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日本化

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日本経済は1990年をピークに停滞期に突入しそれから
抜け出すことはできずに「失われた30年」が過ぎた。

この間の「日本経済」の特徴を挙げれば次の3つに
なるだろうか。

まず「低成長」。

この30年間で世界の先進国は数倍から数十倍程度へ規模を
拡大しているが、日本は僅か20%程度の成長に止まっている。

続いて「低インフレ」。

この間円高や中国の安い商品・労働力の流入による物価下落に
見舞われて、目標水準とされる2%などほど遠く低インフレ=デフレ心理が
消費意欲を抑制し、経済の浮揚を阻んでいる。

そして3番目が「低金利」。

経済活動はデフレ心理により不活発化し、さらに2013年の
異次元緩和もインフレ率を上昇できず、一方で
マイナス金利へと突入して金融システムをむしばんでいる。



上記3点が日本経済の特徴とされ、この「日本化」は欧州にも芽生え、
すでに低金利、低成長、低インフレは常態化した。

そしてこの間輸出拡大や投資資金の流入など中国頼みを強め
そして第4次産業革命に活路を見出そうとしているが
効果は見えない。

そしてこの「日本化」はさらに米国へと伝播しそうだ。

これまで先進国の中で唯一2%インフレ、3%成長を達成し
一応「健康的」と言われる症状を示してきた米国だが、コロナに
直撃されて不健康症状が露わになった。

過日FRBはゼロ金利政策(FFターゲット0%~0.25%)
を2022年末まで続ける方針を示し、「利上げについて考える
ことすら考えていない」とパウエル議長は強調した。



トランプ大統領はこれまで「根性なし」「愚か」「先見性なし」
などとパウエル議長を酷評してきた。

この発言こそパウエル議長の中立性を示す証明とも言えるが
その手腕についての評価はもう少し時間がかかるのだろう。

とはいえパウエルプットと言われるようにこれまで
金融市場を下支えして混乱を回避してきたのは事実。

果たして今後コロナ被害をうまく処理し、米国経済をいかに
「日本化」から救うことができるのかが注目される。


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人生100年

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大学OB会から毎月会報が送られてくる。

普段は読みたい記事などほとんどないが、6月号だけは
百寿を迎えた会員の紹介記事がでるので注目している。

「人に歴史あり」でそれぞれ歩んだ人生の重さが感じられ
自らの人生をいかに過ごすかを考えさせられるのだ。

今年は一様に昭和18、19年あたりに繰り上げ卒業、
学徒出陣、そして復員した8人の方々。

多分一学年が2~300人ぐらいだったことからすれば
この先輩方はよくぞ生き抜いてこられたと言うことだ。

中には90歳近くまで働いていた人もいたりするが、
多くは60代に仕事を辞め、以来古典、歴史、読書などを
楽しみ人生を味わいつつ過ごされてきたと言ったところか。



人生が100年になると晩年が長くなるのは当然で、70歳まで
働いても残りは30年もあるということでその間をいかに過ごすか
がテーマになる。

その期間をいかに生きるかは人生の価値を高めもするし、
逆もあるということになる。



人生100年が当たり前となったこれからの世代の
働き方、学び方、生き方は大きく変わるだろう。

それでなくとも仕事はAIの発達により高度化する。

したがってAIを使う人になれなければAIに使われる層
へと淘汰されてしまう。

ということで学ぶことが生き残りの
唯一の手段になるということだ。

つまり大学を出て働き続ける50年は、陳腐化した知識を
ブラッシュアップすべく絶えず学び直さなければならない。

そして年老いてからはライフワークとしてのテーマを見付け
再度学ばなければならないと言うこと、つまり「生涯一学生」なのだ。

それでは自らは何を学ぶか?

