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アップル・ショック

ガラ系からスマホに乗り換えたのが8年前。

サムスンのGalaxyと富士通のArrowsを併用しているが、
アップルファンに言わせれば使い勝手の良さはiphoneが秀逸だとのこと。

その人気の秘密は良く分からないが、新商品が出るたびに
世界中で行列が出来るのだから抜群の機能を有するのだろう。

このように新規需要に買い替え需要も根強く過去10年余りの
スマホの販売台数は90億個にも上ると言われるが、やはり
その中心にアップルがいると言えよう。

とはいえ世界の人口は70億人しかいないのだから、
飽和状態になりつつあるのは確かだ。

果たして今後もアップルがアマゾンとならび世界経済と
米国株価を牽引して行くことはできるのだろうか。



アップルの株価は過去10年で10倍になっており
時価総額も1兆ドルを突破するなど世界1の企業に成長した。

とはいえ先週は関連下請け企業の受注が圧縮されたとの報が
伝わり、株価が急落するアップル・ショックが発生した。

その後も下落を続け目下の株価は190ドルと10月月初の
230ドルから20パーセントも下落して売り気配が強い。

アップルは台湾企業が中国で生産する部品を使うなど
国際分業体制の象徴的存在となってきた。

しかし自由貿易体制を基盤とするビジネスモデルも保護貿易主義の
台頭に変調を来しつつあるのも当然かも知れない。



アップル株価の下落によりIT銘柄を中心とするNASDAQの下げは
ことのほかきつい。

一方ダウも27千ドルを前にして今年に入り2月には3千ドル
10月にも2千ドルも下落するなど高値圏で荒い値動きをしており
転換点を示唆しているともいえる。

現在米国経済をとりまく環境は、保護主義者トランプの登場、
そしてFRBによる低金利政策からの脱却などパラダイムを
変化させるに十分な条件が揃ったともいえる。

リーマンショックから10年、2018年は大きな曲がり角だったと
後年言われるのかも知れない。


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青と赤

今回の米中間選挙は米国内外において異様に関心を集め
投票率は50%近くと前回を10ポイントほど上回った。

お陰で日本時間7日の午前はCNNの開票速報を見ていたのだが
その途中経過に反応して東京市場は乱高下した。

結果は過去大方がそうであった様に、
政権党が議会の支配権を失うことになった。

とはいえ青い波が全米を覆うという民主党の圧勝があったわけでもなく
赤い象をシンボルにする共和党が踏ん張ったようにも見える、つまり
痛み分けと言ったところだろうか。



早速大統領は記者会見において虚勢を張り勝利宣言を発した。

これから2020大統領選に向けてこれまで以上に米国第一主義を
前面に押し出して米中貿易戦争はじめ通商問題の深堀を図るに違いない。

同時に議会工作が難しくなるだけにロシアゲートや女性スキャンダルなどを
簡単にねじ伏せることは難しくなるだろう。

とはいえ上院の過半を確保しただけに弾劾にさらされることもなさそうで、
十分に再選の権利を確保したということだ。



一方の青いロバをシンボルとする民主党はと言えば、下院を
奪還したものの上院は議席を減らす見込みだ。

もちろん29歳と史上最年少のヒスパニックの女性が当選するなど
ピンクウエーブが見られたものの、新たなリーダーが登場することもなかった。

オバマ2世と注目されたベト・クルーク(46歳)はテクサス州で
大物テッド・クルーズに敗れ、2020の大統領選の目がなくなった。

目下のところサンダースの流れをくんだ左派の進出が目立つが
大統領選を勝ち進むには中道派でなければ難しいとされる。

その意味で目下の該当者は70歳を超えたバイデン元副大統領
ぐらいしか見当たらないのだから、将来の民主党そして米国のリーダー
になる人の登場にはしばし時間がかかりそうだ。

つまりこれから加速化する2020大統領選はほぼトランプで
決まりということかも知れない。


..

上昇気流

11月6日の米中間選挙をまじかに控え、劣勢と見られた
トランプ大統領そして共和党が上昇気流に乗った。

このまま投開票に突入すれば上院はもちろん下院においても
共和党が過半を占める可能性が高くなった。

つまり議会とのねじれ回避が現実的となり、トランプ大統領の
求心力の高まりに2020大統領選での再選が見えてくる。

実際トランプ大統領の減税およびインフラ投資効果による
株価上昇に多くの国民の懐が温かくなっているのだから。



トランプ大統領の追い風にもうひとつの外部要因も加わった。

それは治安の悪化と貧困を嫌気しホンジュラスを出発した
7000人におよぶ移民の波だ。

その行進はすでにグアテマラを過ぎメキシコ南部に到達しており、
目的地米国に到達するのは間もなくだ。

その数は欧州を目指すシリア難民には及ばないが、
その映像の迫力は米国民を震撼とさせるに十分だ。

この恐怖感は移民受け入れに前向きな民主党批判を高め、
移民排斥を謳うトランプ大統領への信頼感を増幅させる。

この移民の行進の接近とともにトランプ大統領の米国第一主義を
叫ぶ声に日々力が入ってくるのも当然だろう。



減税策は格好のバラマキであり一種の選挙戦における
買収行為とも言えようか。

すでに大統領就任以来10年間で1兆ドルの個人所得税減税が
打ち出されているが、あらたに中間所得層向けに10%の減税策が
打ち出される見込みだ。

さらに共和党支持基盤の保守層やキリスト教福音派を念頭に
トランスジェンダーの存在を否定する措置も検討しているとも言われる。

トランプ大統領の演説は、民主党攻撃そして自分の経済政策の
成果を台無しにするやつとしてFRBパウエル議長の批判に熱を帯びる。

とにかく45%を超えた支持率が最後の2週間でどこまで伸びるのか
注目される。


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権力闘争

世界のリーダーとして中国に追い上げられているとはいえ、米国は依然
政治・経済・軍事の上で世界に君臨している。

これまでの遺産があるだけにトランプ大統領が8年暴挙を続けたとしても
持ちこたえると思われるものの、ホワイトハウスにおける権力闘争の
激化を見ているとその確信は揺らぐ。

もちろんトランプ大統領はワンマン経営者を気取っているだけに
部下である大統領補佐官や閣僚の間において亀裂が深まるのは
気にも留めていないのか知れないが。

とはいえ米国の一挙手一投足は世界に大きな影響を与えるだけに
米国第一主義VS国際協調主義や強行派VS穏健派という対立の
行方に関心を払わざるを得ない。



本年3月3人の国際派そして穏健派の要人の辞任が相次いだ。

まずティラーソン国務長官が「大統領は頭のIQテストをすべきだ」と嘆いて辞任。

さらにマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)そして自由貿易を
志向し高関税に反対したコーン国家経済会議委員長もそれに続いた。

加えてここにきて国際協調を目指すマテイス国防長官は「民主党員みたいだ」と
トランプ大統領に言われ、まもなく(表向きは円満な)退任が発表される予定だ。

一方先週はホンジュラスからの大量移民を巡って、穏健派で「大統領はバカだ」
と言ったと伝わるケリー首席補佐官と強行派のボルトン補佐官が怒鳴り合いに及んだとか。

大統領はボルトン氏に加勢したともされており、まもなくケリー氏は辞任する見込みだ。



このケリー氏については暴露本「FEAR」の発行を裏で糸を引いていたともされ
その批判の急先鋒が大統領の長女イバンカ氏だとも。

つまりホワイトハウスには大統領を中心にイヴァンカ・クシュナー夫妻と
最近大統領のイメージアップに露出が増えたメラニー氏の大きな存在がある。

従ってその影響下において強硬派と穏健派の対立構造があると言えよう。

すでに国務長官に強硬派のポンぺオ氏が就任し、マテイス国防長官の後任も
強行派が就く見通しだ。

中間選挙以降ますます強硬派、つまり米国第一主義者が
権力を握ることになるのだろう。

権力の存在するところはどこにおいても権力闘争はつきまとうが、
とりわけホワイトハウスの内部の対立は世界の政治・経済・軍事に
影響を与えるだけに目が離せない。



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内憂外患

史上最高値を更新してきた米国株価はこの2日間で
1300ドル下落つまり5%の大きな調整局面を迎えた。

本年2月にも3日ほどで2000ドルの大幅調整が起きたが
それに次ぐ規模のものだ。

これは自律調整と言うべきものだが敢えて理由を探せば
今回もまた「内憂外患」によると言えるだろう。

つまり「内憂」としては米国金利急上昇への懸念。

実際10年物の長期国債が3.25%に急上昇したことで
リスクが嫌気されたた結果と言うことだろう。

そして「外患」としては米中貿易摩擦への懸念。

実際中国では株安・人民元安のトレンドが続いており
チャイナリスクを市場は改めて思い出したということだろうか。



米国経済は120か月つまりリーマンショック以降丸10年にわたり
右肩上がりを続けてきた。

米国の失業率は3.7%と当時の11%台から大幅に改善し
成長率も4%台に達している。

かかる米国経済の好調ぶりを反映して株価も当時の6000ドル台を底値に
26000ドルを回復しているのだがら、値幅的にも時間的にも強気相場も
成熟期を迎えているのは明かだ。

現在の米国経済および株価の一人勝ちの象徴的存在こそが
FANGやGAFAと言われるグーグル、アップル、フェースブック、アマゾンに
代表されるIT株の高騰だ。

すでにアップルやアマゾンなどの株価は足元の実現利益が少ないものの
時価総額は1兆ドルに達している。

かかる将来性を高評価する価格が適正なのかどうかについては
議論が分かれるところだが、目下のIT企業に支えられた米国株価が
行き過ぎていると言う懸念は否定できないのである。



今回の株価下落についてトランプ大統領は「FRBは狂っている」
とFRBの金利引き上げを批判したが、中央銀行の独立性にお構いなしだ。

こういった見境のない発言はすでに1か月を切った中間選挙を前に
さらに激化することになるのだろう。

それでは中間選挙を経た後の米国はどうなるかと言えば
2020大統領選に向けて荒唐無稽と思われた「自国第一主義」の
公約実現に向けて突き進むだろう。

この国際協調を軽視する政策は常識人には目を覆うものであるとしても
岩盤とも言われる熱狂的支持者が40%いるだけに大統領2期目の
可能性が高まる。

「内憂外患」に直面する米国経済および米国株価は視界不良だ。


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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