FC2ブログ

中央アジアの草原は今

10年前のこの季節、中央アジア諸国へ出掛ける予定をしていた。
ODA(政府開発援助)プログラムの金融技術支援が目的。

計画ではカザフスタンの首都アスタナそして天山山脈の麓に
位置する旧都アルマトイを訪れることになっていた。

勿論東京からの直行便はなく、フランクフルト経由でさらに
6時間と極めて遠い国だった。

しかし9.11米同時テロが発生し中止となった。
今もって残念である。



かつてこの地はパミール高原や天山山脈から流れ出す
アムダリア川、シルダリア川の恩恵を受けた豊穣な土地だった。


アレキサンダー大王が通り、ティムール帝国が興った
由緒ある土地であり、ペルシャ系やトルコ系民族が住む。


20世紀に入りスターリンが独や朝鮮から入植を進めた。
今でも独・朝人に酷似した人々を見かける、と言う。

またウズベキスタンのタシケントには仁川からの直行便が飛ぶ。
この様に中央アジアは現在も独・朝との繋がりが深いようである。


このカザフステップには、かつて世界4位の湖と言われたアラル海がある。
ソ連は綿花の大規模栽培のため河川より大量取水を行った。
その結果、今や2割以下の面積へ縮小したと推測される。

アラル海縮小に伴う砂漠化で、周辺では呼吸器障害などの病気が多発。
20世紀最大の環境汚染地域と呼ばれるようになってしまった。



ソ連邦が崩壊して20年。中央アジア5ヵ国は当初こそ一体感があったが
徐々に国家エゴが表面化し、水資源問題で激しく衝突している。


下流にあるウズベキスタンは農業用に利用したい。

一方、上流にあるタジキスタンは、ダムを造り、
パキスタンやアフガニスタンに売電する計画を持つ。

この様に上下流域国において思惑が異なるのは
どの時代も共通する問題である。



チベット高原・パミール高原・天山山脈など
中国西南部は10の国際河川の水源地である。

問題は2つ。

1つは地球温暖化の影響により氷河が消失し
長期的には旱魃の危機が高まること。

2つ目は上流に位置する中国と下流の国々との紛争が
激化しつつあること。


インダス、ガンジス、メコン川流域では緊張が高まる。
ダムを開発し、エネルギーとして利用したい中国。
一方インド、インドシナ各国は農業に利用したい。


水紛争の解決は国連の調停に期待したい。



 
プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR