企業統治

企業は誰のものか?
株主、経営者、従業員、はたまた創業家?

この問いかけこそ、企業統治の本質である。

2001年エンロン事件は、全米の大企業による粉飾決算の挙句の破綻。
監査法人・アーサー・アンダーセンも実質的に加担していた。

あれから10年。
企業の効率的運営と不正防止の2つを目的とした「企業統治」が
一段と意識されて来た、はずだったが。

今回、大王製糸、オリンパスと、企業統治のあり方について
あらためて考えさせられる事件が発生した。

①大王製糸

 創業家出身の三代目が会社から107億円を借り入れ、
 60億円の返済が滞っている。

 経営陣は特別背任容疑で刑事告訴する見込み。

 子会社を含め同社の社長以下役員たちは、創業者に対し
 「絶対的に服従する企業風土」があったと言い訳している。

 監査人・トーマツも知っていたと言うが。東京地検特捜部頼みとなった。



②オリンパス

 3年前の英国子会社の買収にあたり、総額500億円以上(6.8億ドル)の
 助言手数料を支払っていた。
 
 買収金額の30%に当たり、通常の10倍程度。
 KPMG-あずさが、その時点で監査人から降りている。
 どうやら違法性を認識していたようだ。

 
 ただ、会社側は監査人のErnst&Youngー新日本への移行も
 高額の手数料も通常の手続きに則ったものだった、と主張する。

 今後、FBIなどの捜査が入るようだ。


二つの事件を通じ、創業家や経営陣による、企業の私物化、不正そして
前近代的な企業経営が見えてくる。

企業統治に当たっては、取締役会、監査人の
役割が大きいのは言うまでもない。

しかし、企業は所詮、人が運営するもの。

その人間に倫理性や社会性が欠如していれば、
いかなる企業統治システムも機能しなくなる。

最後の手段としては司法当局の登場を願うしかなくなる。

これらの事件の続発から分かることは、
日本の資本市場もまだまだ未成熟と言う事か。

と言っても海外でも「マードック帝国」が
後継者問題で物議を醸す。

「企業統治」に絡む問題は、人間のいる所、経済活動があるところ
決してなくなる事はなさそうだ。



PS.

「マードック帝国」

 今夏、英子会社による盗聴事件が明るみに出た。

 更に、後継問題。
 創業者ルパート・マードック氏は世襲への執念を燃やす。

 今回の株主総会で、一般株主が2人の息子の取締役再任に反対した。

 マードック氏は自分の持つ40%の議決権に加え、サウジアラビアの
 アルワリード皇太子の所有する7%に頼り、辛くも乗り切った。

 世界的なメディア企業が一族の利益の為に、外国の王子
 に依存する異常な姿は、株主のみならず世の中を驚かせた。





 



スポンサーサイト
プロフィール

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR