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合意なき離脱

3月1日の協議期限まで1週間と迫った米中交渉は
いよいよ最終局面に入った。

「国家主席の特使」の肩書で劉鶴副首相が、さらに
易鋼人民銀行総裁も加わってワシントンで閣僚会議が続いている。

知的財産権侵害や技術移転の強要など構造問題についての
覚書の作成が行われる一方で人民元についての詰めも進んでいる見込み。

現在決裂の可能性は乏しいものの期限内合意も難しそうで
60日間の交渉延長となりそうだが、すでに世界の金融市場は
期待が先行して株価は上昇中だ。



一方離脱期限の3月29日まで1か月となった英国では
混乱状態収束の見込みは立たない。

メイ首相はアイルランドとの国境問題についてバックストップ条項の
修正をEUに求めているが、EU側がこれに応じる可能性は乏しい。

つまり国境管理は甘くするが英国は関税同盟にとどまることになり、
完全な離脱にならず離脱派の納得を得るのは難しい。

今後EU首脳における承認手続きも考慮すれば3月中旬あたりまでに
合意する必要がありそうでいよいよ合意なき離脱になるのか。

英国内を見渡せば、保守党の強硬離脱派がメイ首相にNOを突き付け、
また国民投票を目指す議員たちが保守・労働両党から続々と離党
するなど百家争鳴だ。



英国は欧州の地域統合を渋る歴史を辿り、またユーロ参加に
ついても見送り英ポンドを存続させてきた。

その背景はやはり大英帝国として輝いた時代への
郷愁や誇りの故だろうか。

とはいえシティと言えば金融とくに為替市場についてはNYを
上回ってきたが今後その地位の下落は強まることになるだろう。

実際決済通貨として米ドルは6割、ユーロ2割と言われる中で
英ポンドはせいぜい5%程度に過ぎない。

つまりブレクジットは金融市場に一時的なショックを与えるかもしれないが、
その影響は限定的となるだろう。

米中協議の動向が注視される中で、老大国そして議会制民主政の
お手本の国の衰える姿は印象的と言わざるをえない。



プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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