ハイテク

米国株価が21、000ドルと史上最高値の水準を推移している。

米国景気はかつての輝きはなく低金利政策に支えられているのは
否めないが、特筆されるのはハイテク5銘柄の堅調ぶりだ。

ハイテク5銘柄と言えばアップル(時価総額89兆円)、アルファベット(グーグルの
親会社。75兆円)、マイクロソフト(60兆円)、アマゾン(53兆円)、フェイスブック(49兆円)。

つまりこの5社が世界の時価総額の上位を占めているが、
これらの製品はいつのまにか身の回りに存在するものばかり。

これらなくしては生活が成り立ちづらくなっており、そして大半は
四半世紀以上前には影も形もなかったものたちである。



そしてこの5社が毎日何らかの話題を市場に提供しているが
先日はアマゾン株が1000ドルに到達した。

20年前の上場時に2ドルだったものが今や500倍になった、
つまり1万円投資していれば500万円になったということだ。

当初はネット通販特に書籍でスタートしたが今やなんでも取り扱い
さらにクラウド事業など多岐にわたっている。

一方アップルについては時価総額がうなぎ上り。

投資家ウオーレン・バフェット氏が顧客のローヤリティの高さに注目し
アップルを買い、IBMを売った。

業界の栄枯盛衰の激しさを物語るが、確かにアップルを使った人は
必ずアップルを買うと言う習性が強いのも、良い製品を作るからだろう。



このように世界のトップ企業の顔ぶれは大きく変化し、
かつての常連だった自動車産業も顔面蒼白。

GMそして電気自動車のテスラが6兆円程度であることから
ハイテク企業の隆盛は明らか。

ともすれば儲けすぎが指摘されるトヨタでも20兆円ぐらいと
米ハイテク企業の1/3-1/5程度に止まる。

製造業よりも非製造業が主流となる社会において、ハードよりも
ソフトが儲かる時代ではあるもののPERは100倍を超えると聞けば
(米主要企業の平均は17倍)少し行き過ぎのような気もするが。


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トランプ節

4月末のドゥテルテ比大統領との電話会談でトランプ大統領は、

「核兵器を持った頭のおかしい男をこのように野放しにしてはおけない。
我々は大きな戦力を持っている。彼の20倍だ。
だがそれを使うことは望んでいない。あなたたちは大丈夫だ」

とアジアの安定を保障する発言を行った、と報じられている。

とはいえその直前には、「金正恩は大したやつだ。いつでも会う」などと
発言していたことからすると、相変わらずトランプ節は気まぐれで、
ぶれやすくついて行けない感じだ。



そのトランプ大統領は目下中東、ローマを経由してNATO、
そしてG7へと外遊の真っただ中。

中東では反イランの旗の下アラブとイスラエルの協調を
訴えているが、この方針は果たしていつまで堅持されるのか。

すでに米国はじめ西側の企業はイランへの再投資を進めているが、
トランプ節にはハラハラし続けることになるだろう。

一方選挙期間中に「メキシコの壁」や「環境問題」について
ローマ法王から批判が出て反目したが、今回は30分におよび会談。

地球規模の環境問題についてローマ法王の懸念を理解したようで
今後前向きに対応すると言った趣旨の発言をしている。
とはいえこの発言をどこまで信じてよいやら。



ともかく外遊はいちおう無難なデビューを切ったようだが
果たして週末のG7でどんな評価をえる事ができるのだろうか。

国内に帰れば目下ロシアゲートが真っ盛りでストレスが続く。
したがってホワイトハウスでは側近をどなりつけているとか。

頼れるのはクシュナー・イバンカ両氏の親族だけの模様で
果たしてこの難局を乗り切れるのか分からない。

ともかくトランプ大統領の不規則発言、つまりトランプ節の
炸裂はまだまだ続きそうだ。


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ロシアゲート

4月23日の仏大統領選以降「マクロンラリー」と言われるように
ユーロが対ドルで1.06から1.11へ、そしてユーロ円が115円
から125円へと急上昇。

お陰でドル円でも108円台から114円台まで円安が進んでいたが
ここにきてトランプ大統領の周辺がざわついて円高へ反転し、今朝は
110円台となっている。

もともとトランプ大統領の政策運営については懸念されてきたが
公約の実現による米国経済再生の夢を追う動きが勝り
ドル高、株高が高進してきた。

今回の「ロシアゲート」の発端はFBIのコミ―長官の解任で、
その真相はフリン元補佐官への捜査中止に圧力をかけたこと。

さらにイスラエルから提供されたISの機密情報をラブロフ露外相に
提供したが、この利敵行為に民主党のみならず共和党も驚いては
あきれ果て、弾劾の現実味が語られはじめた。

実際ISに潜入している情報源の安全が侵される問題であり
情報が集中する最高司令長官への信頼感がぐらついている。



弾劾裁判については憲法第1章第2条5項において「訴追権限は下院に属し」
「裁判を行う権限は上院にある」とされ、その2/3の賛成で有罪となり罷免されることになる。

これまでについては、ニクソン大統領が辞任に追い込まれた例がある。

これは「ウオーターゲート事件」と呼ばれるもので、自らの不法行為を
捜査していた特別検察官を解任し、司法長官を辞任させた事件である。

同大統領は訴追されることが必至となったことを受け急きょ辞職に至った。

と言うことでトランプ大統領の今後が注目されるが、もともと支持率が50%以下で
たまたま不人気のクリントンが相手だったから当選しただけとも言われるだけに、
いつまで大統領職を続けることができるか。

