尽きることになる。

このように武田ではいくつかのヒット商品の特許満了が
今後予定されており、新たな開発や買収による市場
拡大が必要だったとされている。



この状況下、武田薬品はアイルランドのシャイヤーを7兆円で買収
することにしたが、国内トップとはいえ売り上げが7千億円
程度の会社がこんな大きな買収に乗り出して大丈夫なのか?

社長が外国人であると聞けばなるほどと思い、日本の市場が縮小化
している中では必然だったのかも知れないのだが。

ともかく株式市場では武田の財務状況悪化を懸念して
株価はこの3か月で3割程度下落している。

実際有利子負債が現状の1兆円から4倍ぐらいになるとのことで
その買収後を危ぶむ向きが多いのも無理からぬところだ。

30年前になるがソニーが米国CBSを買った時の金額が
4千億円で驚いたものだ。

さらに15年前にソフトバンクがボーダフォンを皮切りに
数々の買収を1兆円~2兆円単位で行っており、さすがに
孫正義かと思わせてはいたのだが。

果たして武田の体力でソフトバンクもびっくりするような
大型買収を支えきる体力があるのだろうか?



一方2017年の経常収支黒字が20兆円と2年連続で
大台に達したが、7兆円の大型買収の為替市場への影響は
どうなるのか気になるところだ。

これまで大型買収案件が出るたびに為替市場では思惑の
外貨買い・円売りが出回ってきた。

この2か月を見ても武田がらみで英ポンド買い・円売りが
出ているようでもある。

とはいえその買収資金7兆円がすべて円資金の調達そして
ポンド買いが行われるのではなく、外貨での調達部分も
相当大きなものとなるだろう。

したがってポンド買い/円売りがストレートに出回るのは
限定的とみられるが、影響は無視できないものとなろう。

ここしばらく武田そして英ポンドの動きには要注意だ。


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四半期末

3月30日(木) 晴 25度

未だ3月と言うのに気温はうなぎ上りで夏模様となり、
午後はたまらず半袖に着替えた。

実際欧州では明日がグッドフライデー続いてイースターマンデーと
4連休に入るところで、ようやく春が始まると言うのに。

今年の日本は季節の移り変わりがとても忙しい。



ということで欧州では一日早く四半期末を迎えたが
日本も明日が四半期末そして年度末だ。

本年1月以降の第一四半期は112円から104円台へと
円高が進んだがこの2日間で106円台へと反転した。

その理由は四半期末を前に様々な大玉が飛び交っていることもあるが、
金正恩の電撃訪中による東アジアの地政学リスクの好転も大きく
作用している。

さらに4月27日には南北首脳会談そして5月には米中会談
そして続いて日朝も首脳会談を行うのではないかとの
期待も出回ってリスクオンのムードが高まっているのだ。

これまでも北朝鮮はこのような交渉において主導的に動き
合意形成を図ってきた。

しかし大方は1年でこれらの合意を反故にしてきたと
言われるように緊張緩和は長く続かない。

つまり東アジアのユーフォリアは恒久ではなく
簡単に平和が招来されると考えるのは早計なのだ。



今回の中朝首脳会談により疎遠になりつつあった両国の関係が
再構築されたと見るのが妥当なようだ。

とはいえ両国の兄弟関係いや主従関係は毛沢東の時代から言われてきたが、
金正恩が習主席の発言のメモを取っている姿が印象的だった。

つまり先生と生徒をイメージさせるこの映像は北京では大々的に
報道され、一方北朝鮮では屈辱的と判断されたようで映像は
完全にカットされた。

国内では並ぶべきものがいない独裁者もやはり習主席の前では
格下の若造であることは否めない事実ということだ。

どちらにしても第二四半期の目玉はやはり北朝鮮であり
そして何よりも注視すべきは貿易戦争の行方だ。



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ブロックチエーン

仮想通貨NEMの流出事件から1か月が経った。

一方ビットコインはじめ1000にも上る仮想通貨の相場は相変わらず
のジェットコースターと投機色が満載で、仮想通貨のイメージは悪い。

それでなくともその歴史は10年にも満たず信頼度など極めて乏しく、
うさん臭くみられるのもやむなしだ。

そもそも仮想通貨の根本にある「ブロックチェーン」について未だに
メディアはじめ既存有識者は疑いの眼を示して冷ややかに見ている。



したがって「ブロックチェーン」および「仮想通貨」の有効性を
主張してきた野口悠紀雄氏はこれまではもちろん今もその
偏見はつきまとっているとか。

同氏著「ブロックチエーン革命-分散自立型社会の出現」の一説を借りれば、
ブロックチェーンとは「電子的な情報を記録する新しい仕組みで、管理者を
必要とせず、記録が改ざんできない」総勘定元帳ということだ。

