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今週は世界のリーダーがニューヨークに集まり様々な議論が
なされたが、ほぼ想定内と言うところ。

その中で最も異才を放ったのはやはりと言うべきかトランプ大統領。

国連総会の演説において選挙キャンペーンさながらに自らの2年の実績を
過去の大統領の中でも傑出していると自画自賛したことには場内から失笑が漏れた。

それにめげないのがトランプ大統領の真骨頂で、続いて行われた
日米首脳会談では通商問題で勝利したと国内向けに宣伝。

一方参院選を控えた安倍首相も負けておらず、国内に向けて農業、
自動車問題では一歩も譲らなかったと成果を誇っている。



実際のところは米国が優勢勝ちと言ったところで、日本側としてはとりあえず問題を
来年以降に先送りできたこと、為替問題に言及されなかったこともあり善戦したと
言っても良いかも知れない。

とはいえ日本が回避したかったFTA(二国間貿易協定)つまり二国間での
貿易交渉がキックオフされることになり、今後激しく市場開放を求められることになる。

それでなくとも日本の対米貿易収支黒字は中国、メキシコに続いて多く
早晩自動車への高率関税は避けられない。

この状況をどれだけ先送りできるのか不明だが、
今後二国間で激しい協議(FTA)で苦戦することになるだろう。

また官邸サイドはFTAの始まりをオブラートに包むべくTPPやFFRなどに続いて
TAG(日米物品貿易協定:Trade Agreement on goods)と言う新たな3文字英語を作った。

しかし実体としては物品での交渉から今後投資などと全分野に広がるだけに
FTAそのものだ。

どちらにしても今後は多国間の交渉ではなく米国と相対で闘うことになる。



ともかくトランプ大統領は中間選挙での共和党勝利が2年後の
再選のカギになると必死だ。

目下上院は共和党が過半数を制すると見込まれているが
下院は民主党が優勢だ。

残り1か月余りトランプ大統領は必死でキャンペーンを行う見込みであり
何が飛び出すのか注目されるところだ。


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トランプ台風

米中間選挙を11月に控えいよいよトランプ砲が炸裂。

とくに貿易不均衡是正に向けての発言は全方位にわたり
鳴り止む気配はない。

EUとの貿易交渉が前向きに進むかと思いきや一気に
緊張感を高めている。

さらに9月下旬に予定されるFFR(日米通商協議)を前に
「新しい合意がなければ日本は大変な問題になる」などと脅迫発言。

そして肝心要の中国に対しては第1、2段で500憶ドルの高率関税を
発動済みで、さらに第3弾の2000憶ドルを準備中。

続いて第4弾として2670憶ドルに対して追加制裁を講じる
準備があると発表した。

つまり中国はじめ世界の貿易のすべてに対して高率関税を課す
見込みで、いよいよ米国は低関税を基本とした貿易自由化を
葬り去ろうとしていると言えよう。



第二次世界大戦後、世界はGATTやWTOを通じて低関税が
志向され、これを前提に国際分業体制が構築されてきた。

その代表例がアップルで、広東省の東莞で台湾企業が
アップルの液晶など部品を現地の労働力を活用して生産し
製品を米国へ輸出していた。

したがって例外なく高率関税をかけるとのトランプ発言に対し、
アップルは抗議声明を出したが、トランプ大統領は米国への
生産移転を主張するばかりで受け入れる見込みはほぼゼロだ。

つまりこれまでのサプライチエーンは分断され
ビジネスモデルは破たんすることになる。



一方米国内に目を転じれば25%近い関税により
インフレの高進がもたらされる恐れが高まった。

この増税がもたらすインフレ率の高まりは、需要増大によりもたらされる
デイマンドプル型の良いインフレではなく、悪いインフレつまりコスト上昇
によりもたらされるものである。

インフレは本来金融引き締めで対応し経済を冷やすことで
乗り越えられる。

しかし今回のような悪いインフレの場合は実際の需要が伴わない
結果金融引き締め策はただただ経済を悪化させることになる。

つまり目下の米国経済はGDP(4%台)が失業率(3.9%)を上回るという
100年来余り見ることのなかった良い状態にあるものの、一気に奈落に
落ちる危険が高まることになる。