中間選挙を1年半後に控え、共和党でははやばやとペンス副大統領に
首をすげ替えようかとの思惑も台頭しているようだ。



トランプ大統領辞任ともなれば公約に挙げた減税と1兆ドルの
インフラ投資が画餅になるということで、株価の暴落とドル売りの嵐
との見方が強まる。

しかし国民の信頼の厚いペンス副大統領が大統領になれば
これはこれで好材料で、ドル買い・株高だとの見方も存在する。

金融市場は本当に気まぐれで一体どちらなんだと考えてしまう。
ともかく円相場は、案外早くに105円に到達するかも知れない。


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縁故主義

トランプ大統領が就任して100日となった。

これからは蜜月も終わり議会との対決色も強まるなど
いばらの道が続くことになるだろう。

この間目立ったのが、イバンカ氏と夫のクシュナー氏で、
先進国では珍しい縁故主義(NEPOTISM)がはびこる。

メラニア夫人はNYで子育て中で必要に応じワシントンに
来ているようだが、ファーストレディはもっぱらイバンカ氏。

過日もベルリンでのウーマンサミットにラガルド氏などとともに参加し
父を擁護してメルケル首相とやり合うなどその存在感は際立つ。



一方トランプ氏と言えば政策運営面での不安定さが目立つ。

スタートから大統領令が連発されたが、入国管理令が
頓挫し支持率も低迷するなど今後に不安を残す。

このような状況で何とか公約を実現しようと100日以内の
駆け込みを狙ったのが税制改革だ。

実現に向けての財源手当てや法案提出権のある議会への
根回しも不足気味ながら、とりあえず改革案を発表した。

具体的には法人税を35%から15%へ下げ
さらに個人所得税も下げる。

ただ国境調整税については、輸出面での減税は歓迎されるが
輸入に対する増税については一部企業に強い反対があり
見送りとなった。

つまりこれら税制改革案の問題点は財源の手当てが
見えないこと。

法人税下げで今後10年で2兆ドル(220兆円)場合によっては
5兆ドルにものぼる赤字がもたらされるとの試算もある。

さらに本来はオバマケアの撤廃で費用がカットされる予定だったが
それにつまずいたことで歳出は思う通りに減らない。

財政赤字の拡大を嫌う茶会党などが強硬に反対していることから
30年ぶりになる税制改革が実現するかは雲の中。



このようにトランプ政権には八方ふさがり感が強まっており、
必然的に頼れるのは身内ということになるのだろう。

春節のお祝いにイバンカ氏と娘アラベラちゃんが中国大使館を
訪れて中国語で歌い、緊張高まる米中関係に融和ムードが漂った。

また習近平夫妻がフロリダのマールアラーゴに来た時も
アラベラちゃんが中国で歌って米中の友好に貢献した。

お陰で母親イバンカ氏は「女神」と呼ばれて中国での人気は
沸騰しているようだ。

イバンカ氏頼みが続くトランプ政権の先行きは厳しい。



カレクジット

ブレクジットが現実化した今、英国と連合王国を築いてきた
スコットランドでは英国からの独立を目指し、再度住民投票を
求める声が高まっている。

そのシナリオでは英国からの独立とともにEUに加盟することにし、
安全保障と経済の安定化を図るつもりのようだ。

同様にブレクジットに触発されて、欧州の少数民族、
例えばカタル―ニア、ワロンそしてチロルなどで独立の動きが活発化することになるだろう。



このように民族的のみならず経済格差、税の不公平感などから、
国家からの分離を求める動きは欧州のみならず米国でも生じている。

その代表がCalexit(カレクジット)つまりカリフォルニア州の
合衆国からの独立を求める動きだ。

その実現する確率は極めて少ないと言われるものの、
同州では連邦予算の支払いの見返りが少ないとの不満が根強い。

実際同州の経済はシリコンバレーを抱え米国でも最大のGDPを誇っており、
世界6位相当とフランスよりも大きい。

また人口も3.7千万人と米国の12%を占めており、何よりも、
メキシコ、アジア系などの移民が過半を超える。

したがって米大統領選において見られたように、民主党の強力な地盤で、
白人優先のトランプ大統領や共和党のつけ入るスキがない。

今後トランプ政権が移民排斥の動きを強めて行けば、
カレクジットの声は一段と強まって行くことになるだろう。



それでは単一民族そして均質的な市場を持つとされる日本はどうか。

均一と言われたのは昔のことで、今や都市と地方の格差が
広がる傾向は否めない。

したがって地方交付税などにより大都市から
地方への仕送りが続いている。

この実情に東京の住民には不満を述べる声もあり、
東京独立が囁かれるようになってきたとも言われる。

この流れを倍加させたのが、ふるさと納税だ。

例えば世田谷区では昨年20億円近い住民税が流出したように
自治体から悲鳴が上がった。

さらに住民税のみならず所得税の分配においても今後
地方への傾斜配分に対する不満の声が高まる可能性は拭えない。

税収が潤沢である限り表面化しない問題が、
税が枯渇してくるに従い不満の声が強まる。

つまりカリフォルニア同様「払った分だけ見返りが欲しい」
との議論が生じるのはやむを得ないところだ。







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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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