鮨外交

オバマ大統領の「すきやばし次郎」を皮切りにした、
韓国、マレーシア、フィリピンへの歴訪は終了した。

向かいの焼き鳥屋のオヤジが鮨屋店員から得た情報
によると、「大統領は僅か10貫で箸を置いた」ようだ。

おしゃべりな店員は多分叱られていると想像されるが、
果たして大統領は、おまかせコース3万円からと言われる
この店を気に入ったのだろうか?

また当初予定の4人ならともかく、6人だとカウンター
よりテーブル席の店が良かったのではないだろうか?

ともかく議会の圧力そして東アジアの緊張が高まる中で、
一週間に渡った「鮨外交」の評価には今少し時間がかかる。



日米においては甘利・フロマンUSTR代表との
マラソン交渉にも拘わらずTPPは決着に至らなかった。

日本側の豚肉はじめ農業分野のあまりの保護意識の高さと
米国議会における自動車産業の安全・環境の規制緩和を求める
声の強さが調整の余地を狭めた。

実際、日本における自動車の輸入車(年間32万台)のうち
8割は欧州車が占め、米国車は1割にも満たない。

11月に中間選挙を控えた米国で自動車業界からの
強いプレッシャーを無視できないということだろう。



世界は対外的にはグローバリゼーションによる相互依存関係の深化、
対内的にはナショナリズムとポピュリズムが進化している。

このように反対方向のベクトルが強まる不安定の中で、
「リバランス」を掲げ中東からアジアへと軸足を移しつつ
内向き化する米国外交が国際秩序を揺らせている事は否めない。

ウクライナにおけるロシアの行動に刺激を受けた中国が
周辺国への進出に力を入れる可能性が高い。

かかる状況下、集団的自衛権の行使、尖閣の取り扱いなど
日米同盟の強化は、中国の地政学的野心への対応として
その必要性は言うまでもないだろう。

とはいえ、日本の安全保障が情緒的かつ近視眼的に
反中、嫌韓路線を押し進めることが果たして良いのか。

距離も歴史も近くまた多元化しつつある中国社会に
日本が食い込む戦略を練ることもまた重要ではないだろうか。



.
スポンサーサイト
プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR