根拠なき熱狂

「根拠なき熱狂」とは1996年にFRB議長の
グリーンスパン氏が当時の株価上昇を見て述べた。

現在もまた同様に実体経済を伴わない形で、債券バブルが生じ
同時に米国株価は26千ドルの史上最高値を更新中。

そのけん引役はITで、アップルとアルファベットのどちらが
先に時価総額で1兆ドルを突破するかが注目される。

さらにアマゾン、フェイスブックも7千億ドル前後で
バークシャーが5千億ドルと続く。

つまり景況感が良いとはいえ、ITはすでに買われ過ぎでは
ないのかと首を傾げてしまう。



この好況を見てトランプ大統領も一般教書演説において
株価・経済の実情を自らの実績として吹聴した。

1兆ドルものインフラ投資をぶちあげたことが影響
したのは確かではあるのだが・・・

無用な通商トラブルを起こす発言よりは平和的な演説で何よりだったが、
それでは株価が暴落した時には赤っ恥をかくことになるだろう。



世界同時株高について、上昇はまだまだこれからと言う意見が
多いが、すでに高すぎるとの印象は否めない。

実際3日にイエレン議長が退任することから米国の
金融政策に変化は避けられない。

そして長期金利は短期金利の上昇と米政府の国債乱発懸念に
2.8%に接近するなど、金利上昇の影響懸念が拡大している。

果たして米国の好況感はいつまで持続するのか。

ITの獅子奮迅で株価はいつまで続騰するのか、
そろそろ剣が峰に達しているように思えるのだが。


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炎と怒り

米政権の暴露本「Fire and Fury」が政権の差し止め請求を見越して
予定を早めて発売された。

早速全米の書店で人々が殺到して売り切れ続出となっているが
今後世界中で翻訳本を含めて売り出されるに違いなく
一体どれくらい売れることやら。

世界ではハリーポッターが7作品で4億部。2002年の印税は
200億円)に迫るとも言われる。


従って類推すると1千万部どころか5千万部クラスに
なるのかも知れない。

さすれば著者であるジャーナリストは一体どれくらい印税を稼ぐの
だろうか、100億円か200億円か?



ともかく漏れ伝わるところでは親密関係にあったバノン前首席戦略官が
大統領と家族およびスタッフをこき下ろしているところが味噌のようだ。

トランプはただ有名になりたくて立候補し、当選の可能性が高まって
青くなり頭を抱えた。

またメラニア夫人も泣き出したが、もちろん喜びの涙では
ないのは言うまでもない。

また大統領になりたがっているイヴァンカとロシアゲート疑惑の張本人の
クシュナーのことも同様にこき下ろしている。

さらにプリーバス補佐官やスピークス元報道官などスタッフもバカや
チビなどと言いたい放題で、やや信ぴょう性に欠ける点は拭えない。

しかし200人以上に取材して執筆されているだけに、多少の間違いや
誇張はあるとしても大筋は正しいとの見方がもっぱらだ。



このように現在のホワイトハウスの実体はとんでもなく、その主人は
ことあるごとにリトルロケットマンと金正恩を矮小化しているが、
核のボタンの大きさを競う姿は幼稚で似たもの同士と言えなくもない。

