常念岳

どくとるマンボウこと北杜夫氏が亡くなった。

「楡家の人々」など文学作品は長く、重厚だ。

一方、ご本人が躁鬱病だったと自称するだけに、
エッセイは軽く、明るく、楽しさに溢れていた。


特に「どくとるマンボウ青春期」の単行本。

近景に満開の桜を、遠景に雪の常念岳を配した
一葉の写真で装丁され、気に入った一冊だった。


同氏は旧制松本高校で学ぶ。
その校舎は現在も、「あがたの森公園」に建つ。




松本市は知人がこの地に住んでいたこともあり
春夏秋冬、時に車で時に汽車でと、ルートを変えてはよく訪ねた。

中央線に乗れば、特急「あずさ」で2時間40分。
駅には「新宿まで2時間の実現を!」と垂れ幕が。

駅に降り立つと、空気の冷たさを感じる。
夏は良いが、冬は手足がかじかむ。

寒さの割には雪が少ない、と言われるが
冬の気温はマイナス15度、中途半端な寒さではない。



松本市は教育都市であり、山岳都市との位置づけである。
日本で一番古いと言われる小学校、開智学校がある。

また県庁所在地でないにも拘らず、国立大学があるのは、弘前市とここだけ。
また両市には、共に街の中心に名城が建つ。


サイトウキネン・フェスティバルが毎夏開かれるようになったのは
山と音楽の街・ザルツブルグをイメージしたのだろう。

山岳都市としての自負は、グリンデルワルドやカトマンズと
姉妹都市となっていることでも見て取れる。

市内の至るところから、市民が最も愛する山
常念岳(標高2857米)が眺められる。

松本市の西には3000米級の北アルプスの山脈(やまなみ)が連なる。
東側の美ヶ原高原から眺める、松本市と槍・穂高・常念の姿は秀逸である。



11月に入ると上高地など各所から閉山の便りが届く。
一段と冷え込んでくるが、お蔭で空気が澄み、北アの景色の楽しみは倍加する。

駅前には桜肉の有名店がある。
また飛騨鰤も手に入る。

これは古来、富山・氷見の鰤が高山を経由し当地に
届いたという謂れのある一品。かつては、とんでもなく塩辛かっただろう。


地元のワイナリーで作られた赤ワインか、諏訪の地酒「真澄
もしくは木曽の銘酒「七笑」と共に愉しむには最適のシーズンとなった。



PS.

山辺ワイナリー

美ヶ原高原の麓に建つワイナリー。
市内から15分の距離だが、ワインとランチに加え
北アルプスの絶景が楽しめる。お勧めのスポット。





プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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