シムズ理論

アベノミクスが誕生し、さらに黒田日銀総裁が
量的緩和策で後押しを始めて4年が経過した。

2%を目標に掲げたインフレ率が依然マイナス近辺を低迷しているように、
もはや金融政策の限界は明らかだ。

実際マイナス金利が導入されて1年が経ったが、その効果が見えない一方で、
金融機関は逆ザヤに苦しみ、また預金者の負担が大きい。

結局黒田バズーカは国内経済の活性化につながらず
通貨安による株高を狙ったものでしかなかったことは明白で、
トランプ政権に非難されるのも無理からぬところである。



もはやアベノミクスという社会実験は終わっており、
来年4月に迫った黒田総裁の後任問題が語られる。

もちろん続投もありうるが候補者には、森信親金融庁長官や
本田悦郎スイス大使(前内閣参与)の名前が上がる。

誰がなるにしても引き続きアベノミクスを金融面からサポートするのだろう。

しかしアベノミクスの理論的支柱であった浜田内閣官房参与は
すでに自分の理論の破綻を吐露した。

同時にノーベル経済学賞の受賞者クリストファー・シムズ氏が提唱する
シムズ理論つまり「物価水準の財政理論」(FTPL)という経済理論に
目から鱗が落ちた語っているのだ。

このFTPL理論は動学マクロ経済学の難解な理論で、
筆者は当然としても理解している人はほとんどいないのが現実のようだ。



とはいえシムズ理論は、金融政策では出来なかったインフレ率を、
財政政策の出動により引き上げることができると言う。

つまり日本経済に当てはめれば「消費税の増税を延期せよ」ということになり、
霞が関のエコノミストが飛びついたのもうなずけるところだ。

つまり「インフレを起こして政府債務を踏み倒す」というインフレ税と
同様のものであり、国民の負担で財政赤字の帳消しを図ろうという
政府に都合の良い理論なのだ。

換言すれば、政府が財政再建を
放棄することがその出発点になる。

とするとGDPの250%もの財政赤字を有する日本はデフォルトへ
一直線となるが、
同時にハイパーインフレのリスクも強まる。

FTPL理論の有効性は分からないが、消費税増税を回避する方便に
この理論が都合よく使われそうな状況にあると言うことだけは確かなようだ。



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プロフィール

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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