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素粒子

素粒子とは物理学に言う物質の最小単位とされているが、
小説「素粒子」はフランスのミシェル・バルベックの作品だ。

これまでフランス文学ゼミではスタンダール、ゾラ、プルーストなど
100から200年前の昔に書かれたものばかり。

やはり1950年代ごろに仏文学を研究した人が選ぶ
課題作品はこのようになるのかも知れないがさすがに
古いような気がしないでもない。

日本文学でいえはさしずめ西鶴、漱石そして鴎外などと言うところで
少し現代物も読みたくなっていたところだ。



そういった意味で今回の「素粒子」は1950年代に生まれた
文学者くずれの兄と分子生物学者の弟の異母兄弟の話でもあり
興味が湧いたのだが。

物語は40歳を迎え「老と死」を考えるに至ったふたりが青年時代
から今日にかけての「愛と性」を振り返る話だ。

彼らが青年時代を過ごした60~70年代は、プレスリーやモンローなどに
代表される米国の文化に席巻された時代で、その波は日本にも及んで
いただけに洋の東西を問わず若者の実体はよく理解できるところ。

しかし兄ブリュノの性的放浪についての描写は余りにも生生しく、
学校で味わう絶望、官能に溺れる姿は読むのも息苦しい。

ヒッピーやヌーデイストクラブまではついて行けたが、それから先の
秘密クラブなどの実態はとても読むに堪えず不快感が残った。



確かにこの作品は1998年に出版されて話題となり
ゴンクール賞にもノミネートされたようである。

その意味では名作なのかも知れないが、それにしてもなぜこういう
難しい作品ばかりを読ませるのか。

文学研究とは難しく人生を考えるべきものなのか?

もっと短くて、楽しくて、ユーモアあふれるような作品を読みたい。

と言うことでもっか口直しにサガンの「ブラームスはお好き」を読んでいる。

39歳の女性と24歳の青年の恋の行方にはらはらしているところだ。



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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