FC2ブログ

人民元安

7月6日(金)に予定される米国の対中制裁関税発動を
前にして中国の金融市場が波乱含みとなっている。

米国は知的財産権保護を念頭に500憶ドルの高率関税の導入を
決定していたが、今回そのうちの300憶ドルを対象とする。

それに対して中国政府も大豆、トウモロコシなど米国の農産品について
報復関税を準備しており米国中西部の「コーンベルト」と言われる農家への
影響が懸念される。

しかし当然のことながら報復関税の応酬は米国のみならず
中国経済への影響は大きく、不測の事態が起こりうるということだ。



現在の中国の金融市場は、2月に6.2台にあった人民元が
目下6.6~6.7台へ下落し、上海株も3500から2700へと
2割ほど減価している。

したがって2015年~16年にかけて発生した中国ショックに
国際金融市場が震撼とした記憶がよみがえるのである。

これまで米中間の貿易戦争もブラフに過ぎないとの楽観的な
見方が強かったが6日以降泥沼化して行く懸念が高まる。



米国の中西部のイリノイ州やアイオワ州から中国へ輸出される大豆や
トウモロコシは食料問題に直面する中国にとり重要課題だが、
米国の生産農家にとっても同様である。

それは1985年に習近平が米国へ視察に出向きアイオワの農家に
ホームステイしていたことでも明らかだ。

トランプ大統領としてもコア支持層である白人労働者向けに高率関税の導入を決定したが、
農家への打撃が大きいだけに中間選挙まで4か月となった今頭の痛いことになった。



.
スポンサーサイト

南北統一

南北首脳会談後の韓国における世論調査によると
金正恩に好印象を抱いた国民は7割に達したという。

したがってこれまで5~6割の国民の支持に止まっていた
民族統一への願望も多分増加していることだろう。

とはいえ南北統一は政治体制の違いがあること、そして莫大な
経済コストの故に東西ドイツのように実現させるのは難しい言うのが実情だ。



28年前の東西ドイツの統一についてその費用は約200兆円を
要したとされ、西ドイツはそのコストにしばらく苦しんだ。

当時東ドイツの人口は西の約25%で、そして一人当たりGDPは西の50%、
そして年金など福祉制度などもある程度整備されていたのに東西を平等化
するのに莫大な費用がかかった。

それに引き換え南北を比較すると、北朝鮮の人口は韓国の30%を超え、
そして一人当たりGDPはわずか6%であり、社会保障などあるはずもなく
もちろん産業も全く育っていない。

つまり安い労働力しかない北朝鮮を吸収するのに要する金額は
550兆円をこえると試算されるのもやむなしだ。

そして韓国にとっての550兆円とは国家予算の20年分もしくはそれ以上に
相当する額であり、1997年に財政破綻しIMFに救済された韓国にとっては
ない袖は振れないという金額なのだ。

さらに統一後北の安い労働力が国境を越えてくるとすれば、
韓国経済は潤う面はあるとしても、韓国の国民の生活は北朝鮮に
引きずられて大きく下落することになるのだろう。



以上のように経済面で統一は非現実的だが、何よりも北に君臨し
独裁を続ける金王朝をどのように扱うかが問題となる。

つまり南北の政治体制が全く異なることから、
民族統一の実現性は限りなく小さい。

つまり南北統一は叶わぬ夢と言うように見えるのだが
何か見えざる手が働いたりするのだろうか・・・


.

板門店宣言

4月27日は映像文化の進歩をまざまざと見せる一日となり、
リアルタイムに歴史的イベントの進行が伝えられた。

両首脳の固い握手と国境線の往復に始まって、
散策、橋の上での会談、署名、共同会見、婦人の登場
と見るものを飽きさせないまさに歴史ショーが続いた。

かつて西側社会の豊かさを報じるCNNの映像が
東ドイツの国民に動揺を与え東西ドイツ統一の動きを加速化させた。

その統合から28年、メディアの動きは一段と活発している印象だが
果たして南北統一へどう影響を与えるのか?

単に金正恩に利することになるだけなのか?



採択された板門店宣言においては、「完全な非核化を通じ、
核のない朝鮮半島の実現」を目指すことが確認された。

ただその評価については大きな一歩との見方がある一方で
具体性が皆無でまたもや北朝鮮の時間稼ぎ戦略に利用されただけ
との見方も根強い。

東アジアに住む人間からすれば前者であれば嬉しいのだが
やはり後者の懸念を捨てがたい。

実際ここ数年間だけでも金正恩はミサイルを60発も発射して、
また核実験を強行し、そして叔父の張成沢を処刑し兄の金正男を暗殺した。

つまり今回映し出された金正恩のユーモアと笑顔など、単なる演技と
見るのが妥当ではないだろうか?

悪玉が突然善玉になったその演技力には驚くばかりだが、
そんな振る舞いに決して騙されてはいけないと思うのだが・・・



今回の南北首脳会議の評価は6月初旬にシンガポールで
開催されると見られる米朝会談の行方により決まるだろう。

今回は無事スケジュールをこなしたが、トランプと金正恩が
これまでの激しいやりとりから一転して新たな関係へと歩を進めるのだろうか。

経済支援を目的にした「見せかけの平和」か、真に民族統一を
目指す第一歩なのかしばらく静観する必要がありそうだ。






南北首脳会談

5日間関西で遊んでいるうちに、スマホで見る相場は
刻一刻と円安が進みついに109円台到達。

その背景は米国の金利上昇など種々あるが、何といっても
2日後に迫った南北首脳会談への期待だろう。

実際開催は秒読みで板門店での打ち合わせは細部にわたっており
リハーサルまで行われているとか。

また取り上げられる議題も朝鮮半島の非核化はじめ日本の拉致問題、
さらに朝鮮戦争の終結宣言などの予測も出回り期待は大いに高まっている。



先日は金正恩委員長が核実験やミサイル発射の中止について
言及するなど、米朝会談をもにらんで融和姿勢を強く打ち出しており
今後の米韓朝の平和交渉への注目がいやが上にも高まる。

このように半島リスクの圧縮を受けて、安全通貨として売買される
傾向のある円は平和ムードの中で大幅に円安に振れているのだ。

とはいえこれまで北朝鮮は外交交渉においてリップサービスで
時間稼ぎを得意技としているだけにその言動には誰しも半信半疑。

特に米朝会談についてポンぺオ前CIA長官の極秘交渉が
米中におけるキッシンジャーを彷彿させる。

しかし依然トランプ大統領も空中分解の可能性を示唆するように
予断を許さないのが現実だ。



ということで今後の日本は半島リスクから解放されるとの
楽観的見方が存在するものの、その確信はゼロというのもまた確か。

どちらかと言うと期待は裏切られるケースが多いことを
含めて考えれば、期待ムードも27日の会議までかも
知れない。

「Buy the rumour, Sell the fact」つまり27日の会談を機に
現在の円売りムードが一転して円買い一色になるかも知れない。

市場の移り気にはくれぐれも要注意だ。


..
.

劉鶴

「米国第一」「保護主義」の道を突っ走る米・トランプ政権に対し、
昨年のダボス会議以来自由貿易の旗頭となったのが中国の
習近平国家主席だ。

昨日は海南省の国際経済会議「ボアオ・アジアフォーラム」で金融業などの
市場開放を柱とする重要施策を公表。

さらに米中貿易の不均衡について、「中国は貿易黒字の追求を目標としない」
「知的財産権侵害を取り締まる」など「市場開放」と「黒字幅削減」を打ち出して
トランプ政権への歩み寄りを示した。



ホワイトハウスは重要閣僚のリシャッフルが進みいまや対中強硬派で
固められたが、一方の中国サイドは3月の全人代で国家副主席となった
王岐山とハーバード卒である劉鶴が国務院副総理に昇格して舵取りをする。

この劉鶴副総理は習近平とは10代の頃からの友人と言われ、中国共産党内では
経済アドバイザーとして活躍し、過去40年にわたり中国の成長政策を
担ってきた人。

目下は投資と輸出重視の経済から、緩やかではあるが持続可能な消費中心の
成長へと転換しようとする政策の中心人物ともいわれている要人中の要人だ。

したがって今後の米中関係の行方を左右する人物であり、2月にも
ワシントンを訪問し、トランプ米大統領が凍結していた両国の通商協議再開の
お膳立てをすると期待されていた。

ただこの時はトランプ政権が中国を標的にした鉄鋼・アルミニウムの
輸入制限措置を発表したタイミングに当たった。

つまりこの日を境に米政府が対中制裁の追加関税品目500億ドル相当の公表、
中国側の報復措置、それに応じてトランプ氏が追加関税対象を1000億ドルまで
拡大する意向を示すなど、対立はエスカレートするばかり。

したがって海南島での習主席の開放政策についての演説は
効果的だった。

今後の中国の対米経済政策が劉鶴副首相に主導されることは
明らかであり、今後米中対話の進展が注目されるところだ。



..
プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR