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米大統領選

「首都封鎖」が語られるようになり東京でも
ようやくコロナへの緊張感が高まってきた。

一方米国の状況は日本よりもかなり深刻で、コロナ感染者は
4万人を突破し経済への影響が拡大している。

したがって一人20万円に上る現金支給が目玉とされる
緊急経済対策が急がれる。

しかし政府案(それを共和党が支持している)が企業よりで
個人そして医療分野への手厚い支援を主張する民主党との
対立が議会内で激化しているのである。

とはいえ議会でもコロナが蔓延しつつありいつまでも
議論を長引かせることもできない。




上記のような政府のバラマキ政策には11月の米大統領選が
あるものの、トランプ人気の陰りは拭えずオッズによれば
バイデンにリードされている。

その背景には就任して以来トランプが自らの成果と
誇ってきた株価が僅か一月で35%も暴落していることだ。

つまりアメリカファーストに拘り中国そしてFRBと対立を
深めてきたがその努力も水泡と消えつつあるということだ。

と言うことでトランプは保健よりも経済へと
舵を切りたくてしようが無いのだが。




今や株式はじめ実物資産の暴落により不足した
マージンマネーの穴埋めの為のドル買いが集中している。

ドル資金の供給についてFRBは各国中銀とのスワップ枠
を強化して信用リスクへの備えを進めている。

とはいえ信用システム危機と言われたリーマン時と異なり、
今回は経済危機である以上金融政策に限界があることも確か。

今後観光、航空に止まらず全産業の落ち込みによる
失業者の急増と景気後退の深刻化が懸念されるが、
財政政策がどの程度有効に機能するのだろうか?


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漁夫の利

11月の米大統領選に向けて予備選挙が始まった。

皮切りのアイオワ州の民主党党員集会において中道派の
ブティジェッジが首位、そして僅差で左派のサンダースが続いた。

先行きは見通せないが緒戦は重要で、オバマも初戦の勝利で
勢いづいて勝ち上がったし、前回のサンダースも序盤の勝利で
最後までヒラリーに肉薄することになった。

ということで二人の対決は3月3日のスーパーチューズデイ
さらにはその後までもつれそうだ。

とはいえ今回アイオワで最も注目されたのは党員集会をより
劇場化するために仕組まれたアプリが機能せず、とんだ混乱を
招いたことだろう。



また大統領に年齢制限はないにしてもサンダース(78歳)、
バイデン(77歳)の高齢ぶりに疑問をもたざるえない。

日本人であり大統領選に関係ないと言えばその通りだが、
米国トップが誰になるかで世界の政治・経済情勢が大きく変わる。

実際核ボタンを握る人が認知症のリスクに晒されているなど
思うだに恐ろしいことではないか。

そういった意味で38歳で穏健な政策で市場も好感する
ブティジェッジこそトランプの対抗馬としてふさわしいのではないか。



結局初戦の勝利者は民主党の混乱ぶりにトランプ大統領が
漁夫の利を得たと言うことになるのではないか。

加えてトランプ大統領は上院の弾劾裁判においても無罪評決を得、
今後選挙キャンペーンに猛進するだろう。

この4年の減税及びインフラ投資を推し進めウオール街に
優しい政策をとって経済を活性化させてきたことは
有利に働くだろう。

そして協調外交から遠く内向き非難を受け続けていても
岩盤と言われるプア・ホワイトの支持は根強い。

果たして残り9か月で民主党はどのように挽回するのか。



感謝祭

米国では来週木曜日は感謝祭。
その翌日はブラックフライデーで年末商戦が始まる。

米国の株価はほぼ毎日史上最高値を更新しているだけに
年末の個人消費は好調が予想されている。

つまり2020大統領選まで1年を切った状況において米国景気の好調ぶりは
トランプ大統領にとってはシナリオ通りで事は順調と言うことだ。

あとは米中交渉で早々と部分合意にこぎつけて実績を
アピールしたいところだろうが・・・・・・



トランプ再選の阻止を目指す民主党の候補者選びは
相変わらずの乱立状態。

サンダース、ウオーレン、コルテスなどは「極左」と呼ばれるように
非現実的な政策を声高にしており本選に出たとしてもトランプに勝てる可能性は乏しい。

そんな中で中道派と言えばバイデンが最も知名度が高いものの
76歳の高齢に加え風評は必ずしもよくない。

ということでここに来て急浮上しているのがピート・ブートジェッジ。
インディアナ州サウスベンドと言う小さな町の市長で、加えてLGBT
でもあり泡沫的に見られていたが。

37歳と若く若者の支援が広がりつつあるようで、ダークホースから
一気に本命にのし上がったオバマの再来の可能性を示しつつあるので要注目だ。



トランプは支持率こそ低迷しているもののコアのプアホワイトの支持を
がっちり固めており当選確率は56%と優勢。

とはいえ目下の米国は①格差に不満を募らせる若者が増えている、②ヒスパニックはじめ
マイノリティが多数へと転換しつつある人口・社会の変化が起きている。

それだけに民主党の候補者が誰になるか次第で米国は大きく変わる。

ピルグリムファーザーズが入植してすでに400年。

感謝祭に七面鳥を食する習慣は変わらないとしても、白人を
中心とする米国は大きく変容する過渡期にあるのかも知れない。


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製造業不振

10月1日北京の天安門広場では国慶節の式典が行われた、

建国70周年の今年はいつもより世界の耳目を集めたが
米中一時的休戦など共産党もその準備に努めた。

その効果もあったようで軍事パレードは1発で米国の10都市を
攻撃できるICBMなど内外へのアピールに成功したようだ。

もし米中闘えば最新兵器に200万人を超える人民解放軍も押し出すと
考えれば、今や米国の圧倒的な優位性はなくなったと言っても過言ではないだろう。

しかし中国5千年の歴史において数百年の歴史を刻んだ
各王朝と比べ誕生して70年の共産党王朝などまだまだひよっこ。

これからも米中両国は持ちつ持たれつで助け合いながら
国家運営を進めて行かざるを得ない。



この状況下米中もどこかで妥協点を探すことになるのだろう。

米中貿易交渉は中国が構造改革を優先すべきとの米国からの圧力に
NOを突き付けている状態で目下米国の関税引き上げが進むばかり。

中国との貿易不均衡是正を公約としてきただけにトランプ大統領は
引き下がれないのは当然だが。



大統領選を13か月後に控えたいま経済のプロを自認する大統領としては
株価を上昇させることこそが再選に向けての近道である。

しかしここにきて米国経済の先行指標として重視されるISM製造業景況指数
は2か月連続で中立水準を大きく下回りリーマンショック直後と同レベルになった。

製造業は今や米国経済において10%程度にしか過ぎないものの
トランプ大統領を支持する・プアホワイトの寄って立つ基盤である。

とすれば製造業に活力を与えラストベルトを再興させるためには
直接の原因である中国との摩擦を解消するしかないのが実情である。

したがって中国との暫定合意へと急ぐしかないと言えるのでは。

目下混迷の状態ではあるものの、事態は合意に向けて
急展開するかも知れない。




善意と偽善

月日が経つのは早いものでアメリカン航空がワールド・
トレードセンターに突入した9.11から18年が経過した。

すでに米国においてその事件を知らない若者が急増し風化
しつつあるとも言われる。

しかし2001年のこの事件そして2008年のリーマンショックは
過去20年において特筆される9月の大事件だったことには変わらない。

そして追悼式においてトランプ大統領はNYの復興にビジネスマンとして
いかに寄与したかと誇らしげに語ったのはたのはいつものオレ流と言うことだ。

また安全保障担当のボルトン大統領補佐官を解任するなど近頃は
タリバン、イラン、北朝鮮との交渉に前向き姿勢を示している。

これも大統領選挙を意識したものに違い無さそうだが。



一方夏場にかけて最悪状態にあった中国との貿易交渉においても
「善意」(GOODWILL)を前面に「暫定合意」を進める意向を示している。

17日から始まる実務者協議、10月に予定される閣僚級会議を前に
劉鶴副首相の要請を受けて米国は輸入品の関税免除対象を拡大し、
中国もまた農産物輸入の再開を示唆。

ともかく10月1日の国慶節、とくに今年は建国70周年を迎えるだけに
その祝意を込めて当日発効予定だった追加関税を2週間延期する。

さらに「善意」による暫定合意まで匂わせているのだがどうなるのか?



大統領の言う「善意」とは所詮「偽善」に過ぎないとの見方もあり、
交渉術の一つかも知れない「善意」の実体を知りたいものだ。

実際ムニューシン財務長官はこれら大統領発言を否定し、あくまでも
中国による為替相場と為替操作について論議を深めると言っている。

国慶節を挟んだこの時期はトランプ大統領の「善意」の本質つまり偽善かを
見極めるタイミングと言うことか。



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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