ユリノミクス

小池新党が発足して10日余りを過ぎたが、小池都知事兼党首の
去就があいまいな中でブームは失速気味となってきた。

とはいえ希望の党の一定の勝利は必至であり、自民党の議席は
現在の287から30ー50減は避けられないと見込まれている。

したがって自民党が261議席の絶対多数や244議席の安定多数
を上回れば安倍安泰、そしてそれを割り込んで単独過半数(233)を
下回れば政権の組み換え議論が高まりそうだ。

その場合は安倍一強政権の終わりが俎上に上ることになるだろう。

そうなると黒田日銀の緩和策が不安定化し金利上昇、
株価下落、円高への懸念が強まることは必至となる。

このリスクシナリオを懸念してすでに金融市場では
警戒感がジワリと浮上してきている。



このような状況下で各党の政権公約が出そろった。

もちろん原発・憲法などの政治的立ち位置の違いは重要ではあるが
経済・金融についてはいつもながらに
各党の経済政策は民意迎合的だ。

自公はアベノミクスの継続つまり金融緩和による円安・株高を
進め、さらに2019年の消費税増税分の使途を変更し保育・教育の
無償化を主張している。

一方野党は財政再建などは念頭になく消費税増税延期
もしくは凍結を主張。

このように各党のバラマキ政策は日本の財政悪化をもたらすことから、
金融市場は嫌気してCDSは一挙に上昇している。



ところで「希望の党」の言う「ユリノミクス」は、消費税増税を凍結することについて、
その代替すべき財源として企業が有する400兆円に上る内部留保に2%の
税金をかけ4兆円を調達すると主張している。

つまり個人負担の軽減分を企業への負担で補おうとするのだが、
法人税の減税による各国間の競争を生き抜くことが国際企業の主要課題と
なっているなかで
企業の二重負担を強いる経済政策は逆行していると言って良いだろう。

また希望の党は黒田日銀の政策をおおむね支持するとしているものの、
政権の行方次第では来年3月に迫った総裁の後任人事が大きく狂うことになる。

つまり経済金融政策の連続性について不安感の増大は否めず、
金融市場は安定感を失うことになる。

どちらにしても希望の党の伸長は5年にわたったアベノミクスの
見直しを迫ることになるのは必至であり、その場合安倍一強が続いたこの
5年に顕著となった円安・株高は大きな試練を迎えることになるだろう。







秋の夜長

10月に入り中秋の名月、十六夜、ノーベル賞発表と
日に日に秋は深まってきた。

秋と言えば何よりも読書の秋ではあるが、人恋しくもなる季節だけに
人形町の寿司店「とちのき」で友人たちと歓談した。

越後「麒麟山」など全国の銘酒を飲み比べ、
最後は店主お勧めの越前「飛露喜」で締めた。

大間の本マグロに石持ち鰈などの魚も最高で、
場所柄お値段もリーズナブルで今後再訪したいと思う。







ところでノーベル賞の文学賞はカズオ・イシグロ氏に決まった。
5歳から英国に渡り帰化して半世紀近くになるとのこと。

自らの移民体験をもとにブレクジットに反対そして再度の国民投票をと
論陣を張っており、外見、内容どこから見ても英国人。

にもかかわらず日本のマスコミはその内向き体質の故か
「日本人が受賞した」とひたすら主張しているのがおかしくも見える。

これだけ日本人が海外に出、日本の国際化が進んでいるのに
マスコミだけは超ドメステイックで天動説的発想をする姿は何だか滑稽だ。



一方発表当夜鳩森神社境内に集まったハルキストたちは
イシグロの名前を聞いて「Who?」と首を傾げて同時に落胆したとのこと。

ブックメーカーによれば村上春樹は今年も大本命で、
イシグロ氏は圏外だったとか。

またイシグロ氏は「村上氏より早くもらって罪悪感がある」と
述べていることからもハルキストたちの落ち込みは当然と言うことか。

村上氏がなかなか受賞できない理由はどの辺にあるのか分からない。

とはいえ同氏は「南京大虐殺は40万人」と中国政府が主張する30万人
よりも大きな数字を掲げては日本のリベラル派が喝采するように
少し政治色が強すぎるのがマイナス材料となっているのかも知れない。

ともかく秋の夜長は月を見て、お酒を飲んで、本を読んで、
あれやこれやと考えるのに最適だ。


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離合集散

希望の党から192人の第一次公認リストが発表された。

まさに民進党が看板を架け替えただけかと思うような
メンバーが並んだ。

東京はじめ首都圏でこそ小池系のメンバーが多いものの、
地方は圧倒的に民進党の古参の人たちだ。

本当にこれで新しい世の中ができるのか、そして前回の政権奪取時の
轍を踏まないのか懐疑的にならざるを得ない。

ただ社民連・菅、革マル・枝野、社青同解放派・赤松、そして辻元など
学生運動の闘士として革命を志向した人たちが保守に紛れ込まず
また純化したことが双方にとって最大のメリットか。



それにしても民進党の中で憲法改正反対、安保法制反対を唱え
国会内でプラカードを持って騒いでいた人たちはどうなったか。

例えば大蔵省OBの玉木雄一郎、大串博志そして無節操な柚木道義が、
一転して政策協定書を交わして転ぶ姿には、保身と浅ましさしか見えてこない。

ただ野田や岡田が公認してもらえないと早目に察知し、
韓信の股くぐりをしないで済んだのはまだしもと言ったところだ。



どちらにしても小池知事の出馬は遠のいたとみられる現在
小池ブームは衰えて、政権交代安倍一強の終わりが近づいた
ように見えるのだが・・・

とはいえ自公で233の過半数は確保するにしても自民党の過半数割れが
現実化し、その場合は安倍一強政権の最後が実現するかも知れない。

徳川幕府が軽い気持ちで長州征伐に乗り出して、その結果
薩長が同盟し倒幕そして明治維新に至った故事もある。

野党の準備不足をついて軽い気持ちで解散を狙った結果
窮鼠猫を噛むの通りとんだ切り替えしを受けて政権を失い
かねなくなった安倍政権。

5年の政権に国民は飽きているし、どんな風が吹いて
何が起きるのかも知れない。

この様子では日本経済は乱気流に巻き込まれるかも知れない。
円高・株安には要警戒と言うところか。


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宝塚にて

10月1日(日)

京都から宝塚へ。

阪急逆瀬川から六甲に向かう山裾に住む義父母を訪問。

この施設は聖隷財団が運営するもので有馬も遠くないだけに温泉も湧くなど環境も抜群で
我ながらこんな所で最晩年を送りたいものだと常々思っている。



そしてタカラジェンヌの街へと繰り出した。

阪急百貨店のエントランスホールでは折から元タカラジェンヌ達の
ミニコンサートが開かれていた。

その歌唱法は宝塚ならではで、さらにフィナーレは「すみれの花咲く頃」。

いや何とも懐かしい気分だ。


(タカラジェンヌ)

大劇場に向かう花の道はいつもながらに華やいでおり心も浮き立ってくる。

大劇場は丁度レビューが始まった直後
の時間で閑散。

お陰で静かな場内の喫茶室で武庫川や東六甲の山を眺めながらゆっくりお茶が出来た。

前回観劇したのは10年近く前の有楽町でのこと。

次回チケットが手に入ったら是非ここで見てみたいものだ。


(宝塚大劇場)




(花の道)


大河内山荘

9月30日(土)

堀川五条の東急ホテルは本願寺に隣接しているせいか、それともどこか
違うお寺からかは分からないが朝暗いうちから鐘の音が聞こえてきた。

早速朝の散歩を兼ねて西本願寺へお詣りした。


(西本願寺境内)


(本堂渡り廊下)

そして本日の目的地である大河内山荘へ。

これまで嵯峨野には幾度となく来ているがこの山荘は初めて。

天龍寺から野々宮そして山荘に至る道の外人の多さは特筆ものだった。

しかし丹下左膳で不動の人気を誇った
大河内傳次郎の別荘内だけは
別格で静かに抹茶を飲み庭園を散策した。

小倉山 峰のもみじ葉 心あらば
今ひとたびの みゆき待たなむ

と百人一首に詠まれたように、嵐山に対峙する小倉山の
紅葉の素晴らしさは昔も今も変わらない。

名山を借景にした庭園は、さすが大河内が30年にわたり
丹精を込めただけのことはあると言えよう。

遠路やってきた価値があったと言うことで満足、満足。


(庭園内)


(古都一望)


(野々宮界隈)



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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