ということで政権中枢はお寒い状況であることは明らかで、ロシアゲート疑惑の
審判が下れば、政権はさらなる苦難に遭遇することになるだろう。

つまり森羅万象が相場に影響を与える以上、この暴露本は為替市場での
「ドル安」を暗示し、さらに助長する可能性がありそうだ。

政権の脆弱性に起因するトランプリスクは2018年の大きなリスクであることを
新年早々強く思い知らされた。


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トランプ父娘

イバンカ・トランプ氏が2泊3日の弾丸旅行で来日した。

日本のメデイアの過剰な報道ぶりに海外メデイアは驚いているが
確かにダイアナ妃来日を思わせるほどに過剰だった。

そのファッションは公私混同批判を避けて「IVANKA TRUMP」ではなく、
大方は30万円程度の「miu miiu」や「ZARA」だと詳細に報道されていた。

また赤坂の料亭や星のや東京の和風フレンチで会食した様子が
微に入り細を穿った。

とはいえトランプ政権の大統領補佐官の首がどんどん
すげ代わる中で不動の片腕であるイバンカ氏なればこそ。

したがってお土産としての57憶円に上るイバンカ基金への
寄付も安いと言ったところかも知れない。



そしてトランプ大統領がこれから2泊3日東京に滞在する。

韓国では、同国には1泊2日しか滞在しないことやイバンカ氏が当初予定された
訪韓を直前に取りやめたことなどから対日重視をやっかんでいるとか。

外交が究極の神経戦だとすれば、日本としても米中が頭越しに
アジアの外交を進める可能性が高まっているだけに、おもてなし作戦も
それなりの意味があると言うことだ。

実際45年前のニクソン電撃訪中は日本はじめ周辺国を驚かせた。

この立案者であるキッシンジャー氏は今もトランプ外交に影響を与え
また中国首脳からの信頼も厚く米中の橋渡し役を担っている。

日中関係が停滞している現状、30年にわたるジャパンパッシングの
流れはもはや止められないと言えるだろう。



目下日本が直面する対米外交の課題と言えば、北朝鮮問題に対して
軍事的支援を確保することそして通商政策において米国の強硬路線を
和らげることにあるだろう。

米国は、トランプ大統領が誕生して以来貿易赤字こそ米国の損失とまるで
重商主義に逆戻りしたような政策を行っている。

お陰で米国企業は輸入制限が行われるのではないかと懸念して
前倒し的な輸入を増加させており、米国の貿易赤字(今年1~7月)は
縮小するどころか逆に拡大している。

実際米国の通商政策はライトハイザーUSTR代表やピーターナバロ補佐官など
国内派が主導して強硬路線にどんどん傾斜している。

果たして貿易黒字大国の日本は、安全保障と通商をデイ―ルしようとする
トランプ大統領の要求をおもてなし作戦で緩和することができるのだろうか。


FRB議長人事

8月末のジャクソンホールでの経済シンポジウムにおいてドラギECB総裁とイエレンFRB議長の発言が注目された。

しかし今後の金融の舵取りについて特段の示唆はなかったことに
市場はがっかりした。

一方で二人ともトランプ大統領への批判をにじませた点が特筆される。

ドラギ総裁は米国第一主義を掲げて保護主義に傾斜する大統領に懸念を示し
国際機関の強化と自由貿易の意義を訴えた。

またイエレン議長はトランプ大統領がオバマ大統領が進めた
金融規制に反対を唱えていることに懸念を示した。

実際米国の金融制度は20世紀後半から金融規制緩和を進めたせいで、
投資家の強欲をあおることになりリーマンショックにつながった。

従ってこの10年はその反省にたって金融改革法を成立させて、
より規制を強めてきた。
その過程でイエレン氏はボルカールール策定に副議長として中心的役割を果たした。

つまり金融規制に関しては反対するトランプ大統領と推進する
イエレン氏は水と油と言っても良い関係なのだ。



もともとトランプ大統領は低金利が大好きと言われるが、
イエレン氏への批判を頻繁に繰り返してきた。

しかし選挙戦途中からバーナンキ前FRB議長の緩和策を支えた
イエレン氏を持ち上げはじめ今や「尊敬する」とまで言う。

来年2月のFRB議長の任期到来を前にして10月ごろには大統領が
次期候補者を指名するが、ここにきてイエレン氏続投の可能性が急浮上している。



FRB議長人事については、8月までその本命にあげられていたのが、政権内で
経済問題全般を仕切り、大統領の全幅の信頼を得ていたゲイリー・コーン
国家経済会議(NEC)委員長。

若いころはゴールドマンの商品子会社の穀物トレーダーだったとかで
トレーダーがFRB議長になるなんて、と金融世界の常識が覆ると見られていたのだ。

しかしユダヤ人であり大統領の人種問題への偏見に強く異を唱えたことから、
大統領と決定的に対立しもはやFRB議長の芽は無くなった模様。

その他の候補と言えばテーラー・ルールを考案したことで有名な
ジョン・テイラースタンフォード大教授。

ただこの人の提唱するルールはインフレやGDPと言った経済変数にしたがって
政策金利が計算・決定されることになり、大幅利上げは避けられない。

つまりテーラー氏はタカ派ということで、政権としても
ウオール街にとっても都合が悪い人事ということになる。

あれやこれや考えると結局イエレン氏の再任で落ち着くように見える。

過日はイバンカ氏がイエレン氏と朝食をともにしたり、ムニューシン財務長官が
候補者リストを大統領に渡したと伝えられるなど政権内の動きは激しくなるばかり。

果たしてトランプ大統領の決断は?






米国の混乱

古くて新しい問題である人種問題がクローズアップされている。

人種差別反対を唱える人々を「オルト・レフト」(極左主義者)と呼び
白人至上主義者を擁護するトランプ大統領。

続いてジョージ・ワシントンもまた奴隷主だったとして
自らの姿勢を正当化しようとしている。

一方でマンデラ元南ア大統領の人種差別反対の言葉を引用したブログを書いたオバマ元大統領には700万もの「いいね」が殺到したとか。

いよいよアメリカ社会は分断の危機に直面することになったと
米国の知識人は警戒警報を鳴らすのだが果たしてどうなるのか。



それにしてもトランプ大統領のツイートはあいかわらず激しい。

金正恩との威嚇と挑発の応酬がようやく一段落したかと思えば、
今度は国内問題で国民を混乱に陥れている。

先日就任したばかりのケリー首席補佐官は、今後ホワイトハウスの秩序を
取り戻すために権限を自らに集中し、そしてトランプ大統領のツイートも
管理すると言ったが早々とあきらめ顔だ。

そしてホワイトハウス内の混乱は止まるところを知らず、オルトライトの
バノン上級顧問と元将軍のマクマスター補佐官との安全保障についての対立は激化。

さらに国家経済会議委員長で経済問題のトップとして政権を牽引する
ユダヤ人のコーン氏が人種差別に反対し辞任も現実味を帯びている。

さらに民間企業のトップで構成される大統領への2つの助言機関は
辞表をたたきつけるCEOが続出して、大統領が解散を命じるなど
経済界との関係も混乱を来している。



今や米国大統領そして米国政治の権威は失墜するところとなっている。

ロシアゲートも捜査が少しづつ核心に迫りつつあるようで
いよいよトランプ政権は破綻への道を進みつつあるように見える。

とはいえ大統領を罷免することなどほとんど不可能とすれば
米国は次回の大統領選までの3年余り混迷状態を深めることになるだろう。

金融市場はそろそろ夏の休暇から戻る季節になったが、
ぐらつく米国政治を見て不安定化するのではないか。

これまで経済も政治も決して良い状態ではないのになぜか史上最高値を推移する
米国株式市場と高値圏にある米ドルの大幅安が予感されるのだが。

秋は波乱が付き物なのだが、
いつも通りの杞憂に終わるのだろうか?


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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