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鉄の女

「主権」そして「反移民」を目指した国民投票で
英国のEU離脱が決まってまもなく3年。

投票結果は48VS52と僅差であったが多数決の原理に
元づけばこれで決まりのはずだった。

まさかその具体化において内閣・議会そして世論がこのように百家争鳴し
再度の国民投票を求める声まででるなど何でもありの状態となったしまったのである。

このように国論が四分五裂し国家が迷走した背景には
その決定において「経済合理性」を軽視した故であろう。

実際島国で6割を貿易に依存している国家であることを踏まえれば
過去の栄光や誇りだけで飯を食うことができないことに気づくのが遅すぎたのである。



メイ政権は、国民投票の結果を実現させるべくEUとの手続きを進めるために発足したが、
離脱協定の法案化において立ち往生してしまった。

すでにEUとの協定案は議会において3度も否決された。

党内は強硬離脱を主張するボリス・ジョンソンらの反対派が根強く、
また労働党と協議をしても関税同盟への残留を強く主張されて
離脱協定案への賛同を得ることは難しい。

もはや決定の先延ばししか打つ手はなく4月12日の期限を6月末へと再延長する見込みで、
最終的には合意なき離脱に落ち着きそうな雲行きだ。



メイ首相が登場した時にはマーガレット・サッチャーつまり
「鉄の女」の再来かと期待された。

実際サッチャー首相は英国病に陥り財政赤字に汲々と
していた惨状を脱するべく国民怨嗟の中で
財政赤字の再建に向け大ナタを振るった。

したがってEU残留を望む一流誌などは、メイ首相が鉄の女の
再来となり、民意よりも国益を優先し残留へと方向転換してくれることを期待する向きがあったのだが。

残念ながらメイ首相は離脱を無事終了させることを第一義とする人であり
また国民投票の結果を無視するほどの常識はずれの大物政治家ではなかったということだ。

どのような結論になるにしても英国の混迷と分断を見た今
一時欧州各国に広まった離脱ブームは沈静化しつつあるようだ。

大山鳴動した結果ひとりEUがほくそ笑むことになりそうだ。


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令和

新元号「令和」は狂騒を巻き起こしつつ列島に新風をもたらし、
まるで改元ひと月前にして新たな御代の扉が開いたようだ。

西暦が定着した現在今更元号でもないと思うが
新元号について様々な声が聞こえてくる。

異論のひとつは「平和を命じる」というように上から
指示される感じがあるとの指摘。

実際「令」には、令室、令嬢など尊敬の響きもあるが、
命令や律令など上意下達の意味が浸透している故だ。

また「巧言令色鮮し仁」との言葉が思い出されるように、仁(=愛)と
対局の人を指す言葉として認識されていることも事実だ。

とはいえ新元号については3分の2の人が好感しているようでもあり
ひとまず国民的イベントは平和的な決着を見たというところか。



今回の出典は「万葉集」で大宰府にいた頃の大伴旅人の
梅を愛でる宴についての序文とか。

「令和」は大化以降1400年の歴史の中で初めて漢籍ではなく国書を
典拠としたことが特筆され、安倍首相はじめ保守・反中国派は
鼻を高くしているようだ。

しかし中国が指摘するように漢籍から離れても当時の日本が
今以上に中国の文化圏にあったことは明らかだ。

日本が国風文化を作り上げてきたことは言うまでもないが、もとをただせば
中国文化の流れを汲んでいるのは明かでいまさら古代史において
中国を範としてきたことを否定するのも大人げないと言うところだ。



もともと元号は中国を統一した秦に続く漢王朝において
始まったようで朝廷が治世を願い制定したもの。

したがってこれにならい日本でも朝廷が定めてきたものである。

武士の時代になり天皇の政治力は薄れたが、それでも明治を経て
昭和前半までの政治体制下において元号制定の意味はそれなりに
あったと言えよう。

とはいえ天皇が象徴となった戦後果たして元号が必要なのか
と問えば「否」ではないだろうか。

本来元号が持っていた政治的な意味が薄れた今は、国民の精神的
拠り所と言った存在へと変質しているのは否めず存続させる必要性が分からなくなる。



お花見

4月1日(月) 晴れ 15℃

青山霊園でお花見をしようと表参道から
乃木坂まで散策した。

ここの良いところは宴会している人もおらず
ブルーシートも酒の臭いも無縁であること。

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ゴールのミッドタウンはオープンしてからすでに10年を経過。

したがって桧町公園はじめ周囲に植えられた桜の樹々は
成長し、その花は折からの満開に豪華絢爛。



ランチはここの3階にある「まるや」にて。

このひつまぶしの専門店は名古屋で手広く経営しており、
今般東京への進出を果たしたばかり。

本場の味を楽しみそしてようやく待ちに待った春を
満喫する一日となったのである。

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6二銀

藤井七段2018年度の最後の一戦は
中田八段との竜王ランキング戦。

序盤から押しまくられ敗色濃厚の中、土壇場に繰り出した
6二銀の妙手で大逆転勝利となった。

コンピューターはすでに95%の負けを予想していたのだが、
この最終盤の103手目が史上に残る一手となったとか。

この結果今年度の勝率は昨年の8割3分を上回って8割5分と
2年連続の最高勝率を飾って高校1年生のシーズンを終えたのである。



実際8割5分と言えば17勝3敗で、これは負ければ座布団
が飛ぶ白鵬とほぼ同様であり、憎いほど強いと言うことである。

1年目こそ下位を相手にすることが多かったが、2年目は上位陣と
の対局が増えているので、文句なしに強いということだ。

実際現役棋士を見ても通算で7割を越えているのは羽生九段と豊島二冠ぐらいで
それだけでもその凄さが推し量られる。

春休みが終われば高校2年生。

あまり勉強に時間と労力を取られなければ一層の
成長が期待できるところだ。




こうして将棋の世界は藤井七段が登場した2年前から盛り上がっているが
囲碁界もまた小4棋士仲村菫さんというホープが登場して注目度が高まっている。

中韓と競うための促成プログラムのゆえの登場らしいが、
未だ身長126センチの可愛い女の子のどこにそんなパワーがあるのか。

井山七冠も自分の小学生の時よりも強いと言っているだけに
将来性は相当のものだろう。

将棋、囲碁ともに高2そして小5の若者に主導される
2019年度は大いに期待してもよさそうだ。



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逆イールド

企業体力が失われた今でこそ即戦力が求められるようになったが
かつての銀行は入社後3年程度は教育期間と位置付けられ、知的好奇心を
さほど刺激されることなく退屈に暮らした。

ただ5年目に入って国際金融とりわけ米国金融市場での
ファンデイングをする部署に配属されがぜん仕事が面白くなった。

つまり理論と実践を同時に経験することになり、ともかく寝る間を
惜しんで金融理論を勉強しては米国で起きる経済事象のフォローに没頭し、
挙句の果てに睡眠不足で体が動かなくなる事もあった。



当時学んだことの一つに長期金利が短期金利を下回る「逆イールド」。

一般には景気後退のサインと理解され、この結果経済は減速すると言われる。

今般米国10年債金利が2.4%に下落し、2年債や
3か月物TBを下回ることになった。

先日まで米国の今後の利上げ回数は2度か3度かと議論
されていたのに、FRBの方向転換に今や市場では年内2度の
利下げ確率が6割と大きく振れたのである。

逆イールドが景気後退に結びつくには1年余りのタイムラグがあるともされるが
「スポット価格は将来のすべての要因を含む」と考えるのが妥当。

つまり将来発生するであろう事象も現在価値に織り込まれることになり、
その結果金利そして為替の価値が足元で急速に低下するのは避けられないこととなる。



再三パウエルFRB議長が口にする世界経済のリスクについて、それを裏付ける
ようにドイツの製造業PMI(購買担当者景気指数)が44と6年ぶりの
低水準になり、不安心理を一気に増幅させた。

もちろん統計のひずみも多少あるのかもしれないが、やはり中国
そして欧州と軒並み世界経済は悪化しているのではないか。

とすれば米国金利および米国経済上昇の可能性は乏しくなり、
いくら米中通商問題がソフトランディングしたとしても経済の
不確実性は拭えず、ドルの下落は必然となるかも。

目下の円相場は110円でこのところ107円~114円の往復を
続けているが、いつ何時大きな地殻変動が起きてもしようがないのではないか。

ということで半年後100円、1年後90円シナリオの発生確率を20%ぐらい
として円買いにかけてみるのも一興か。


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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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