FC2ブログ

春節

中国14億人のうち何億人もが大移動するという春節も佳境だ。

特に650万人が出かける海外渡航先として日本はタイに続く
人気で、今年もまた100万人近い中国人が各地を訪れている。

ただ訪日客もリピーターが増えまた通販が浸透していることから
かつての爆買いが影をひそめ、滞在を楽しむ方向へと旅の形は
変化しつつあるようだ。

特に中国人のスキー人口が増えていることを映じてニセコ、留寿都などは
人気の的として中国人が殺到していると聞く。

お陰でバブル期からスキー人口が1/3に減った日本の
スキー業界にとっては干天の慈雨と言ったところである。



中国が輸出・投資主体での二桁を超える高度成長から消費・内需の
中成長へと舵を切ってすでに数年が経過した。

その統計が信頼できないことは日本の比ではないが、一応経済成長率は
6%台を維持しているとされ、日本も様々なメリットを享受しているのは明らかだ。

とはいえ中国の景気減速は明らかでさらにスマホ市場の頭打ちも加わって
日本の企業は中国経済の先行き不安に警戒を強めている。

このように中国経済の先行きは不透明であり、そしてその動向は
中国の政治を大きく左右しかねないだけに要注意だ。

実際中国5千年の歴史は混とんと安定を繰り返してきただけに共産党一党独裁に
よる安定がいつまで続くのか疑問でもあり確信など持てないというところだ。



このような経済の先行き不安が高まる状況で注目されるのは
やはり米中貿易戦争の行方だ。

すでに米国USTRは官報において3月2日付けで2千億ドル分の
中国製品への制裁関税を10%から25%に引き上げると明記した。

つまり今後3週間余りの間において政府間の合意や交渉延長など
何らかの行動が必要となる。

数日前まで2月27日にベトナムのダナンで米朝会談と並行して
米中首脳会談が行われるとの見方もあったが、今やその話は消えた。

来週の春節明けから閣僚級での米中交渉が再開されるが
果たしてどのような決着を見るのか、先行きは見えない。

.

スポンサーサイト

改革開放40年

1978年12月に鄧小平が改革開放を唱え
自由経済へ舵を切って丁度40年を迎えた。

この経済政策の大転換を受けて中国との窓口であり好況に沸く
香港に赴任したころのことは今や遠い思い出だ。

お陰で金融市場に漬かりつつ片手間に始めたチャイナウオッチは
いつの間にやら40年に及ぶことになった。

それにしても、中国の政治はともかく経済面での成長は隔世の感だ。

実際この間中国は高度成長を実現しGDPは225倍に、
貿易総額は199倍に、一人当たり可処分所得は150倍になり、
世界経済に占めるGDPは当時の1.8%から15.2%と米国に迫った。

べき乗効果とは恐ろしいもので、1.15の40乗で270倍になる、
つまり中国経済は毎年14~15%の成長を継続したのだ。



今回北京の人民大会堂で式典が行われたがひとまず鄧小平時代と区切りをつけて、
今後は習近平が主導する経済運営が進められる見込みだ。

今後10年以内にはGDPで米国を抜いて世界1位となり30年後の
建国百周年には「中国の夢」つまり豊な社会の実現を目指す。

当然今後の経済は低成長になるのは回避できない。

また国内にはゾンビ企業の存在、格差、腐敗、民族問題などが
山積しており、どのように蓄積された矛盾が克服できるのかその道は険しい。



一方中国に隣接した日本に目を転じると長い間成長から見放され、
近頃は中国からのインバウンド需要に喜んでいるが、事はそんなに簡単か?

実際京都のど真ん中には中国人の経営するホテルが続々建って
風情が失われつつあるが、問題はその程度に止まらない。

すでに中国の安い物価に直撃されて日本は20年来デフレにあえいでおり、
今後中国の経済圏に飲み込まれてその影響に晒されることになるだろう。

さらに尖閣など領土をめぐる軋轢も収まる気配はなく
防衛大綱において「いずも」の空母化も避けられなくなった。

今後は巨大化する中国と政治経済両面においてどのように付き合うのか、
米国、インドへの依存と連携を深めるにしてもなかなかの難問だ。






.

