黄落

9月下旬に届いた大雪山・旭岳からの紅葉の便りも徐々に
山裾にそして南下して今や都内でも黄落が進む。

これから枯葉そして枯れ野の季節がやって来て、
やがて春の訪れを静かに待つ日々が始まる。

その季節が暗くつらいとしても冬は春の訪れの助走期間であり、
その季節があるからこそやがて到来する花の季節の感動を高める。

このような春夏秋冬は青春、朱夏、白秋、さらに玄冬と人生にたとえられるが
人生が季節と決定的に違うのは再び春が巡って来ないことだ。

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池内紀(おさむ)はカフカを研究するドイツ文学者で、55歳で東大を
退官して以来の20年エッセイを書いたり翻訳したりと洒脱に生きている。

そして近頃自らの生き方の観察手帳としてまとめたのが
「すごいトシヨリBOOK」。

何気なく手に取ったら文章がうまいせいかとても気楽に読み進んで
いつのまにやら老後生活のノウハウを伝授されたような錯覚に陥った。

この生き方ブックはお金のことは個人の問題であるとしてスルーして
長い下り坂の時間をどのように生きるかを記したもの。

長い老後を楽しく生きなければ人生つまらないとして、
趣味など挑戦的、積極的な生き方を提示している。

因みに全10章の見出しは次の通りだ。

「老いに向き合う」「老いの特性」「老化早見表」「老いとお金」「老いと病」
「自立のすすめ」「老いの楽しみ」「日常を再生する」「老いの旅」「老いと病と死」。



年を取ることに否定的なイメージが付きまとうが、春が来ない冬に
向かう以上どうしても心持ちが暗くなるのはしかたがない。

とすれば本書の副題に「トシをとると楽しみがふえる」と明示されているように
やはり趣味を増やすことがポイントなのかも知れない。

この人が興味を持ったものとして挙げているのは旅、ホテル巡り、
デッサン、将棋、歌舞伎、ギター、ワイン、おしゃれ、小説の再読など。

大方のものは数年もしたら飽きるのだから極力興味の範囲を
広げた方が良いと説く。

上述されるジャンルについては無趣味の筆者も少なからず興味も
あるだけに、興味から趣味へとランクアップさせるのも悪くはないか。

ともかく人生100年の時代、楽しく老いの旅をしなければ損だと
人生の先輩が教えてくれている。




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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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