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TEN

楡周平の「TEN」を読んだ。

この作家は長く米国企業に勤務したのち文筆家となり
20にわたり犯罪小説そして経済小説を書いてきた。

日米を股にかける悪役ヒーローを主人公にした
ハードボイルド「Cの福音」がデビュー作。

そしてこれに続く朝倉恭平シリーズで軒並みベストセラーを連発した後
「和僑」や「プラチナタウン」などの話題作を世に送り出している。



今回の作品は横浜のドヤ街で育った主人公が戦後の
高度経済成長下において成功を収める痛快な話だ。

苦労を乗り越え胸のすくような活躍をするが、
同時に裏切りあり、ドン出ん返しありで飽きないままに話は進んでゆく。

戦後の社会の変化、ホテル業界の発展、そしてモデルとなった
プリンスホテルの蹉跌の裏側を知るのはなかなか面白い。



日本人は信長の草履とりから大出世した太閤秀吉のことがいたって好きだ。

この物語もまた主人公が料亭の草履とりをしていた時に
ホテルチェーンのオーナーに見出されるところから始まる。

そして中卒ながらオーナー社長の運転手として
ホテルに入社し、さらに正社員の末席に連なることになる。

時はまさにレジャーが日常化する直前で、このアイデア豊かな
主人公が空前の出世をする必要条件はそろっていたということだ。

小説とはいえ秀吉もどきの成功物語を読むのは楽しい。

ランチを2度抜いて2千円を出しても構わないというエンタメ小説
好きの方がおられたらお勧めしておきます。



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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