中間選挙を前にトランプ台風はどんな被害を米国そして世界経済に
巻き散らかすのだろうか。


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パウエル・プット

8月23日ー25日の間、米国ワイオミング州ジャクソンホールにおいて
シンポジウム(ジャクソンホール会議)が行われた。

夏休み最後のこの時期に中央銀行の総裁が集まるこの会議は、
カンザスシティ連銀が82年に立ち上げたもの。

渓流釣りを愛好するボルカー議長(当時)の意向を反映して
この地が選ばれたが、これまで主要中銀が秋以降の金融政策の
方向を示唆するものとして注目を集めてきた。



今回もまたパウエルFRB議長の基調講演で始まった。

米国は経済成長は4%を超え、インフレ率も2%台で強含みに推移しており
今後年内2回、そして来年3回程度の利上げが進むと見られてきた。

現在のFF目標は2年前に0%であったものが1.75%~2%になっており
さらに2.9%の中立金利を目指して一直線に引き締めが進むとの見方が支配的。

とはいえ過日低金利を好むトランプ大統領がFRBの引き締め策に
文句をつけたことから本会議でのパウエル氏の発言が一層注目された。



パウエル氏の今回の発言は「利上げを急げば景気後退のリスクを招き
利上げを遅らせれば物価の過熱を招く」と指摘。

さらに「物価上昇率は2%を超えて加速する明確な兆しはみえず
過熱するリスクの高まりもない」とも指摘。

これまでのFRB議長同様MROrdinary(普通)と言われるパウエル氏の
言い回しからその真意は利上げに少し慎重と見られ、一部には19年に
おいて利上げ打ち止めとの見方も出てきた。

さらに「インフレ期待が急に上昇したり低下したりする場合や
危機が起こりそうになった場合には毅然としてできることは
なんでもする」自信があるとパウエル・プットの存在を示唆した。

お陰でSPやナスダックの米国株価は史上最高値を更新したが、
同時に米ドル上昇に歯止めがかかりそうでもある。

ひとまずトランプ大統領の牽制球がFRBの利上げスタンスに
待ったをかけたというところだろうか。



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ビッグウイーク

7日(木)の日米首脳会談に続いて
8日(金)からカナダでG7が行われる。

続いて12日(火)にはシンガポールで米朝首脳会談が予定されるなど
この1週間はトランプ大統領の真価が問われるビッグ・ウイークだ。

これまでのところトランプ大統領の強気姿勢が奏功して、
米中貿易戦争では中国側の譲歩を引き出して休戦状態に持ち込んだ。

一方米国の関税引き上げ問題で集中砲火を浴びるG7でも、
トランプは強硬姿勢を貫くつもりのようだ。

果たしてドイツはじめ6か国が共闘して自由貿易をと叫ぶ中で、
どこまで自主路線を押し通すことができるのだろうか?

ともかく米国の農業を疲弊に追い込むとしてカナダへの批判を含めて
通商問題の混迷化は避けられない。

それだけに通商問題での成果をいくらアピールしても米国民の
支持を拡大し、中間選挙を乗り越えることは難しい。



畢竟外交での得点を目指すことになるが、それだけに
4日後に迫った米朝首脳会談の行方が注目される。

とはいえ今回の会談では署名も予定されず、会談は今後数回行われる
見込みと伝えられるなど、すでに半島の非核化は遠い将来の目標となった。

つまり今回の勝者は経済制裁の緩和メリットを受ける金正恩であり、
お陰でその満面の笑みが頂点に達しようとするのも無理はないだろう。



そして日本はといえば拉致問題に進展は期待できない中で
日朝の首脳会談開催や経済援助が議題に上がりつつある。

当然その入り口には巨額の戦後賠償が横たわっており
日本にとってはカネがらみの話ばかりが先行することになる。

まさに金正恩の思うつぼの展開とトランプの頑迷さが
浮彫りになる1週間が始まった。


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コーン辞任

トランプ政権の経済政策のトップであるゲーリー・コーン
NEC(国家経済会議)委員長の辞任が報じられた。

この人はゴールドマンザックスの先物取引を皮切りにNO2まで
登りつめたが,CEOになれず不完全燃焼であったことから
ホワイトハウスに転じたとされる。

一時はコーン(トウモロコシ)の取引トレーダーのコーン氏が
FRB議長になるのではとささやかれたが、結局強硬な
通商政策を主張する一派に敗れて大型減税の実現を手土産に去る。

これからは対中強硬派のナバロ氏やロス商務長官らが
保護主義を推進することになる見込みだ。



トランプ政権が誕生した際にホワイトハウス西館にいたバロン上級顧問
はじめ側近7人はほぼすべて入れ替わっており、これからも
辞任者が続出する見込みだ。

女婿のクシュナー氏も今回の一件のみならずロシアゲートへの関与が
取りざたされており辞任論がくすぶっている。

米国には多くの人材がおり、異なる意見を戦わせてはどちらか選ぶのが
俺流だとトランプ大統領は豪語しているが、ホワイトハウスの屋台骨が
揺らいでいるのは明らか。

政権の揺らぎが経済界へ影を落とすが、とりわけウォール街の
代表でもあったコーン氏の辞任による金融市場への影響は小さくない。



一方輸入制限については4月半ばに最終決定される見込みだが、
今後NAFTA、EUはじめ各国・地域との交渉戦術にこの脅しを
駆使して交渉の果実を得ようと強気の姿勢を維持するのだろう。

これに対して早速EUは報復措置を打ち出したが、その内容は
ハーレーダビットソンやリーバイスのジーンズなどブランド商品
にもおよびなど米国および米国人への意趣返しも強烈だ。

果たして貿易戦争がどのように展開するのか、しばらく
ホワイトハウスの先行きとともに注目する必要がありそうだ。


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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