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英国の教訓2

ブレクジット(Britain+Exit)が決定した英国では、国民に後悔と未練が
募るなかで、やり直しの国民投票を求める請願が400万人に達した。

さらにブリグレット(Britain+Regret)などの造語も広まっているが、
覆水盆に帰らずとはまさにこの事か。

党内離脱派の抵抗をこらえ切れず、苦し紛れで国民投票を仕掛けた
キャメロン首相は最悪手を切った首相として歴史に名を留めるに違いないと言われる。

実際首相に与えられた決定権を手放して衆愚政治に国の運命を
委ねる、つまり政治エリートによる理性ではなく大衆の感情に
委ねてしまう愚を犯した。

国民投票は直接民主主義の究極の姿に見えるものの、これはヒトラーが
愛用した手法で、民主主義を装いつつ国民を誘導するもので、
お陰で総統になりオーストラリアの併合を国民の総意とした。



これからの英国は「独立」ではなく、「孤立」の道を歩む
ことになるのだろう。

大英帝国の昔はいざ知らず過去50年の英国は
「ウィンブルドン現象」と言われるように国を開いて成功してきた。

実際外資金融をシティに誘致し、シングルパスポート制度により
外資金融はロンドンに拠点を置き大陸に枝葉を広げてきた。

お陰でロンドン市場の国際化が進み、外国為替取引は
ニューヨークを大きく引き離して世界一となっている。

しかしこれから先は金融センターもパリやフランクフルトなどへ
のシフトが進むことになりロンドンは斜陽の一途を辿るだろう。



もはやキャメロンはさじを投げ、難しい離脱交渉は
次の首相に委ねると言明している。

次期首相は9月上旬に保守党党員の選挙で選ばれるが、
現状国会の77%は残留派であることから簡単に離脱派の
リーダー格のボリス・ジョンソンが選ばれると言うわけでもないようだ。

つまり誰が首相となっても離脱交渉に向けて議会での意見一致は見込み難く、
このままでは総選挙において再び民意を問うことになる可能性が高いとされる。

かといって今回の国民投票の結果が無視されるはずもなく
英国の政治と社会は混乱を来すことになるだろう。

この英国の混乱が欧州や米国に飛び火することが懸念されているが、
英国がポピュリズムにより奈落に落ちるのを見てスペインの総選挙では安定が
優先されて中道が勝ち、また米国ではトランプ人気が落ちているとか。

案外国際社会は冷静かもしれず、そうであるなら金融市場も
リーマンショックのように半年間も底値を模索して下落を続ける
ことはないかも知れない。



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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