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新月

8月1日 (木)  35度

本日は新月、特にスーパーブラックムーンで
物事が刷新されるお日柄とか。

実際1859年以来の強力な太陽嵐が到来し通信機器はじめ
人間・社会への影響があるとされる。

もともとアストロロジー(占星術)は古代バビロニアに始まり
天体と社会の関係を観察した経験則である。

どこまで信じるかは難しいが、とりあえず今夜は「新月のドル売り」との
お告げが出ているらしい。

実際の相場は昨夜のFEDの利下げ発表を受けて逆にドルが
上昇しており、「新月のドル買い」に傾いているように見受けられるが。



本日未明(NY時間31日午後)、FEDは10年半ぶりに
0.25%の利下げを発表した。

市場では0.5%を期待する向きもあっただけに、
目下その失望から損切りの動きが強まっている。

パウエル議長によれば、「今回の利下げは予防的利下げ
そして中期的な金融政策の調整であり長期利下げサイクルの
始まりではない」と発言。

つまり世界経済の不確実性だけを材料に利下げするのは
トランプ大統領への忖度以外何物でもないと思われるのはやむを得ない。

今後もパウエル議長が弱腰を続けるのか否か注目されるところだ。



このように市場のかく乱要因と言えばやはりトランプ大統領。

大統領選を15か月後に控えていることから全ての
行動・発言は白人支持増を増やすため。

特に黒人が多く住むボルチモアを「ネズミだらけ」「最悪」と
断定するなど意識的に人種差別発言を連発する。

さらに中国への批判を繰り返して人民日報と激しいやりとりを
したり、介入によるドル下げへの言及も。

中期的のみならず短期的にもドル高が好ましいと言う
ムニューシン財務長官が存命の限りはそれはないと
思われるのだが。

「新月のドル売り」の現実性はともかく、
トランプ大統領の言動には引き続き要注意だ。



オリジン

今月は面白い小説にいくつも遭遇したお陰で
本ブログで読書ノートを書く機会も5度目となった。

と言うことでさながら読書月間となった7月の掉尾を飾るのは
ダン・ブラウンのロバート・ラングドンシリーズ第5弾「オリジン」である。

著者は2000年の「天使と悪魔」でハーバード大学の
紋章学教授ラングドンを主役にして本シリーズをスタート。

特に第2作の「ダ・ヴィンチ・コード」は、パリのルーブル美術館を皮切りに、
英国に渡ってキリストの子孫たちに遭遇するという壮大な構想により大ブレーク。

そして第4作の「インフェルノ」でダンテ神曲の謎解きをしつつ
人口爆発へと問題を展開させ、同時にフィレンツエからイスタンブールへ
と読者を誘った。



そして舞台をイベリア半島に移したのがこの第5作で、
「オリジン」とはまさに「起源」。

ダーウインの「種の起源」を連想するように今回のテーマは
「人はどこから来たのか、そしてどこへ行くのか」。

因みに人類を遡れば、単細胞生物、そして微生物に至るとも言われるが、
生物の始まりは依然不明で、宇宙からやってきたのか神が作ったのか。

ここから先はネタバレしてしまうが、人類は新たな生物と
「共生」を余儀なくされることに
なると著者は予測する。

宗教と科学が対峙する中で著者が導く新たな生物とはテクノロジー。
つまりAIが発達し、スマホと人間の関係が進化した未来が
到来することになると言うのだが。



ダン・ブラウンの作品はダヴィンチコードが44言語で
7千万部売れたように、これまでの全7作品で2億5千万部を
超えたという。

さらに今後何冊分もの構想があるとのことだから驚くと同時に
新刊を楽しみにしておきたい。

因みに今回の舞台はスペインバスク州のビルバオとカタル―ニャ州
バルセロナで、当然のようにサグラダファミリアがメイン舞台となる。

映画化されたら早速見に行ってみたいと思う。



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大暴落

今年もまた日本列島は豪雨さらに記録的日照不足に
襲われて26年ぶりの冷害が懸念される。

一方欧州では40度を超える歴史的暑さとなっているようで
もはや世界そして日本は気候変動リスクから逃れられない。

そんな折幸田真音の「大暴落(がら)」を読み、改めて
自然災害が高度にテクノロジー化した都市社会を
襲う恐ろしさを実感したところだ。

実際災害マップによれば江戸川、荒川の氾濫によりその流域はもちろん
銀座、赤坂あたりまで浸水して都市機能がマヒするとはよく言われているが。



本著において語られる日本の金融市場の大暴落をもたらす
パニックの原因は3つ。

1.女性総理の誕生
2.秩父での豪雨による荒川の氾濫
3.日銀の債務超過

このトリプルショックが同じ日に発生し、金融市場は大暴落。

103円だった円相場は海外市場で130円にそして翌日の
東京市場では160円へと続落。

また長期債は6%に上昇し、株価もまた大暴落するという筋立てだ。

実際このようなトリプルショックが同時発生すれば日本は
大変なことになるが、本当に円安になるのかは分からない。

逆に円高になるとの見方も可能なだけに、マーケットは
ほとほと難しいものだ。



ともかく蒸し暑さとスローな相場にぼけ気味になっている頭を
覚醒させることが出来たのはこの本のお陰。

この著者は「札割れ」において国債が未消化に終わり円債が
暴落する話など金融小説を書いてきた。

とはいえこの間著者の書いたものや発言を拒絶してきた理由はひとつ。

と言うのもこの人は10年ぐらい前は藤原久美などとともに
「原発3人娘」と言われ、原発各社の広告塔となって派手に
パフォーマンスしてきたことによる。

福島原発以降はさすがにおとなしくしてその
痕跡を消すことに努めているようではあるが。

ともかく大震災から8年を過ぎたことだし、この人の著作も
たまに読んでみてもよいかなと思う次第だ。


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パンデミック

楡周平の新刊書「サリエルの命題」を読んだ。

テーマは①パンデミック(流行病)の恐怖と②日本の
医療保険制度の崩壊懸念、つまり共に怖い話である。

これまで高齢者問題、農業問題など様々な分野に切り込んできた
著者が今回新たに高齢少子化による医療保険制度の崩壊の
可能性を指摘している。

小説的にも面白く作られており、アカデミズムや
政治の世界の不条理をあぶりだすなど退屈することはない。



この小説は新型ウイルス「サリエル」の秘密が漏洩し
さらに変異して国民を危機に直面させる筋立てだ。

パンデミックへの対応として治療薬と予防薬(=ワクチン)が
必要とされるが、それらが十分に備蓄されていない上に、
すぐには生産が追い付かない点が問題になる。

そこで接種の優先順位が重要となるが、余り知られていないが厚労省の
「プレパンデミックワクチン」のガイドラインによれば医者、国会議員、官僚、
NHK職員などが優先されることになっているそうだ。

それに対して著者は優先対象者として子供+母親、若年層、生産年齢人口を
順次上げ、65歳以上の高齢者は対象外にすることを説いている。



そして2つ目のテーマが「医療保険制度」。

我々は生涯をかけて年30万円つまり1500万円ぐらい
保険料を払うようだが、それらの保険料の上で
公平で安く診療を受けられる皆保険制度が成り立っている。

とはいえ長寿が進み医療費の6割以上は高齢者が独占。

その結果すでに国民の医療費は42兆円に達し健保と患者負担で
6割が賄われているものの残りは税金に頼り、世界でも特筆
されるこの制度が瓦解しそうなのである。

さらにオプジーボに限らず1千万円以上の高額医療薬が
保険対象になるたびに制度は疲弊し、外国からの移民も
加わってその疲弊の速度は速くなる。

ということで本作品を通じてパンデミックや医療制度の
実情と問題点を知ることができる。

ランチ2回を抜いて書籍費1850円を捻出しても良いかなと
思う方がおられればご一読をお勧めいたします。



リブラ

通貨の歴史は今から約5千年前のメソポタミアに
遡るとされるが、それ以来時の権力者が通貨発行権を
駆使して通貨発行益(シニョレッジ)を享受してきた。

その歴史を経て現代では各国が通貨発行権を持ち
中央銀行が通貨発行を行っている。

したがって通貨主権が尊重され国境を超える場合には為替が
生じることになる。

実際米ドルに見られる通り世界で通じる通貨を発行する主体者は
無尽蔵の購買力を手にすることができ未曾有の繁栄を得ることができるのである。

その常識にアンチテーゼをもたらしたのがブロックチェーンの
発達による仮想通貨(Virtual Currency)の登場である。



ビットコインに代表される仮想通貨はここ数年で
600種ほどへと増殖した。

その名称も暗号通貨(Crypto Currency)となり、さらにG7が使用した
暗号資産(Crypto Asset)で定着したようである。

この通貨は送金コストが安く決済に便利とされているが、いかんせん
変動が大きく、将来的にも使いがってが悪いのではと思われてきた。

ということでその実用化はまだまだ先かと思っていたら、
27億人のユーザーを持つFBが旗をふりVISA,マスター、UBERなどが参加して「リブラ」を始めることとなった。

つまり国境を超えて「リブラ大経済圏」を作ることになり
これまでの通貨の概念と全く異なる世界が登場する可能性が高まった。



FBは金融サービスを行うつもりはないとし、あくまで決済サービスに
専念する意向のようだ。

このように新たな経済圏、金融システムの登場を懸念して米国の
上院銀行委員会の公聴会でFBの責任者が質問攻めされることになり、
とりあえず2020年の開始は先送りとなった。

特にマネーロンダリング、さらに外部からの侵入やテロに対する
セキュりティなどが問題視されており、過日のG7財務省会議でも
早速懸念が表明され規制論議が始まった。

ただビットコインに見られる乱高下については、その対策として準備金を
積んで人民元を除く主要通貨にリンクさせることで安定化を図るとのことだ。

どちらにしても米ドルを基軸通貨とした通貨制度が
大きく変わるかも知れないだけに、今後要注目だ。


プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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