従来の「総勘定元帳」と言えば日銀はじめ金融機関と言った絶対的
存在感のある主体が全取引データを管理するものであり、金融システムの
根幹と位置付けられるものだ。

それに代替する「ブロックチェーン」は、皆がインターネットで
自由に新たな取引を書き込んでは共有するものだと言う。

そう説明されても天地がひっくりかえった発想である以上誰もが
納得できないのも仕方ないだろう。

まさにライト兄弟が空を飛ぶ実験を始めた際に人々から冷笑され、
実験が成功したとの報道を信じなかったのと同様なのである。

それは「これは反乱ではありませぬ、これは革命です」と
フランス革命が勃発したその日にリアンクール侯爵がルイ16世
に向かって言った通り。

今まさに金融および通貨の世界に「革命」が進行しているのだろう。



目下のビットコイン人気は一攫千金を狙う人々によるもので
真の「革命」を理解し支持する人々の集団によるものではないだろう。

しかし既存の制度および概念に基づいて進むフィンテックとは異なり
別次元の世界で進む「ブロックチェーン革命」が世界で市民権を
得るまでには相当時間がかかるだろう。

このような状況で日銀で決済システムに携わり亜流と目された
人々、特に京都大学の岩下信行、麗澤大学の中島真志、早稲田大の
岩村充など各教授がこの概念の普及を図っている。

まだまだ理解されるのに時間がかかるのだが、当面野口氏はじめ
上記専門家の発言をフォローして行く必要がありそうだ。



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アルゴリズム

先週末(2日)発表された米国雇用統計において平均賃金が
2.8%へと改善したことが好感されて金融市場は一気に上昇。

しかし明るい未来が開いたと思ったのも束の間、
金利上昇が嫌気されて株価がまさかの下落に。

お陰で利食い売りが殺到して金融市場は一気に
リスクオフムードになった。

そして翌月曜日(5日)のNY市場の後場遅く、僅か数分の間に
1000ドルを超える下落となり、その後半値戻し、またまた下落と
up downを繰り返し、1日で1200ドルと史上最大の暴落となった。

その荒れ相場は翌火曜日(6日)東京市場にも波及し、
ITバブル崩壊以来という1日1500円の下落を示した。



そもそも月曜日のNY市場の乱高下と大暴落の背景には
アルゴリズムが大きく作用した。

つまり数学的に編み出された売買手法が起動して
HFT(High Frequency Trading)つまり高速回転取引や
ストップロス取引が大量に執行された。

これまでもアルゴリズムが相場の大幅変動の理由として
指摘されてきたが、今回の荒れ相場の犯人はやはりアルゴリズム
だったと言うことだろう。



ここ2~30年の金融市場ではアルゴリズムのほかにレバレッジ
そしてAIなど数学・金融工学を応用した手法が導入されている。

その一つであるレバレッジが縦横に組み込まれた市場では上げ相場はより上がるし、
下げ相場では収縮が加速化して暴落を誘う。

今回についても、利喰えるものは何でも売ろうと
人の判断がまず働いて米国株に続いて米国債、日本株、そしてドル円と
売りのオンパレードとなった。

それに触発されて人の開発したアルゴリズム、レバレッジが変動を加速させたということだろう。

ともかく今後も人間が生み出した様々な科学的な仕組みが
人智を超えた動きをするのは間違いなく、人はそれを制御できなくなりつつあると言うことか。


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デジタル通貨

近頃ビットコインはじめデジタル通貨(=仮想通貨)の
話題が賑やかだ。

過去1年で20倍ぐらいに価格が上昇し、
日本においても取引所は20社に及ぶなど乱立気味だ。

これらは金融庁の免許制ではなくただの登録制で、
コインチェック社にみられる通り大学生でも開設できる代物なのだ。

特に当社はお笑いタレントの出川哲朗のインパクトある
TVコマーシャルで筆者も瞠目していたのだが、過去1月半で
売り上げを10倍に伸ばしていたとか。

案の定顧客の500億円相当のNEM
がハッキングされてしまったのだからさらに驚いた。



過去1年急成長するデジタル通貨については、JPモルガンの
ダイモンCEDが「詐欺」と呼びまた日本円を発行・管理する
黒田日銀総裁も疑念を呈していた。

一方で野口悠紀雄氏はその成長性にいち早く着目し、
これまで国家・中央銀行が発行・管理し、都合よく印刷される
従来の通貨に代わるべきものとしてその成長性を指摘していた。

実際日銀OBの岩村充の「中央銀行が終わる日」という刺激的な本が
出回ったりと、新たな通貨への期待感が膨らむのも当然だ。



通貨には価値の尺度、価値の保存、価値の交換・決済の
3つの役割があると考えられている。

この観点で言えば日本などの先進国つまりドル、円、ユーロなど
通貨制度が発展しているところは現行の制度でも運用することは可能だ。

しかし金融制度発展が後発的な段階にあり、また自国通貨の信頼性の
乏しいアルゼンチンや中国などでは後発故に今後の発展の余地も大きい。

つまりデジタル通貨の未来は捨てがたいものがあると思われるが
現状は投機性が高いことそして規制・管理もされずに野放図であること
からl当面様々な事件が発生するだろう。

したがって2月のG20でもこの管理が議論される予定だ。

現状問題含みではあるが、将来性の点では「新たな通貨の誕生」は
明らかで当面騒動は頻発するとしても普及して行くことは
間違いないだろう。


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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