これまでの延長としての国際金融だけでは潤いは少ない。
中国古典か古代地中海世界かそれとも両方か、ここはじっくり考えよう。



記憶力

文芸春秋6月号が来た。
定期購読なので10日の発売日よりも数日早く手元に届く。

雑誌の性格上速報性が求められるニュースがあるわけでもないが、
少しだけ得した気分になるのは不思議だ。

巻頭言はここ2年ほど作家で数学者の藤原正彦が担っており
今月は「記憶力」について書いている。

5歳で九九と世界各国の首都を、そして6歳で将棋、囲碁
麻雀を覚え、中学で英単語6000語、独仏の基本文法に
それぞれ千以上の単語を覚えたという。

それはまるでスポンジのように新しい知識が吸い込まれるのが
脳にとって快感だったのだろうと振り返る。



誰しも記憶力は中学生頃をピークに徐々に衰え、その代わり
思考力は少しづつ深まると言われるが、中高年を過ぎれば
全てが怪しくなる。

ただ経験値が深まることは間違いないのは明らかで
差し引きすれば個人の能力はトントンが維持されると言うところか。

小3でやっと九九を覚え英語そしてフランス語の習得に
時間がかかった身からすると氏の記憶力には脱帽だ。

同時に余り記憶力が良いとつらい過去の記憶から逃れられず
苦しみが続くのではないかと思って自らの微力を慰めるしかない。



今や小学校時代の記憶は薄れているが、氏は1,2年生しか
通わなかった神田の小学校の同窓会にゲストとして招かれて、
その時の思い出を語ったとのこと。

その詳細にわたる記憶に同窓生たちは舌を巻いたというが、
氏からすれば「別に」と言うことなのだろう。

ただ50歳を過ぎてその記憶力が怪しくなってきたという

それまで日程など忘れるはずもなかったが、いつしか手帳を持つ
ようになり、60歳を過ぎて人名が覚えられなくなったということだ。

「少年老い易く学成り難し」を痛感する筆者としては、
氏の能力とくに記憶力に驚くとともに、だれにも老いは
忍び寄るものだな、と少し安心したのである。


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新しい日常

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緊急事態宣言が解除されて「新しい日常」が始まった。

孫娘もピカピカの中学生になり、昭和的な制服に指定の鞄をさげて
多摩川を超えての電車通学を始めた。

すでに5月連休明けからZoomで入学式そして
ホームルームや授業が始まっていた。

しかしバーチャルではなくリアルに顔と顔を合わせての
楽しさは全く違うようだ。

当面部活も夏の林間学校もないのはかわいそうだが
これから学園生活は10年もある。

「新しい日常」の中で楽しく充実した日々を過ごしてほしい。



それでは「新しい日常」とは?

それは政府の言う手洗い、飲み屋での横すわりと言った生活指導ではなく、
あくまでもニューノーマル(新しい当たり前)つまり社会の変革だ。

中国で言えば「新常態」が思い浮かぶが、習・李が掲げた
高度成長・輸出型経済から中成長・消費経済型への転換の
ような社会の価値観の変化をもたらすものだ。

コロナショックに見舞われた我々にとってのニューノーマルとは
非接触社会におけるIT Literacyの一層の充実か。



IT革命から20年我々の生活のデジタル化はそこそこ進んでいたが
今回のコロナでアナログ行政の実態には驚かされた。

①給付金申請書に身分証明と口座番号のコピー添付が求められたこと
②オンライン申請の確認が手ベース・読み合わせで行われていたこと
③都と保健所のやりとりがFAXで行われていたこと
④教育のオンライン化が全く進んでいないこと、など。

つまり日本のIT Literacyは世界基準からすれば周回どころか
5周ぐらい遅れているのが実情。

民度の高さを誇っている場合ではないのだ。

コロナ後のニューノーマルはずばり「デジタル化」であり、
それが「新しい日常」の基本になるのではないか。




株価はバブル?

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(国士館大学キャンパス)

米国株価は3月上旬に18千ドルを割り込んだがその後リバウンドし、
現在26千ドルとコロナ前の水準(29千ドル)が見えてきた。

この株価上昇の背景はコロナ対策としての2兆ドルを
超える財政政策とFRBの金融緩和が大きく作用している
のは言うまでもない。

しかし実体経済の落ち込みが十分に反映されていない
だけに今ひとつ腑に落ちないが、これがまさに中銀マネー
・バブルということなのだろうか。



なにが腑に落ちないか、そして高所恐怖の理由はと言えば、
米国の実態との乖離だ。

ます経済の根本である雇用統計の悪化。

失業者は3月70万人、4月2053万人、そして今夜発表される5月予想は
800万人と3か月で3000万人が職を失い、失業率はついに20%レベルだ。

そして第2点がトランプ大統領の暴挙。

人種対立の激化に伴い一部では略奪を含め暴徒化しているが
基本的には市民の平和的デモであり、これに対し軍の出動を要請する
など愚行を通り過ぎた蛮行だ。

その異常さは人種差別の実情そして警察、軍を含めた米国の
統治システムを熟知しない日本人にとっても行き過ぎに見える。

そしてトランプ大統領の支持率が下落基調で40%水準に落ち
バイデンが50%を超えるところとなっているのは当然だろう。

にもかかわらず株式市場はトランプのバラマキを評価している。

実際バイデンを選べば法人税増税を課しそうで、それは
それで金融街の不安を増幅させることになるのだが。



米国においてはコロナの収束がいまだ見えず、大統領選を
5か月後に控えてとダブルの不安を抱えたままの状態が続く。

果たして経済実態から大きく乖離して見える
株価はどうなるのか。

リーマンショックから12年、中銀マネーによるバブルは
どこで破裂するのだろうか。



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プロフィール

斉藤洋二

Author:斉藤洋二
銀行・生命保険会社にて
長く為替・投資業務に携わった。

特にホンコン、パリ在住の際には
中国・アジア・欧州・アフリカ
各国を見て歩いた。

歴史・料理・音楽に興味がある。

「ネクスト経済研究所」代表

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