人民元安

7月6日(金)に予定される米国の対中制裁関税発動を
前にして中国の金融市場が波乱含みとなっている。

米国は知的財産権保護を念頭に500憶ドルの高率関税の導入を
決定していたが、今回そのうちの300憶ドルを対象とする。

それに対して中国政府も大豆、トウモロコシなど米国の農産品について
報復関税を準備しており米国中西部の「コーンベルト」と言われる農家への
影響が懸念される。

しかし当然のことながら報復関税の応酬は米国のみならず
中国経済への影響は大きく、不測の事態が起こりうるということだ。



現在の中国の金融市場は、2月に6.2台にあった人民元が
目下6.6~6.7台へ下落し、上海株も3500から2700へと
2割ほど減価している。

したがって2015年~16年にかけて発生した中国ショックに
国際金融市場が震撼とした記憶がよみがえるのである。

これまで米中間の貿易戦争もブラフに過ぎないとの楽観的な
見方が強かったが6日以降泥沼化して行く懸念が高まる。



米国の中西部のイリノイ州やアイオワ州から中国へ輸出される大豆や
トウモロコシは食料問題に直面する中国にとり重要課題だが、
米国の生産農家にとっても同様である。

それは1985年に習近平が米国へ視察に出向きアイオワの農家に
ホームステイしていたことでも明らかだ。

トランプ大統領としてもコア支持層である白人労働者向けに高率関税の導入を決定したが、
農家への打撃が大きいだけに中間選挙まで4か月となった今頭の痛いことになった。



.

南北統一

南北首脳会談後の韓国における世論調査によると
金正恩に好印象を抱いた国民は7割に達したという。

したがってこれまで5~6割の国民の支持に止まっていた
民族統一への願望も多分増加していることだろう。

とはいえ南北統一は政治体制の違いがあること、そして莫大な
経済コストの故に東西ドイツのように実現させるのは難しい言うのが実情だ。



28年前の東西ドイツの統一についてその費用は約200兆円を
要したとされ、西ドイツはそのコストにしばらく苦しんだ。

当時東ドイツの人口は西の約25%で、そして一人当たりGDPは西の50%、
そして年金など福祉制度などもある程度整備されていたのに東西を平等化
するのに莫大な費用がかかった。

それに引き換え南北を比較すると、北朝鮮の人口は韓国の30%を超え、
そして一人当たりGDPはわずか6%であり、社会保障などあるはずもなく
もちろん産業も全く育っていない。

つまり安い労働力しかない北朝鮮を吸収するのに要する金額は
550兆円をこえると試算されるのもやむなしだ。

そして韓国にとっての550兆円とは国家予算の20年分もしくはそれ以上に
相当する額であり、1997年に財政破綻しIMFに救済された韓国にとっては
ない袖は振れないという金額なのだ。

さらに統一後北の安い労働力が国境を越えてくるとすれば、
韓国経済は潤う面はあるとしても、韓国の国民の生活は北朝鮮に
引きずられて大きく下落することになるのだろう。



以上のように経済面で統一は非現実的だが、何よりも北に君臨し
独裁を続ける金王朝をどのように扱うかが問題となる。

つまり南北の政治体制が全く異なることから、
民族統一の実現性は限りなく小さい。

つまり南北統一は叶わぬ夢と言うように見えるのだが
何か見えざる手が働いたりするのだろうか・・・


.

板門店宣言

4月27日は映像文化の進歩をまざまざと見せる一日となり、
リアルタイムに歴史的イベントの進行が伝えられた。

両首脳の固い握手と国境線の往復に始まって、
散策、橋の上での会談、署名、共同会見、婦人の登場
と見るものを飽きさせないまさに歴史ショーが続いた。

かつて西側社会の豊かさを報じるCNNの映像が
東ドイツの国民に動揺を与え東西ドイツ統一の動きを加速化させた。

その統合から28年、メディアの動きは一段と活発している印象だが
果たして南北統一へどう影響を与えるのか?

単に金正恩に利することになるだけなのか?



採択された板門店宣言においては、「完全な非核化を通じ、
核のない朝鮮半島の実現」を目指すことが確認された。

ただその評価については大きな一歩との見方がある一方で
具体性が皆無でまたもや北朝鮮の時間稼ぎ戦略に利用されただけ
との見方も根強い。

東アジアに住む人間からすれば前者であれば嬉しいのだが
やはり後者の懸念を捨てがたい。

実際ここ数年間だけでも金正恩はミサイルを60発も発射して、
また核実験を強行し、そして叔父の張成沢を処刑し兄の金正男を暗殺した。

つまり今回映し出された金正恩のユーモアと笑顔など、単なる演技と
見るのが妥当ではないだろうか?

悪玉が突然善玉になったその演技力には驚くばかりだが、
そんな振る舞いに決して騙されてはいけないと思うのだが・・・



今回の南北首脳会議の評価は6月初旬にシンガポールで
開催されると見られる米朝会談の行方により決まるだろう。

今回は無事スケジュールをこなしたが、トランプと金正恩が
これまでの激しいやりとりから一転して新たな関係へと歩を進めるのだろうか。

経済支援を目的にした「見せかけの平和」か、真に民族統一を
目指す第一歩なのかしばらく静観する必要がありそうだ。






プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR