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葉月

陰暦に言う文月が終わり葉月が始まった。

それにしても7月は暑かった。実際6月後半に梅雨が明けて以降
猛暑が酷暑になりさらに炎暑となった。

とはいえ8月の声を聞くとようやく夏も半分を過ぎたかと思えるだけに
気分も軽くなるし、これからのひと月はクーラーを使いまくって熱帯夜を
乗り切るぞと決意する次第だ。

そんな折、昨日は日銀が「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を発表した。

その内容は緩和継続を目指しつつも副作用に配慮する妥協の産物で、
その意図も具体的政策も曖昧模糊としていて暑さに疲れたわが頭では
よく理解できず苦慮しているところだ。



日銀としてはデフレ脱却に向けて緩和継続の旗をおろしたくないが、
地銀はじめ銀行業界は低金利が継続して青息吐息で破綻しかねず心配だ。

さらに国債市場や株式市場のゆがみも顕著になっていることも気がかりだ。

そして景気の良い時には金利を引き上げて将来景気が減速したときに
新たな緩和策を打ち出せるようにのりしろもつくっておきたい。

くわえて出口戦略も視野に金融引き締めの準備もせねばならないしなど、
優先課題が多すぎてにっちもさっちもいかなくなりつつあるということだろう。

したがって結論として長期金利の振れ幅を2倍に許容する「弾力化」という
何だか分かったような分からないような政策を打ち出したのだ。



結局目指すところが何なのか分からないので市場は右往左往して
いるのだが、ひとまず急激な円高を回避できたので日銀も胸をなでおろしたということか。

それにしても5年半前に黒田総裁が登場した時に「2年で2%、戦力の逐次投入はしない」と
言い切った時は喝采を浴びたのだが。

その後は「目標達成時期の後ずれ」との苦渋の発言が続き、戦力の逐次投入の
連発にもはや金融市場における「預言者」としてのカリスマ性は失われた。

実際日銀内部を見ると、金融緩和の継続を求める政府が日銀に送り込んだ
リフレ派と称される政策委員たちが強硬な金融緩和を求めて、日銀執行部の
金利引き上げへの動きを断固阻止しているようだ。

この日銀の立ち往生を見ていると日本経済のそして相場の先行きも
分からなくなる。

実際8月というのは過去20年のうち14年は円高だとの事実を見れば、
この夏枯れも突然の夕立に見舞われることを十分に警戒しておく必要がありそうだ。


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天子蒙塵3

浅田次郎が西太后とその宦官・李春雲の主従を主人公に
「蒼穹の昴」を書き出してすでに22年。

「珍妃の井戸」「中原の虹」「マンチュリアンレポート」そして
「天子蒙塵」とこれまで5部11巻にわたり清朝の歴史を綴ってきた。

今回読んだのが第11巻{天子蒙塵」で残すは今秋発売予定の
第12巻のみとなり物語も1930年代といよいよクライマックス。

現在主人公の溥儀は再度皇帝となることを夢見て天津から
新京へ移って日本国の傀儡となっている。

そしてもう一人の主人公で張作霖の息子張学良は満州の
支配権と軍隊を蒋介石に譲り英国ブライトンで落魄の日々。

この二人の天子がいよいよ塵埃にまみれて行く姿が描かれる。



日本、朝鮮、モンゴルに建国神話があるように中国のどの王朝も
その正統性を担保すべくその一族の神話が存在する。

中国東北部で力を蓄えた女真族の愛新覚羅家も同様で
17世紀前半長城を超えて漢民族を支配するためには
それなりの神話が必要だっただろう。

その神話を浅田次郎はさすがと思わせる筆致で描いている。

その内容はかいつまんで言うと、3人の天女が地上に降りてきて
沐浴していると、一羽の鵲(かささぎ)が飛んできて嘴に加えた
赤い実を羽衣のひとつに落した。

そして天女の一人がその実を呑み込むとみるみる体が
重くなり天に飛ぶ立つことは叶わず、ついにひとりの男の子
を産み落とした。

それが開祖ヌルハチで生まれてすぐに勇者のいでたちとなり
突然満州の言葉をしゃべりだしたと言う。

そのヌルハチが後金国を建て、その孫の順治帝が紫禁城に入り
中国全土に覇を唱えることになる。



愚帝が続いて亡国の憂き目を見た明と異なり、
賢帝を輩出することになるのが清朝の特色だ。

愛新覚羅家は代々多くの子供に恵まれたことがこの王朝隆盛の
背景であり、その後も康熙帝や乾隆帝などが続くことになる。

とはいえその血脈も貴種化が進むにつれてその力強さが
衰えて行くのは世界中の王家に見られる傾向で、清朝も19世紀になると
後継者不足に至ってしまう。

溥儀も張学良もこの歴史的傾向に逆らえず先祖に比べ洗練されているものの
ひ弱でアヘンに手を伸ばすことになるのはやむを得ないところか。

ともかく浅田次郎のお陰で長きにわたり清朝の物語を楽しんだが、
作者も60代後半となりライフワークを完結するにふさわしい
年頃になったと言うことだろう。


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ヤクザの女

9月の自民党総裁選を前にして対抗馬で霞が関・開成OB会が
支持する岸田元外相が将来の禅譲を期待して出馬見送りを表明した。

この結果疑問符の多い石破や人望がなく推薦人20人も
集まらない野田聖子では太刀打ちできず、安倍の3選がほぼ決まった。

これで東京五輪は安倍首相の下で行われることになる。

それでなくとも忖度政治が横行し国会をほとんど空転させ
最後には法案を強行可決するなどのやり放題が続くことになる。



ところで女性リーダーを自認する野田聖子総務相は目下
女性総理の大本命と言われているらしい。

特に酒が強くてかつてマドンナと崇めた議員OBたちに人気があると
言われるが、現役からはまったく評価されていない。

実際政策面では具体的ポリシーはないようで、ひたすら男女共同参画
つまり男性と同数女性に(能力に関係なく)ポストを与えろ
というのがスローガン。

なによりも恐ろしいのはこの人は「やくざの女」と言われるように、
(将来ファーストマンとなる)夫は暴力団の元構成員で前科2犯。



目下野田総務相には金融庁が取り締まる仮想通貨業者に絡み
キナ臭い話がついて回る。(このもぐり業者は結局廃業に追い込まれた。)

野田事務所は総務相が親しくする芸能人GACKTをはじめとする
あやしい知人たちを守るために金融庁に直談判(=圧力)をかけたようなのだ。

いま朝日新聞では職権を使い知りえた情報を最大限に利用する
野田総務相に的を絞り追及キャンペーンを張っているところだが
今後どうなるのか。

金融庁も野田総務相に忖度して情報を野田に横流し、
野田はまた酒席でその情報をマスコミ他社に流したとされる。

どちらにしてもやることなすことがあやしいこんな人が首相に
なることだけは勘弁してもらいたいものだ。


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円安論への疑問

2018年の円相場は112円台で幕開けして104円台に達し
再び112円のスタート時点に戻った。

それでは下半期は円安か円高か?

市場では米国一人勝ち状態さらに貿易戦争の影響は軽微であるとして
一層のドル高円安を予測する声が高まっている。

しかし原油安の可能性や貿易戦争の中国経済への影響など
円高の芽も育ちつつあるのではないか。

このような趣旨でロイター通信に寄稿しました。
ご笑覧いただければ幸いです。

https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yoji-saito-idJPKBN1KA0FM


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金融正常化

4月末の金融政策決定会合において日銀は19年ごろ
としていた物価目標の達成時期の文言を削除した。

2014年4月の黒田総裁就任以降、「2年程度で物価2%を達成する」と
明確にコミットして異次元緩和がスタートしてすでに5年が経過。

この間ETF購入、国債買い入れ増額、マイナス金利などさまざまな
追加緩和策を実施しながらも、達成時期を先送りすること10回を超え、
すでに目標はあって無きがごとくなっていた。

したがって今更ながらその旗を降ろすことになった。

これで周辺から追加緩和の督促もなくなる一方で
金融政策のフリーハンドを得たと言うところだろう。



そもそも円高不況、デフレ不況と言われてコアインフレ
(一時的な要因である生鮮食料品を除く)を上げることにして
壮大な社会実験によりデフレマインド払拭を図ってきた。

とはいえ円安政策などいかなる金融手法を用いてもインフレ数値が
上がらぬ以上、デフレの原因は構造的な要因、つまり人口減や中国からの
輸入デフレなどの影響が大きいと考えるのが妥当だろう。

このまま2%目標に拘っていると永遠に超緩和策に
固執することになり、金融市場の変質や金融機関の弱体化など
副作用への懸念が大きくなる。

したがって円安が進んでいる現在こそ緩和縮小(ステルス・テーパリング)を
進めて金融の正常化を進めるべき絶好の機会と言うべきだろう。



そして外部環境を見ると今や金融正常化を掲げ利上げを続ける
米国に追随する時だろう。

米国経済は減税効果などもあり上振れ状態が続いており、
経済の専門家ではないと言われるパウエル議長の議会証言なども
何だか自信を感じさせる。

クシャクシャとまるでおばあさんの言い方と揶揄された前任者のイエレン氏や
ネイティブ以外には理解不可能と言われた前々任者のバーナンキ氏とは異なりいたって好評だ。

日銀も負けずに金融正常化を進めて欲しいと思うのだが。



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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