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天子蒙塵4

浅田次郎の清朝を題材にした一連の小説全13巻を読了した。

1997年の「蒼穹の昴」からすでに20年を経過し、物語も
愛新覚羅家の始祖ヌルハチから300年下った12代溥儀に至った。

この小説をどのように終わらせるのかと思っていたが、清朝最後の
皇帝溥儀が満州国の皇帝として再度登極するところで完結した。

関東軍の傀儡として溥儀が満州国を追放され落魄の極みに
達することなく終了したことに多少は救われたのだ。



それにしても溥儀の凶相はこれまで再三各所で指摘されてきた。

300年前に荒野を駆け巡った女真族の貴種である愛新覚羅家の
勇猛な血筋も病み衰えたのは歴史の必然でもあり、溥儀の凶相は
まさにその象徴か。

始祖ヌルハチ以降愛新覚羅家は長城を超えて清朝を起こし
賢帝を輩出した。

しかし200年ほど下ったころから血が衰えついに西太后が
登場し曽国藩や李鴻章が国を支えることになったのだが。

この小説の登場人物は康熙帝、乾隆帝という歴史上の
人物はじめ千人を大きく超えたろう。

その中でも終始一貫して登場したのが宦官・李春雲と科挙をトップで
合格(=状元)した梁文秀、つまり清朝の裏と表を支えた創作上の二人だ。

小説の最後に年老いたこの二人を登場させたのもさすが
浅田次郎の構想力ということだろうか。



とはいえこの20年におよぶ執筆は大作家にとっても長すぎたか、
テーマが大きすぎたか。

後半戦は小説の質としてその劣化は拭えないように見えた。

やはり小説家も60歳を過ぎると筆力が落ちると言われるが、
浅田次郎もその例外ではなかったということか。

ともかく小説としても面白かったし中国の近現代史について
理解を深めることのできる作品だった。

良い作品に出合え読書の楽しさを満喫できて満足、満足。

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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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