AEC

ASEAN(東南アジア諸国連合)が経済、社会、文化などの
地域協力を図る目的で発足して間もなく50年。

現在加盟国は10か国で、人口は6億人に達する。

そして2015年12月31日にASEAN経済共同体(AEC)を発足させ、
ASEAN加盟国のヒト・モノ・カネの移動の自由化を一段と進める。

つまりヒトの移動に関しては短期ビザが不要になり熟練労働者の移動
そして関税の引き下げにより貿易・投資など経済の統一化が進むこととなる。



この動機の背景には、80年代にASEANは東西冷戦終結を
機に「反共主義」の看板をおろし、新たな求心力として関税削減による
外資誘致を掲げたことがある。

さらに90年代に中国そしてインドの台頭が進む中で埋没感への
危機意識が強まり、規模のメリットを目指して「市場統合」を
推進させる機運が盛り上がった。

しかし統合への機運の盛り上がりはいまひとつ欠ける。

経済共同体といえば先行する欧州(人口5億人)では域内における貿易取引が
多く関税、非関税障壁撤廃の自国経済への好影響が期待された。

しかしAECにおいては、それぞれの国は域内取引よりも、米国など域外との
輸出取引が主流で、それぞれが競争関係にあることが大きな違いだ。

さらにAECには加盟国を縛る法的な枠組みが存在しないことが
根本的に違うところと言えよう。



08年のリーマンショック以降、緩和マネーがこの地域に
流れ込んだことからこれまで牽引力となってきた危機感が薄れている。

またAECのスタートにより後発4ヵ国(ラオス、カンボジア、ミャンマー、ベトナム)では
先進6か国(シンガポール、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ)により
国内市場が席巻されるのではないかとの恐れも高まり停滞感に拍車をかけている。

実際域内関税の撤廃こそ進んでいるが、非関税障壁の撤廃や
ヒトの移動の点において、かなり遅れが目だっている。

さらに共通通貨については進展は全くない。

これまでもドル札が流通するなど米ドルが主流となっていたが
メコン川流域では人民元も出回っている。

今後軍事面に止まらず、経済特に流通する通貨の点でも
この地域における米中の争いが激化することになるだろう。




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プロフィール

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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