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林冠経済

野鳥の声に起こされた。

アカゲラ、ルリビタキなどを探しながらの早朝散歩など
年に一度あるかないかの快事だ。



森を歩きながらチャールズ・ファーガソンが著書
「強欲の帝国」で語る「林冠経済」について考えた。

「林冠」とは森の天辺部分の植物相そして動物相であり、
太陽光を受けて枝葉が繁茂する光の部分だ。

一方でその枝葉は光が下の層に届くのを妨ぐこととなり
光と影の差は一段と大きくなる。

このような「林冠の生態系」は米国社会にも通じる。

最上層にいる一握りの超エリートは富を独占し、中間層そして
貧困層とのつながりを失う「林冠経済」を形成している。

実際上位10%の人が所得の50%を、なかでも
上位1%の人は所得の20%を占有している。

因みに、林冠に属することが出来るのは、コンピューター・サイエンス
を修得するかMBA取得する者を除けば富裕層もしくは
それに準じる階層に属した子弟に限定される。



米国における金融危機は富を独占する一部の人々の
「強欲さ」(GREED)により発生したものであると本著は主張する。

1980年代から米国の平等社会は変質し、金融界、政界、
学界が一丸となって利益と高報酬を追求する社会となった。

その結果、機会の平等は失われて社会は階級化し、
今やアメリカンドリームなど夢となった。

金融危機が去って6年、米国の抱える問題は是正されたか?

残念ながら依然CEO、銀行家の高報酬が常態化している点や
格差の存在など本質は不変である。

林冠が栄えれば栄えるほど森の生態系は崩れて行く。
まさに米国経済の将来を暗示していると言えよう。



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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