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中欧への誘い

ジャーナリストでノンフィクション作家の
塚本哲也氏が87歳で死去された。

この人は毎日新聞のウイーン、プラハそしてボンの支局長を経て、
東洋英和の教授・学長へと転進した。

その名前を知ったのは数十年も昔でがんセンターの
塚本憲補氏の「私の履歴書」の中において。

ウィーン留学の縁で結婚した長女の夫にあたり、特派員で
また中欧の専門家と紹介されていたのだ。



実は毎日新聞はほとんど読んだことがなくてその人のことは忘れていたが、
92年の著作「エリザベート ハプスブルク家最後の皇女」がベストセラーと
なって再びその名前を目にすることになった。

その後「マリー・ルイーゼ  ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ」
そして「メッテルニヒ 危機と混迷を乗り切った保守政治家」。

これらハプスブルク三部作を刊行し、お陰で中欧世界へと誘ってもらい
わくわくとした気分を味わうことができた。

英米に目が向きがちな現代人から見れば、中欧に腰をすえて様々なことを
見分できる新聞社の仕事はとなりの芝生のように感じたものだ。

そしてその後は女子大生を相手にしつつ好きな研究生活を続ける
境遇は、まさに筆者の目標とするライフスタイルそのものだった。

(当然そんな生活が凡人にかなうわけもなかったが。)



しかし73歳で脳溢血に倒れ、以来リハビリ生活を続けてこられた。

遺作「メッテルニヒ」を書いた5年程前は、あとがきによれば病床に
伏しながら左手指一本でパソコンキーをたたきながら完成させたとのこと。

さらにこの時いつも最初の読者であったピアニストの
ルリ子夫人を失って失意の中だったと吐露されていた。

いつかこの人の労作を読み返す時が来るのを楽しみにしておこう。



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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